超短篇小説20　"怖い遊園地"

"怖い遊園地"
という噂される遊園地に来ている私。


絶叫好きな私は有名な絶叫アトラクションのある遊園地は行き尽くしてしまっており、今では日本国内のマイナーな絶叫遊園地を探すのが趣味となっていた。


インターネットで検索している中、掲示板で先ほどのような口コミのある遊園地を見つけた。


いくつもか口コミを見たが、ほとんどの口コミが"怖い、もう一回来るのはできない"等といった本当に恐怖を感じている様子の口コミばかりだった。


どんな絶叫マシンの口コミを見ても、もう2度と来れないというような口コミが多数を占めるのは聞いたことがない。


ネットではいくら探しても、園内の写真や乗り物やイベントの情報が一切出てこなかった。
俄然興味しか湧かない私。


遊園地前に到着しチケット売場を見ると
"フリーパス　500円"
と書いてあった。


安い、、、、
安過ぎる、、、
安過ぎてある意味怖い気持ちになりながらも、フリーパスを購入した。


何に乗ろうかと園内マップを見ながら園内をぐるりと回るが、
ジェットコースター　メンテナンス中
メリーゴーランド　メンテナンス中
フリーフォール　メンテナンス中
、、、、　メンテナンス中


なんと園内のアトラクション20個の内12個もメンテナンス中だった。
なんか心配な気持ちになってきた。


何か胸につっかえた気持ちを持ちつつ、動いている木製コースターに乗るが、ただただ古いだけで、とてもじゃないが絶叫できるようなコースターではなかった。
むしろ古さにより一部朽ちてそうなのが心配になるだけだった。


いくつかアトラクションに乗ってみるも同様な感想しか抱かなかった。

またスタッフの人数が足りていないのか、複数のアトラクションの担当を兼任している状況もありより不安な気持ちになった。


園内のフードを見に行ってみたが、完全に園内のスタッフ手作りであろうおにぎり、ゆで卵、サンドイッチ等しか置いていなかった。
結局、食中毒などが怖く何も買うことはなかった。


また園内の電波が常に0本で電話ネットやメール等がほとんど使えず、隔離された空間でもあり、なんか不安な気持ちになった。



夕方になり私は帰りの電車に乗りながら、

"確かに怖い遊園地だ、、、"
"もう2度と来ないであろう、、、"

と思ったのであった。