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良い習慣作りの厳選テクニックBEST3!! #習慣編2

前回習慣の誤解について話し、習慣の凄さと有効性と脳科学からのメカニズムについて説明してきました。
今回は実際に自分が望む習慣をどうやって身につけるのか、テクニックやコツを紹介していきたいと思います。
巷にはたくさんの習慣に関するテクニックがありますが、今回は大きく2つの習慣について解説していきます。

良い習慣作りと悪い習慣対策

普段の生活でこの2つを意識できれば、充分に人生が変わるくらいのインパクオがあるのではないでしょうか。

まず本記事では良い習慣作りから始めていきましょう。

ではいってみましょう!


習慣作りテクニック①:if then ルール

数々の習慣テクニックの中でもあらゆる場面(ダイエットや感情コントロール、先延ばし対策など)で驚きの効果を示すif thenルール、今や習慣テクニックの王様と言っても良いでしょう(効果量は驚きの0.65〜0.99!)

方法を簡単に説明すると、

「もしAが起きたらBをする」

という形式で、あらかじめ計画を立てておくだけです。

このルールのポイントはAは毎日行っている行動を選ぶことです。
ちなみにBはあなたが習慣化したい行動です。
歯磨きでも、お風呂でも何でも良いのですが、みなさんの行動の中で毎日無意識にでも欠かさず行っている行動を選ぶと習慣は更に身につけやすいことがわかっています。

これは人間が昔から進化の過程で組み込んできた脳の機能(猛獣が来たら逃げる、食べ物を見つけたら取りに行くなど)から、人間の脳は「AだったらB」という状況に条件反射的に反応しやすいようにできているためと言われています。

if thenルールを具体的に使った場合

・運動を習慣にしたい場合
あなたが毎日朝シャワーを浴びているなら、朝シャワーをAとして、ヨガを習慣化したいとしましょう。これがBですね。

例1:朝シャワーを浴びたら(=A)、10分ヨガをする(=B)

・読書を習慣にしたい場合
あなたが毎日歯磨きをするなら、歯磨きをAとして、読書をBとします。

例2:歯磨きをしたら(=A)、5分読書をする(=B)

ぜひ皆さんの毎日の行動を探し出して、うまくルール作りをしてみましょう。

*効果量とは

簡単にいうと、ある研究の結果が統計的にどの程度効果を得られるかを数値化したものです。効果量が0だと何の影響もなく、-1だと完全に逆効果で、1は完全にその理論の結果と相関するということです。
またおおよその効果量の指標として、判断基準も示しておきます。
・0.3で試す価値あり
・0.5を超えるとかなり効果が期待できる

*ハビットチェーン(Habit Chain):習慣を更に増やす

一つの習慣が身についてきたなと思ったら、新たな習慣も更に身につけたいと思うものですよね。そんな時のテクニックとしてハビットチェーンをご紹介します。これはすでに身についた習慣をトリガー(きっかけ)として、次の習慣に繋げていくテクニックです。

ポイントは下記の2点です。

  • 既に身に付いていて、毎日やっていることに繋げる

  • できれば同じ時間に同じ場所で行う

例えば、毎朝ストレッチをする習慣が身についてきたら、

  • ストレッチ終える→ランニングをする

このようにストレッチが終わることがランニングを始めるきっかけになるわけです。
これら習慣をどんどんと繋げていくと、複数の望ましい習慣を早く身につけることができるはずです。

わたしの場合、最近ではヨガ→瞑想→筆記開示→ランニング→水シャワーと繋げて習慣としています。

*選択肢を複数持っておく

行動に選択肢を持たせておくことも習慣作りに効果があることを示す研究もあります。

例えばストレッチを終えた後、

  1. 時間があるときは、30分ランニングをする

  2. 時間がないときは、10分早歩きする

人は誰でも日によって忙しかったり、比較的予定が空いていたりするものです。時間がなくて、ランニングを30分せずに仕事に行っていたりすると、ランニングの習慣が途切れてしまいかねません。
そこで簡単な選択肢を持っておくことで、習慣が途切れることを防ぐことができます。

*良い習慣は起きた直後から始めよう

人間の意志力は消費していくものだという研究があります。
つまり、1日の意思決定できる量と質には限りがあるというわけです。

そう考えると、1日の始まりである朝は一番意志力がある時間帯といえます。
皆さんも経験があると思いますが、朝よりも夜の方がネットサーフィンをしたり、夜遅くにカップラーメンを食べたりしませんか?

これは判断能力を失いがちな夜の方が、朝よりも誘惑や衝動に負けてしまいがちだからだと考えられます。

実際にストレッチを習慣化する実験において、朝に取り組んだグループの方が夜のグループよりも習慣にかかる日数が1.5倍も早まったとされています。

また、「朝」というよりは「起きた直後」が更に習慣作りに適しています。
それは、コルチゾールという覚醒ストレスホルモンの影響によるものです。

コルチゾールの作用として、分泌量が多いときに、脳は覚醒状態となり、目の前のことに最大限適用しようとします。

人間の体内リズムによって、コルチゾールは起床しだす頃から分泌量が増え出し、夜にかけてだんだんと下がっていくのですが、起床前後に分泌量が跳ね上がります。
起きるためにエネルギーが必要だからです。

そのタイミングを使って、習慣作りに役立てられるわけです。

実際に私も夜に習慣行動をするよりも、朝に習慣行動に成功していることの方が多いと感じています。

ぜひ皆さんも朝起きての時間を活用してみてください。

習慣作りテクニック②:できるだけ簡単かつ小さく始める

できるだけ簡単かつ小さく始めることは、行動を習慣にする上で非常に重要です。多くの人が何かを始めようとする際に、毎日ヨガをしよう、間食をやめよう、本も毎日くらい読めるだろうなどと、調子が良いときの成果や期待を目標に設定してしまいがちです。そして続けられずに皆さんも挫折した経験が1度や2度あるのではないでしょうか。では、どのようにして小さな目標を設定し、習慣化にしていくのでしょうか。

大きく2つのポイントがあります。

  • ポイント1:習慣の行動に入るまでの準備を極限に減らすこと

  • ポイント2:目標を極限まで細かく刻んで設定すること

ポイント1:習慣の行動に入るまでの準備を極限に減らすこと

新たに習慣を身につけようとした場合、できる限りその行動を行いやすくすることが大事です。習慣の誤解の中でもお伝えした通り、意志力ややる気をいかに使わずに目的の行動に入れるようにするためには、その行動までの手間をいかに減らせるかがポイントです。

  • 朝ヨガをするのであれば、夜寝る前にヨガマットを敷いておく

  • 読書をしたければ、読んでいる本を開いたまま、机の上に置いておく

このようにちょっとした工夫をすることで、ヨガをしたり読書をするためのハードルが下がり、習慣化しやすいことがわかっています。

ポイント2:目標を極限まで細かく刻んで設定すること

まず、現実的で達成可能な目標を立てることが大切です。

例えば、「毎日30分ジョギングする」という目標は、できる日もあるでしょうが、やる気が出ない時、雨が降っててできない日もあるでしょう。
そうなると、習慣になる前に挫折する可能性が高くなってしまいます。
そこで、「毎日3分ジョギング」というように、より達成可能な目標から始めてみるのも効果が得られると思います。なんなら散歩でもかまいません。

このときのポイントとして、できるだけ簡単に「少なくともこれなら達成できるだろう」と思える目標にしておくことです。
これならば、たとえ朝雨が降っていようが夕方や夜には止んでいるかもしれませんし、雨が降っていようが3分程度なら散歩くらいはできそうです。

神経科学でも「目標を小さく刻む力」が継続力を高めることを、脳が報酬に反応する仕組みに基づいて説明しています。
ある種の行動(「甘いものを食べる」「お金を稼ぐ」「性交渉をする」など)によって脳内から快感を促す脳内化学物質ドーパミンが分泌されると、人は再びそれを味わおうとして行動を繰り返すようになります。
ここで興味深いのは、脳が報酬を絶対的なものではなく、相対的なものとしてとらえていることです。
具体的に例を挙げると、毎日1~2kmのウォーキングを目標としたけど、目標の上限値である2kmのウォーキングを達成した場合、ドーパミンは分泌されるが、毎日3~5kmのランニングを目標としたのに、3kmのランニングしか達成できなかった場合ではドーパミンが分泌されな区なるようです。

つまり、目標を小さく刻んで、そのたびに目標を達成すると、快楽物質ドーパミンが放出され、より継続的に目標を達成したいモチベーションが上がるはずなのです。

実際に目標を細かく設定する効果を図る実験として、6週間、142人の肥満の女性を対象にして、減量を目指しました。
目標設定を細かくしたグループ(=A)と「痩せること」にだけフォーカスしたグループ(=B)において、グループAではグループBよりも減量に成功し、逆にグループBは体重が増えていたようです。

また、小さな目標を細かく達成することで、快感や達成感を味わい、習慣のモチベーションの維持にも一役買ってくれるでしょう。

*注意点:大きな目標を思いだそう

できるだけ目標をシンプルかつ小さく始めることは、習慣作りに確かな効果をもたらすと思いますが、細かく目標を細分化し過ぎて、本来の目標を見失ってはいけません。
「ランニングを続けるのは何故か」「間食をやめるのはなぜか」を初心に返って思い出し見ることも大事な作業です。
「ランニングをして仕事のパフォーマンスを上げたい、より強い体を作りたい」「間食をやめて痩せてモテたい、健康の予防をしたい」など様々な理由があると思います。
1週間に一度などくらいで構いませんので、その習慣の行動の本来の目的を思い返すとモチベーションを保ちやすくなります。
また、その習慣化の行動を続けた「将来の自分」を想像し、その行動や目標が重要だと思うことで、成し遂げる力や達成率をあげてくれる研究報告もあります。

*我々の重要な目標とは

人が良い習慣や行動をする時の重要な目標はおおよそ下記の3つに該当することが研究によってわかっています。

  • お金

  • 人間関係

  • 健康

皆さんも思い当たるのではないでしょうか。
もし明確な目標が描きづらい場合は、上の3つのどれかに当てはまるかもと思い考えてみるものアリかもしれません。

習慣作りテクニック③:パートナーや仲間の力を借りる

誰かと一緒に頑張るというのは想像以上にモチベーションの向上や習慣の維持に役立ちます。お相手は恋人でも、家族、友人など誰でも構いません。新たに獲得したい習慣や既に継続している習慣行動を通じて、新しい友人を作ったり、コミュニティに参加したりすることは「定期的な運動」などの良い運動を促し、「喫煙」などの良くない行動を抑える力があることが研究でもわかっています。

そして私たちは良いコミュニティーを選ぶこともできますが、いつの間にか良くないコミュニティーのメンバーになっていることもあります。

人は究極の社会的な動物で、周りの影響を否が応でも受けてしまいます。
であれば、1人の力だけでなく、周りの力を借りて習慣作りに取り組むのが最良です。

実際に、ジム通いの頻度を上げるための調査において、「ご褒美を与える」「他の人と競わせる」「仲間を作る」の3グループで、どのグループが一番ジムに通ったかを実験しました。
実験参加者はまだジム通いが習慣化しておらず、週に1回も通えてない人たちです。

結果だけお伝えすると、一番効果が弱かったのが「ご褒美を与えた」グループで週に1.5回、2番目は「他の人と競わせた」グループで週に2回以上、一番効果が高かったのが「仲間を作った」グループで週に3回以上通うことに成功しています。

実験期間は3週間とあまり長くありませんが、仲間を作ることの効果を知るには良い実験だったのではないでしょうか。もちろん継続して仲間との関係性を保ち、更にモチベーションを高め合うことで、習慣化の継続に貢献することは間違いないでしょう。

そんな仲間やパートナーなんていないよという方は、オンライン上で見つけるのも良いかもしれません。
「ジムで筋トレを続けたい」「ダイエットを続けたい」「ヨガを続けたい」など様々な良い習慣作りがあると思いますが、このような習慣を身につけたい方は身近にもたくさんいるはずです。オンライン上でも見つけられると思うので、オフラインで難しいようであれば、試しにオンラインで探してみるのも良いと思います。

また、パートナーや仲間と目標の共有や日々の行動を定期的に報告すると目標や習慣の達成率が上がることもわかっています。このとき、うまくいっていることだけでなく、うまくいってないことも、隠さずにシェアすることが大事です。自分の弱みから目をそらすほどストレスも溜まって前に進めなくなるからです。

ぜひ仲間やパートナーの力を借りて、良い習慣を身につけましょう。

*習慣化までの期間と頻度

習慣化までの期間に関しては、あまり強いエビデンスがなく、必要な日数が明確に確立されているわけではありません。

しかし、イギリスの研究では様々な行動に対する習慣化に必要な日数を調査しています。

結果は簡単な行動では約1ヶ月、難しい行動では約2ヶ月程度で習慣化しやすいということがわかりました。

また、習慣化までの頻度についてもカナダの研究が参考になるかもしれません。

ここではトレーニングジムに通い出した人たちを対象にしているのですが、

結果わかったのは、トレーニングジムに通う頻度が週に3回までの人に比べて、週4回以上通っていた人は習慣が身に付く確立が非常に高かったのです。

もちろん個人差がありますので、一概に1ヶ月続けたから確実に習慣になるというわけではありませんが、習慣行動を続けていけば、最初は辛いことでもどんどんと負担を感じなくなっていきます。

まずは週4回以上、2ヶ月間続けることを目標にしてみるのがいいでしょう。

個人的にも2ヶ月くらい続けば、大体のことは習慣化できるなと実感しています。


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