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【#42】株もいいけど知識にも投資しようよ

つみたてNISAの影響で、20代から株式投資を始める人が増えた。もちろんそれ自体は素晴らしいことだし、僕自身も株式投資は行なっている。しかし一方で株式投資ばかりで「自己投資」が少ないようにも感じる。

夏のボーナスの使い道インタビューで「老後に備えて積立NISAへ」と聞くと一見、将来のことを考えているようにも見える。しかしキャリア設計という点ではどうだろうか。

この先どのような知識やスキルを身につけて、どのように仕事に向き合っていくのか、という視点がすっぽりと抜けている。もちろん仕事だけがキャリアじゃない。しかしこの先食っていくなら仕事から逃れることはできない。

今日はそんな話を。

20代は自己投資のゴールデンタイム

20代は人生の中で最も自由が効く期間だ。仕事の責任も比較的軽く、失敗しながら学ぶこともできる。それでいて体力も十分。自己投資をするうえで、20代ほど良い時期はないだろう。

また20代で学ぶ基礎が、30代以降で必要とされる応用の土台になる。20代の自己投資は言わば種まきのようなものだ。この時期にまいた種が、30・40代で成長し、やがて大きな実となって、自分にリターンをもたらす。

アメリカの経済学者であるゲーリー・ベッカーは、「人的資本論」を唱えている。人が持つ知識やスキルを株式や資金と同じように「資本」として捉え、投資することで将来にリターンが得られるという考え方だ。

人生の後半になってから自己投資を始めてもすでに遅い。なぜなら、その果実を得るころには、自分はこの世にいないかもしれないからだ。

20代の体が動く時に色々と楽しみたい気持ちは十分わかる。しかし遊び過ぎて何の準備もしなかった結果、何もない老後を送るのもまた辛い。

このバランスが重要なのは言うまでもないが、新しい知識やスキルを身につけやすいのも20代であることは忘れないようにしたい。

自己投資にも複利が効く

株式投資で聞き慣れた言葉の「複利」だが、自己投資でも有効だ。新しいことを学び始めると、最初は時間がかかる。しかし基礎が出来上がってしまえば、その後の学ぶスピードは大きく向上する。

また知識はそれ単体で完結するものではない。深く学べば学ぶほど、その知識とその周りに付随する別の知識が繋がってくる。元の知識があるから、周りの知識にも目を向けることができ、結果さらなる知識を得ることができる。

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  • マーケティングを勉強していたら、経営や事業戦略も必要であることに気づいた

これも複利の効果と言えるだろう。

自己投資は株式投資のように、1年後にリターン何%といった明確な形で見えることはない。そのため投資に対する複利を感じづらく、継続するのが難しいと思うかもしれない。

しかし株式投資でも複利を得るためには、「できるだけ早く始めて」「継続する」ことが重要になる。

それは自己投資でも同じ。20代での積み重ねが30代を作るし、30代での積み重ねが40代の人生を作る。こうして自己投資の複利が、人生の後半にかけて徐々に効いてくる。

自己投資で複利を効かせるのなら、今すぐに自己投資をすべきだ。

自己投資のプロセスにも価値がある

自己投資というと、資格取得やスキルアップといった「結果」に目が行きがちだ。しかし、自己投資の価値は、目標達成までの「プロセス」の中にもある。

自己投資をする場合の多くは「目標」とそれに至るまでの「道筋」を決めるだろう。

  • いつまでに結果を出すのか

  • 学習ペースはどうするのか

  • 振り返りや評価はどうするのか

上記の目標達成までのプロセスは、自己投資だけのものではない。仕事でも活用できるし、この先に別の自己投資をする場合でも使えるだろう。

自己投資で学んだ知識は、時代が変わって廃れることがある。しかし前述の自己投資のプロセス自体は普遍的であり、いつの時代でも有効だ。

また自己投資で得られるのは、”今”の学習対象の知識だけではない。プロセスを組み立てるために必要な「論理的思考」、プロセスの改善に必要な「批判的思考」なども同時に得られる。

プロセスも意識しながら自己投資をすると、学習速度や精度も向上するのでオススメ。

「本」はコスパ最強の自己投資

自己投資をするとなると「何を使って自己投資をするのか」という話になるが、個人的にはやはり「書籍」をおすすめする。もちろんYouTube上にある無料動画でも良いのだが、「無料」だとやはりモチベーションを保ちづらい。

「身銭」を切らせるからこそ、それを取り戻そうとする心理が働き、学習に集中できる。「身銭を切らせてやる気を出すなら、高額なセミナーやスクールの方が良いのでは?」と思う人もいるだろう。しかしこれはおすすめしない。

自己投資のやり方は千差万別で、その全てが自分に合うとは限らない。そのため高額なセミナー・スクールに入会したものの、想像と異なり損をする可能性もある。

また最初の自己投資に大金を使うのは、一発逆転を狙う構図に近い。株式投資でも同じだが、レバレッジをかけた勝負をすると、どうしても博打的な戦い方になってしまう。当たれば大きいが、失敗した時のダメージは計り知れない。

20代というこれからの時期に再起不能なダメージを負ってしまっては、自己投資を継続することもできないまま30代に突入することになる。20代の自己投資が効いてくるのは30代後半以降だ。何も今から一発逆転を狙う必要はない。

少し話はズレたが、これから自己投資をしようと考えている人は、手軽に手に入る「書籍」を用いて学習することをおすすめする。

書籍か動画かの話は、下記の記事でも触れているので、本記事と合わせて読んでいただけると!

株式投資もいいけど、自己投資もすべき

資産形成を考えるうえで株式投資は重要だ。しかしそればかりに投資していると、株式市場に自分の人生を委ねることになる。

自己投資で得た知識は誰にも取られることはないし、時代の変化に合わせて適切に研磨していけば長持ちする。

今年も残り3か月ちょっとだ。3か月もあれば新しい自己投資は十分できる。複利を有効活用するなら、来年からなんて悠長なことは言わずに、今すぐに自己投資を始めるべきだ。

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