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ジャニーズWESTと言葉と留学と

こんにちは。
前回からすごく間が空いてしまった。反省。

かなり間が空いてしまったせいで、以前書いたジャニーズWESTの記事に共感して引用していただいたことに気づくのが遅くなってしまった。ひっそりと書いた記事だったけれど、どこの誰かわからない私の記事を読んでいただいたことが嬉しかった。この場を借りて「ありがとうございます」とお礼を伝えたい。日本に帰ったら鑑賞会をしたいです。

さて、留学して約2ヶ月が経過したのだが英語の伸びをあまり感じられず、正直焦っている。その一方で言葉というものについて考えることが多くなった。うまくまとまってはないけれど、この2ヶ月で考えたこと、そしてそこから派生してジャニーズWESTについても触れたいと思う。

1.自由に言葉で表現できないもどかしさ

私は正直英語が苦手だ。多分同じ大学に留学している日本人の中でも1、2を争うレベルにできないんじゃないかと思う。でもだからこそ少しでも上達させたくて、色んな人とコミュニケーションが取れるようになりたくて留学を決めた。まあなんとなく高校までは得意だと思っていたけれど大学受験のときに私そこまで得意じゃないな…?と気づいてはいたのだけれども。

もっと日本にいるうちに勉強しておけばよかったんじゃないかというのは本当にその通りなのだが、純ジャパで留学経験もなく、あまり英語が得意でないからこそ思ったことは「言葉が通じないことは思っている何倍もストレスでもどかしい」。

もちろんそれなりに最低限のことは伝えられる。

これが欲しい、これをやりたい、これを教えて欲しい。

だが、このnoteを英語で書けと言われたら出来ないし、パッと英語で話すこともできない。言語の大切さ、話せるということの必要性を留学中に強く感じた。自分の思うこと、考えていること、悩んでいることを思うように伝えられない。それがもどかしくて怖いことだと知った。

同時に私は言葉がいかに大事で、なぜ言語ができないといけないのかを学んだ。授業で10人グループでのグループディスカッションがあったのだが、オンラインということもあって議論についていけず一度も発言できなかった。悔しいというよりも情けなくて悲しかった。一応自分なりの意見を持っていたつもりだったけれど、うまく伝えられるかわからない不安とその意見がトンチンカンなものだったらどうしようという心配からただ時が過ぎるのを待つしかなかった。でも自分の考えを伝えられないことは自分という存在を他人に認めてもらえないということで、結局何も準備しなかったのと変わらないことになってしまう。言語ができないことは互いに理解できない孤独と失望を味わうことになる、ということを痛感した。

2.日本語の特徴

こっちにきて言語思ったことはいくつかあるのだが、そのひとつは日本語は距離を作る言語だということだ。小学生か中学生の国語の教科書に載っていた文章にも書かれていたことだったと思うが、英語には敬語がない。もちろんCould you~? やWould you~?など丁寧な表現や学術的な言葉はあるが、目上の人だから、初対面だからといって日本語では「言う」が「おっしゃった」になるようにまるで違う言葉違いになるわけではない。

そして英語には「ちゃん」、「さん」という概念がない。基本的に初対面だろうとみんな呼び捨てだ。また、英語では弟も兄もbrotherで妹も姉もsisterと表されるように、あまり年齢という概念がない。ルームメイトは私より2つくらい年下だったがそんなことを気にせずお互い対等に話していた。対照的に私と同じ日本人留学生の子たちは学年が違ったり初対面だったりすると敬語で話すからなかなか距離が縮まらない。
その意味で日本語という言語は明確には表さないけれどいい意味でも悪い意味でも人との距離をはかる言語なのだと思う。

そして日本語はニュアンスの細かい言語だと思う。これはオランダ人のルームメイトと日本のドラマを観ていたときに思った。「おい!」も「よっ!」もどちらもHi!と訳されているのを目にして気づいた。というのもおい!という声の掛け方はぶっきらぼうでちょっと乱暴、よっ!というのは明るくて親近感がある感じで違うのに同じ単語で表されてしまうのだ。他にも「〜だろ」、「〜だよ」も英語にすると同じになる。そのドラマは優等生タイプの子とクラスのお調子者といった対照的なキャラクターが2人出てきたのだが、私たち日本人は行動や言葉の内容だけじゃなくて、語尾や微妙に違う言葉遣いからその登場人物の性格を理解する。ルームメイトの子も、もちろんストーリーや大まかな性格については理解していたとは思うけれど、そういった微妙なニュアンスがどの程度通じていたのだろうかと疑問に思った。

そして日本語は言語としてとても美しくて繊細だと思う。擬音語が英語や他の言語と比べても多く、表現の幅がとても広い。そして微妙、木漏れ日、いただきます等、英語にはない表現が日本語にはたくさんある。そしてスピードにもよるのかもしれないが表現が丁寧なのだと思う。留学生の友達数人と博物館に行き、それぞれの自分の言語の音声ガイドを使っていたのだが、大抵私が1番最後まで聞いていた。特別再生ボタンを押すのが遅いわけではないのに、基本的に他の子たちは聞き終わったようでどんどん先に進んでいた。日本語は音数が他の言語よりも多いのかも知れない。

そして漢字、ひらがな、カタカナという3つの文字形態を使うのも特殊だなと感じる。日本語を勉強しているベルギーの子にひらがななら分かるけれど漢字は無理だ、と言われた。確かにひとつの言語で器用にこの3つを使い分けているのはかなり独特だ。そして同じ言葉でもそれぞれでなんとなく印象が変わってしまうのも面白いと思う。例えば、お疲れ様、おつかれさま、オツカレサマ。発音は全て同じだけど漢字で書くとちょっとしっかりした感じ、ひらがなはフランクな感じ、カタカナは今どきっぽいかちょっと距離がある感じ。今まであんまり気にしていなかったけれど日本語の表現の幅に改めて気付かされた。

3.言葉が色づく

そしてここからはまた少し話の方向性が変わるのだけれど言葉の使い方についても触れたい。

言葉という壁を目の前に悩む私を救ってくれたのもまた言葉だった。この留学期間、助けてもらった言葉はたくさんあるけれどジャニーズWESTの言葉や歌に助けてもらった場面が多い。そこで後半は彼らの言葉について、以前の記事と被るところもあるかと思うが考えたい。

私はジャニーズWESTの7人は言葉に色をつけられる人、言葉を自分たちの色に染められる人たちだと思う。

今年のドームに行った際、いつも一緒に連番している高校の時の先輩が「WESTのみんなは言葉が上手いわけじゃないけどすごくまっすぐで元気をくれる」と言った。「ああその通りだな」と強く思った。確かに彼らは上手く喋ろうとか、綺麗に伝えようとはしていない。どちらかと言うと下手な部類に入るのかも知れない。だがあの7人の言葉には嘘がなくて、素直でまっすぐで、スッと心に入ってくる。彼らの言うことには全力で信じてもいいんじゃないかと思わせてくれる。

2021年のコンサート、rainboWで神ちゃんは「辛くなったら俺ら見て!絶対笑わせたるから!」と最後に言った。今年のコンサートで流星くんが「みんなの笑顔本当に素敵だった!笑顔は伝染していくから周りの人にもその笑顔分けてあげてね!」と言っていた。

彼らの言葉はありふれた言葉なのだが、そんなありふれた言葉に意味を、命を吹き込めるのが彼らだ。難しい言葉なんて一つもないけれど誰にでも、そこにいるみんなに等しく伝わる。そして私には彼らの言葉に触れたとき、その言葉が白黒の無機質なものではなくて、明るい温かい色に染まっていく感覚を覚えた。言葉を生かすことができる、その一瞬の空間をそのまま密閉したような言葉を生み出せる人たちだと思う。

また、自分達の楽曲の歌詞も彼らが歌うからこそ色づいていた。

あなたという人の意味は 今日も僕が感じているから

正解のない人生に盛大な拍手が鳴った

怯まないで 比べないで あなたは今日もあなたのままでいいんだ

この歌のYouTubeのコメント欄には「この歌に救われた」という言葉が多く並んでいる。でもそれは歌詞がいいのはもちろんだけれど、WEST7人が歌うからこそ力を持つのだと思う。その歌詞に、その言葉に、全力で彼らの想いをぶつけて歌っているから聴いている人が救われるのだと思う。ジャニーズWESTより歌が上手いグループは沢山あるけれど、ここまで歌詞が響くグループはあまりない。その歌詞を彼らの色に染めて彼らのものにしてしまう。歌詞に意味を持たせることができる。その力を持っているから自分達のファン以外も含めた、たくさんの人に届くのだと思う。

私は彼らの歌を聴いて、「ああ、私もこんな風に言葉を使いたい」と思った。言葉を色づけられる7人がかっこよくて羨ましいと思った。その言葉に触れた人の心を動かすことができる、そんな彼らがとても眩しくて大好きだと思う。上辺じゃなくて誰にでも伝わる言葉。誰かの力になれるエネルギーを持った言葉。先程触れた日本語の美しさや繊細さとは離れているかも知れないが、彼らは「伝える」という言葉の本質に迫った使い方をする人たちだ。

4.人柄が表れる言葉

次はその人自身の言葉についての話だ。

ちょっと話が変わるのだが私はもともと嵐が好きで、中でもメンバーが作った曲が好きだ。嵐5人みんなで作った「ファイトソング」、「エナジーソング」、「5×10」、「5×20」。そしてニノが作った曲も私は好きだ。「虹」や「それはやっぱり君でした」、「メリークリスマス」。プロの作詞家ではなくアイドルであるその人自身が作った歌、その人の言葉で綴られた歌詞はオタクにとっては他の曲よりもなんかやっぱり特別だ。

そしてそれはジャニーズWESTでも同じだ。私は重岡くんの作った歌が好きだ。

私は特に重岡くんの言葉が好きだ。彼の言葉には強さと弱さと優しさが詰まっている。ドラマ「silent」で主人公の紬ちゃんが想くんのことを「好きな言葉をくれる人」と言っていたけれど、私にとってそれは重岡くんなのかもしれない。

重岡くんのパブリックイメージはきっと底抜けに明るくて笑顔が似合うジャニーズWESTのセンター。それはその通りで、まるで少年ジャンプから飛び出てきた主人公のような人だと思う。いつだったか三宅健くんが長瀬くんのことを「場を掻っ攫う人」と評していたが、私はライブのときの重岡くんもまた「場を掻っ攫う人」だと思う。

だが一方でいい意味で"普通"で、とても繊細な人なのだとも思う。バラエティー番組で「センターなのに1番ファンっぽい」といじられていた重岡くん。重岡くんは「アイドルだけど"普通"」だからこそ親しみやすくて共感できる歌を作るのかも知れない。

そんな重岡くんが作った「間違っちゃいない」という曲。

名古屋ドームでこの曲を歌う前、重岡くんはこう言った。

「これは俺がどうしようもない時に作った曲で、もしこの中に同じような気持ちの人がいたら、夢に向かってるけどこのままで良いのか、進めてるのかとかって。もし、それ私のことだと思う人がいれば、あなたに歌います今日。」

重岡くんのJr.時代をよく知らなかった私は重岡くんがそんなふうに思い悩んでいた時期があるなんて知らなくて、でもそれを赤裸々にはにかみながら、穏やかに話す重岡くんがとてもかっこよくてコンサートの中でもすごく印象に残っている。そして流星くんが重岡くんに「シゲ、ドームでやるのが夢だったもんななあ」と言っていた。重岡くんはそう言われて、照れたようにでも誇らしげに嬉しそうにしていた。それほどまでにすごく思いの詰まった曲だったのだと知った。

もちろんドームで聴いた時もとても心を打たれたのだけど、この曲のことをこっちにきてからふと思い出して助けてもらった。当時の重岡くんと状況はまるで違うけれど、劣等感や自分への悔しさ、先の見えない不安でいっぱいの日々を送る私にとても歌詞が刺さって、夜寝る前に聴いて思わず泣いた。

涙一粒 星降る夜に
光れない 馴染めない
なぜ同じように生きれないの
予定詰まったカバン捨てて帰ろうかな

間違っちゃいないよな
消えたくなった夜も 逃げたくなった朝も
まぁまぁかっこいいんじゃない

頑張らなくていい 嫌になったっていい
情けなくていい ダサくていい 怖くなってもいい
どんな自分だっていい

等身大の言葉で、決して背伸びをせずにこちらに目線を合わせてくれるような、寄り添ってくれる歌詞。ジャニーズWESTの曲は元気が出る曲が多いけれど、それはただ励ますのではなくて大丈夫だよ、このままで十分頑張ってるよ、と肯定してくれるからだと思う。周りと比べては自己嫌悪でいっぱいになっていた私にこの歌は本当に心の支えだった。
「予定詰まったカバン捨てて帰ろうかな」
まるで自分のことを言われてるようだった。
そして最後、「間違ってもいい」という歌詞。

「頑張れ」なんて言葉は出てこないのに、明日から頑張ろうと思わせてくれる曲。人の心を響かすことのできる言葉を、歌を作る重岡くんはカッコよくてとても素敵な人だと思う。完璧じゃなくてとても人間臭くていい意味で"普通"だからこそ、飾らない重岡くんだからこそ生み出せる言葉なんだと思う。

そして「ムーンライト」
Mixed Juiceでもメトロックでもドームでも聞いたけど、何度聴いてもこの曲は元気が出るし、ああいいなあと思わせてくれる。そして今もよく聞くけれどやっぱり生のエネルギーがすごい。重岡くんの紡いだ言葉にWEST7人が歌に乗せたエネルギーが、私含めそこにいた全ての人の心を震わせていた。

どこまで行こうか まだ何も決めたくないや

真昼間の月に種を植えてみたくなったのは
いつか君を襲う夜の底 一輪の光を

"真昼間"の月に"夜の底"

ただ明るい曲なだけじゃなくて、弱くて怖がりな自分をちょっと覗かれているような気がする歌詞に重岡くんの人間らしさというものが現れている気がする。そしてそこに差した一輪の光。たった2行の歌詞なのに、情景がふと思い浮かんで感情移入できる。


あと、方向性が違うが「バニラとチョコ」も好きだ。

期間限定アイスクリーム
バニラかチョコのバリエーション

曖昧な時は甘いチョイスをほら

なんて事のないフレーズだけどなんか歌にすると小気味良くてなんだか耳に残る。曖昧と甘い。なんだか音が似ているけど意味は遠い言葉を並べるワードセンスが好きだなあと思う。そしてファンシーでかわいい。なんだかほっこりしてしまう。

「心配事の9割以上はホラ
おこらないって言ったでしょ?」
ハイハイ よく笑うぜ呑気に

そして最後のこのフレーズは重岡くんらしくて彼の人柄が表れてるように思う。重岡くんが真っ白な歯を見せてニカっと笑って言う姿が目に浮かぶ。

YouTubeに上がっていないので聴いてもらえないのが残念なのだけれどぜひ歌詞だけでも観てほしい。微笑ましくてかわいいカップルがそこに描かれている。
曲を聴くとなんかちょっとくすぐったくて甘酸っぱい気持ちになる。

そしてこれらの歌詞のニュアンスも意味も100%日本語が母国語ではない人には伝わらないのかもしれないと思うと悔しくてもどかしい気持ちにもなる。だがそれが言語の壁であり、日本語の難しさでもあり奥深さでもあり美しさでもあり儚さでもあるのだろうかとも思う。

日本に帰ってやりたいこと


私は日本に帰ったら、彼ら7人にこの留学で感じたこと、彼らにとても助けてもらったことを手紙に綴って送りたいと思う。私なりの色で染めた言葉で彼らへの感謝を伝えたい。
ここからでも手紙は送れるけれど、全て終わってから、留学も、就活もきちんと終わらせてから報告したい。重岡くんとMixed Juiceで「俺らも頑張るから、みんなも明日から頑張ろうなー!」と約束した通り、毎日ちょっとずつがんばって成長できていたらいいなあと思う。今は自分の嫌なところばかり目についてしまうけれども、少しでも自信を持てるようにすることが今の目標でもある。

そしていつになるかわからなくても、底抜けに明るくて、何よりも熱くて最高にエネルギーと夢を与えてくれる、関西のお兄ちゃん7人組に会いに行きたい。手が届きそうでやっぱり届かなくて、いつも楽しそうで真っ直ぐで笑顔がよく似合う大好きな7人に会いたい。そしてrainboWに連れて行ってくれて、ドームも一緒に行ってくれた大好きな小瀧担の高校の時の先輩と参戦して、またジャニーズWEST大好きだーって語りたい。

そのためにもとりあえず今はこの場所で、少しでも自分の不自由さがなくなるように頑張っていこうと思う。辛かったり悲しかったりしても、毎週木曜日はきっと彼らがまた明るく楽しい気持ちにしてくれるし、彼らの歌や言葉は色褪せることなくそばにいてくれて、助けてくれる。

最後にあと1曲。

"rainbow chaser " 意味:夢追い人

ジャニーズWESTに教えてもらったこの英語が好きだ。彼らが描いた7色の虹がかかる世界で私の夢も叶いますように。

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