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ヒストリー14 つづき

《アイリ視点》

アイリ『♪♪♪』

アイリの膝枕でレオが泣き疲れて
寝ている。
アイリは子守唄を歌い、レオを微笑みながら
見つめていた。

【コンコン】

突然、扉からノックの音が鳴る。

アイリ『はい。』

グレース『奥様、グレースです。』

アイリは、レオを抱きかかえて、布団の上に
寝かせた。

アイリ『少し待っててね、レオ。』

アイリはレオの額にキスをして
部屋を出ていく。

【ガヂャ バタン】

アイリ『グレース、どうしたの?』

グレース『奥様、少しお話しが、、
レオ様は、、』

アイリ『レオは昼寝をしているわ。』

グレース『レオ様は、よく眠れていますか?』

アイリ『今はよく眠っているわ。あの子は
人の思いと気持ちを、敏感に感じられるから
母である私が思ってる以上に、すごく
気を遣っているの。だから眠る時は
ゆっくり眠らせてあげたくて。』

グレース『生まれた時のレオ様を
思い出します。』

アイリ『今でも、体こそ大きくなったけど
何も変わらないわ。』

少しの沈黙。

グレース『実は、旦那様が奥様と
お話しをしたいという事で、
呼びにまいりました。』

アイリ『主人が?、、』

グレース『はい。』

アイリ『そうですか。
・・わかりました。行きましょう。』

ふたりは邸宅へと歩き出した。

グレース『あの、奥様、私ごときが
口を挟むのも、おこがましいとは思うのですが
、、、』

アイリ『グレース、おこがましいとか
言わないで。
私はグレースの話しが聞きたいの。』

グレース『はい。』

グレースが立ち上まった。

グレース『今、旦那様から奥様に
何を話すのでしょうか?
言い方が、悪いのですが、10年間も
奥様とレオ様を部屋と古屋に閉じ込めて
放っておいたのに、、』

アイリ『私達には、住める場所があった、
グレースがいてくれた。食べる物もあった。
主人が許可してくれなかったら
私達は、ここにいる事は
なかったかもしれないし死んでいたかもしれない。
この10年、主人はよく我慢してくれたと思うの。』

グレース『でも、旦那様の奥様とお子様です!
我慢って・・・夫婦なのに、こんな寂しい事、、
ないよ。』

アイリ『大丈夫よ、グレース。
心配してくれてありがとう。私は・・』

?『奥様。』

アイリを呼ぶ声が聞こえた。
アイリが振り返ると、
使用人のベラが立っていた。

ベラ『あまりにも遅いので
様子を見にきました。
ご主人様がお待ちです。』

アイリ『ごめんなさい、
食器を割ってしまったので、グレースに
後片付けを頼んでいたの。
グレース、後はお願いね。』

グレース『は、はい。』

ベラ『では、まいりましょう。』

2人は邸宅の玄関のほうへ歩いていく。

グレース『ベラ!』

突然グレースが、ベラを呼び止めた。
グレースがベラを見つめている。

ベラ『なに?』

ベラが冷たい目で見つめ返す。

グレース『ベラ、あなたは、、』

アイリ『あっ、そうだ!グレース!』

アイリが2人の視線を遮(さえぎ)るように
グレースに話しかけた。

アイリ『古屋の後ろの木の枝に、私と
レオの服が干してあるの。悪いけど、
扉の前に置いておいてくれない?』

グレース『服ですか、、わかりました。』

アイリ『さぁベラ。いきましょうか。』

ベラ『・・はい。』

ベラが先に歩き、アイリがその後に続いて
邸宅の中へと入っていった。

つづく。

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