僕がお客様へ1枚1枚直筆で手紙を綴る理由
僕、趣味の一つが「お手紙を書くこと」なんです。世間的には営業の意味での「DM」と思われがちですが僕にはその意識はほぼないんです。
ちなみに今年は年賀状、残暑見舞い、そして11月のお店の2周年の報告の計3回書きました。あと1回書けば季節のお便りとして成立したことを思えば怠慢したなという感じで反省しております。
でですね、僕、宛名もコメントも全部ボールペンや筆ペンを駆使して1枚1枚直筆で書いていくスタイルを貫いております。他のお店がExcelでまとめた住所録をシールに写して印刷、それを張ってただ出すだけのスタイルの中ひたすらアナログな方法を取り続けているんです。
その理由は3点あります。
ひとつは「直筆だからこそ届くと信じている」からです。
印刷されて送られてくる手紙なんて愛もへったくれもなくないですか?
ポストに入っているチラシ、ちゃんと全部目を通している人いなくないですか?
でも、手書きの文字で印刷されている手紙は人のぬくもりが伝わってきて手に取ったりしますよね?
だったらその手書きの文字、印刷じゃなくて葉書に直接書けばいいでしょって話ですよ。
もうひとつの理由は「その人を思い出すことができる」からです。
心の底からお客様を忘れることはないにせよ、たまにしか会えないお客様のことは日々の喧騒の中で存在が薄れていてしまうものです。僕はその感覚が嫌で、怖くて、そしてそれは人として良くないことだと考えています。
せっかく出会えて、そして良くしてくれている人のことは常に新鮮なポジションにおいておきたい、でも人間だから最新の情報が上書きされていく。だったら自分で上書きを上書きして焼き付けてしまえばいいんです。
そのために必要なことは定期的に思い出す作業、そして実際に書いて指の感触さえも思い出すことです。
さいごは「自分の存在を示すことができる」からです。
僕の周りの人で知っている限り、直筆で手紙を書いている人はひとりもいません。つまり手書きの手紙はブルーオーシャンってわけです。
手書きで書くからと言って必ず効力を発揮するなんて思ってはいないんですけど、どうせ書くなら本人にしっかりと意味あるものとして「届く」方が良いに決まってるじゃないですか?
結果として毎回手書きで届く僕の手紙が印象に残ってくれている方もいるようでいらっしゃる度に「いつもわざわざありがと!」って言ってもらえたり、「大変でしょ?よくやってるよね!」って褒められたりします。
僕は何一つ大変な作業だなんて思ってないし好きでやっているだけなのに。
LINEを筆頭とするSNS時代だからこそアナログに行うものに価値が生まれたりすることがあります。どんなにデジタル化が進んだって結局は生きた人間同士の繋がりで成り立っている世界なんですから。ここまで大きなトラブルもなく、同じ仕事、同じポジションでバーテンダーとしてやってこれたのはこういった「1枚の感謝状」の積み重ねの力かもしれないです。
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