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室温は認知機能に影響する?男女で違う理想の温度とは

室温は認知機能に影響する?男女で違う理想の温度とは

部屋の温度を何度に設定していますか?
寒がりの人は高めに、暑がりの人は低めにすると思いますが、それが本当にあなたの能力を最大限に発揮できる温度なのでしょうか?

実は、室温は認知機能に大きな影響を与えます。
しかも、男性と女性ではその影響の度合いや方向が異なるのです。

室温と認知機能の関係について、南カリフォルニア大学のビジネススクールの研究をもとにお話しします。

・室温と認知機能の実験

研究者は、543人の大学生に認知機能を計測するテストを受けてもらいました。

参加者は、室温が16℃から32℃の範囲でランダムに設定された部屋でテストを受けました。
つまり、寒い部屋、暖かい部屋、快適な部屋など、さまざまな温度の部屋で認知機能に差が出るかどうかを調べたのです。

・室温と認知機能の結果

テストの結果は、とても興味深いものでした。

まず、論理的な問題については、部屋の温度が変わっても成績に影響がありませんでした。どの温度でも、論理的な思考は同じようにできるということです。

しかし、数学や言語能力については、部屋の温度が変わると成績に大きな影響があったのです。
特に、寒い部屋では、数学や言語能力の成績が低下していました。
寒い部屋では、本来の能力が発揮できないということです。

これは、寒さが体にストレスを与えて、集中力や記憶力を低下させるからだと考えられます。

しかし、この結果は、女性に限ったものでした。室温が下がって能力が発揮できなくなるのは、女性だけだったのです。

女性の場合、室温が1℃上昇するごとに、数学や言語能力の成績が2%上がることが確認されました。女性は、暖かい部屋のほうが能力を発揮できるということです。

女性は、部屋を暖かくすることで、仕事や勉強の効率を上げることができます。

・室温と認知機能の男女差

では、男性はどうだったのでしょうか?

実は、男性は女性とは逆の結果が出たのです。
男性の場合、部屋の温度が下がるほうが、数学や言語能力の成績がよくなっていたのです。

男性は、寒い部屋のほうが能力を発揮できるということです。

ただし、室温の低下による成績の上昇は、女性ほど大きくなかったようです。

男性は、部屋を涼しくすることで、仕事や勉強の効率を上げることができます。

今回の結果は、職場や家庭での室温の設定にも関係してきます。
男性と女性が一緒にいる場合、どちらかに合わせると、もう一方の能力が低下してしまいます。
男性と女性の両方が最大のパフォーマンスを発揮できる室温は、なかなか見つからないかもしれません。

研究者は、男性のほうが室温による影響が少ないので、相対的な効果量を考えると、室温を高く設定したほうがいいと述べています。
ただし、男女のバランスがいい職場に限ります。

残念ながら、職場の全員を救うことはできません。仮に、全員に快適な状況を作るとするなら、男性と女性でオフィスを分ける必要があるでしょう。

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