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【イベントレポート】国際女性会議WAW!2022の公式サイドイベント「ウィメンズヘルスの視点から考える女性活躍」を1月19日(木)に開催

 株式会社ネクイノは、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを国内外で実現するための取組「国際女性会議WAW!」の公式サイドイベントとして「ウィメンズヘルスの視点から考える女性活躍」を1月19日(木)にWeWork 丸の内北口で開催。

撮影場所:WeWork 丸の内北口

 女性の活躍促進のために重要な女性の健康問題について、フェムテック推進に取り組むFemtech振興議員連盟(フェムテック議連) 事務局長の宮路拓馬氏、元バドミントン日本代表/一般社団法人Woman’s Ways代表で女子アスリートが安心して競技を続けられるような知識の発信活動を行う・潮田玲子氏、慶応義塾大学・みやじ拓馬事務所インターンの堀之内みくり氏、株式会社ネクイノ代表・石井がそれぞれの立場から女性活躍に必要な現代・未来のウィメンズヘルスについてトークセッションを行いました。

<登壇者>
■Femtech振興議員連盟(フェムテック議連)事務局長 宮路 拓馬氏
■元バドミントン日本代表/一般社団法人Woman’s Ways代表 潮田 玲子氏
■慶応義塾大学・みやじ拓馬事務所インターン 堀之内 みくり氏

<ファシリテーター>
■株式会社ネクイノ 代表取締役 石井 健一

■女性活躍に必要となる3つのテーマについてトークセッション

テーマ1:日本の女性の健康について

潮田氏「現役選手時代は月経とコンディションの関係性は全く無視しており、我慢一択だった」

 まず石井が女性の健康に関しての日本の現状をデータを用いて解説し「日本の健康スコアは悪くないが、予防領域のスコアが諸外国に比べ相対的に低い傾向にある。女性特有の健康課題が多くあり、それらの解決策は用意されているのに婦人科に行くハードルが高く、アクセスの問題で対応されていない」と話すと、宮路氏から「妊活・不妊・治療はここ10年20年で議論されてきたが、月経や更年期はフェムテック議連ができるまで議論に挙がらなかった。2021年3月に政府に提言を出し、6月に政府の骨太の方針にフェムテックが上ったのが政府のコミットを裏付けることになり、とても画期的なことだった」「その後健康・更年期に対する調査がされ経済産業省もフェムテックを使って女性の健康がQOL、経済・産業的な側面からも取り上げられるようになってきた。女性の健康が経済と密接に関わることも明らかになってきている」と話がありました。

 潮田氏は「スポーツ・アスリートの世界でも、女性の健康への理解・配慮が足りていないと思う。現役選手時代は月経とコンディションの関係性は全く無視しており、我慢一択だった。審美系のアスリートではエネルギー不足により骨粗鬆症になり、椅子から転げただけで骨折した選手もいた」と自身や周囲のアスリートの経験を踏まえた話がありました。

テーマ2:女性の健康と女性のパフォーマンスの関係性に関して

宮路氏「女性がひと月のうちにフルパフォーマンスを発揮できるのは10日程度であると知り驚いた。アンフェアだなと思い解決したいと思った」

 まず宮路氏から「ある調査結果で女性がひと月のうちにフルパフォーマンスを発揮できるのは10日程度であると知り驚いた。アンフェアだなと思い解決したいと思った」と話がありました。

 堀之内氏は「期末試験と生理が被ったとき辛かった。そのときピルを飲む選択肢があったらよかったと思うし、女性のQOL向上に繋がる。今はピルを飲んでいるため以前と比べて非常にフラットに生活できている」と、対策をしたことによるパフォーマンスの変化について話がありました。

 潮田氏からは「現在“アスリートの三主徴”が女性アスリートの中で問題視されている。エネルギー不足になることにより無月経・骨粗鬆症になる負のトライアングルが起きている」「監督やコーチに正しい知識を伝えたい。女性同士で言えても監督やコーチ、上司に言えないと意味がない」と問題の解決には男性の理解も必須であると課題提起がありました。

テーマ3:今後必要となる課題解決

宮路氏「テクノロジーを医療にいかに繋ぐか、国の保険の中で評価していく世界を作ることができれば革命的な変革が起きる。それをフェムテック議連で目指している」

潮田氏「スポーツ=トップアスリートを目指すとなりがちだが、そもそもスポーツは健康のためにやること。エンジョイスポーツとしてスポーツを広め、健康寿命延伸に寄与したい」

 宮路氏からは「個人でやるには限界があるので企業の役割が重要視される。企業の福利厚生に受診を取り入れる動きが出てきた。福利厚生であれば使いやすいし、男性も含めてウィメンズヘルスについて知る機会になる」と話がありました。また、「テクノロジーを医療にいかに繋ぐか、それを実装し、国の保険の中で評価していく世界を作ることができれば革命的な変革が起きる。それをフェムテック議連で目指している」と今後の展望が語られました。

 潮田氏からは「女性は初潮が始まったタイミングでスポーツをやめてしまう人がとても多い。スポーツ=トップアスリートを目指すとなりがちだが、そもそもスポーツは健康のためにやること。幼少期からスポーツに触れてほしいと考えているし、生理による中高生のスポーツ離れを防ぎたい。エンジョイスポーツとしてスポーツを広め、健康寿命延伸に寄与したい」と話がありました。

 参加者からの「日本のピル普及率は低いと聞くが、スポーツ選手にも広まっていないのか」という質問には潮田氏が「アジアは進んでいるイメージはなく、ヨーロッパの選手はもっと意識レベルが高いイメージ」「アスリートは“身体のスペシャリスト”というイメージがあると思うのでアスリートが身体の不調をしっかりコントロールしているのは社会に対しての良いインパクトになると思う。現役アスリートももっとオープンに話してもらえるといい」と答えました。

潮田氏「検診をやっていく文化が根付くと良い。20歳になったら“お酒”ではなく”婦人科に行こう!”など、文化にしていければ」

 また「婦人科を受診するハードルがまだまだ高いように感じる。このハードルを下げるには」という質問に対しては堀之内氏が「友人の中でもピルを服用する人もおり、徐々に受け入れられてきている」と学生の状況を話すと、宮路氏が「地方に行くと婦人科がなかったり、時間的に通院が厳しいこともある。コロナ禍により初診もオンライン診察可になったので、これを後退させてはいけない」とオンライン診察が受診ハードルを下げるカギであることが話されました。
 潮田氏からは「検診をやっていく文化が根付くと良い。20歳になったら“お酒”ではなく”婦人科に行こう!”など、文化にしていければ」とアイデアが出ました。

 最後に石井は「生物学的な女性・男性と区切らず、自分の身体のこと、大切な周りの人のことを考えることが問題を進める一歩になる。自分の身近な人と対話をしてみると、知らなかった問題を一歩一歩進めていける。今回のイベントがその良い機会になった」と締めくくりました。

 ネクイノでは今後も様々な立場の方と対話をし、ミッションである「世界中の医療空間と体験をRe▷designする」の実現に向け活動してまいります。


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