経歴でごまかさない生き方を

今回は少し紀行文も交えてお話をしましょう。

地元や東京、大阪、京都、福岡と様々な場所で演奏会に行く機会がありました。大体の場合、プログラムには奏者や指揮者などのプロフィールが載っています。そして、「〇〇大学卒業、〇〇大学教授」などの肩書がずらりと書かれています。そのような肩書を揃えるために相当な努力をされてきたのはこちらも敬意を表したいと思います。しかし、長すぎる経歴を見たときに感じたことが1つあります。

結局、たくさん書いてあるしすごいというのは分かったけど、「この人は今いったい何ができる人なのだろう…」

人は努力して目に見える結果を出し、栄光を手に入れることがあります。そして、それが積み重なり、「経歴」という形に表すことができるようになるのです。大事なのは、その先であると思っています。

輝かしい経歴がある方もいらっしゃると思いますが、その経歴は、「ゴール」ではなく、「通過点」なのです。なので、「経歴自体」を武器にすることは、過去へベクトルを向ける行為そのものです。言い換えると、「過去にとらわれて生きている」ことになります。

例えば「名門校・名門大出身、有名会社に勤務していた、コンクールで結果を残した」等は、「努力をすることができるor能力値が一定程度はある」証明にはなりますが、逆を言えばそれ以上にもそれ以下にもなりません。むしろ「だからあなたは何ができるのですか?」という問いに答えられることの方がよっぽど重要であると思っています。経歴を「通過点」であると思っている人は、「経歴」に合う「能力」の研鑽を忘れず、スキルアップを図っているので、より上の経歴を求めるため、自然と「できること」も増えていきます。

「過去の経歴」を懐かしみ、ずっとその栄光に浸っていたい人と、通過点である「現在の経歴」をよりよくしたいと考え、「未来の経歴」を追い求める人。さて、あなたはどちらになりたいですか?

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