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「ミヤブラン」~スーパーフード「アカモク」とホワイトチョコのコラボ~

■本州最東端の街にあるけど西野屋です

こんにちは、はじめての方は、はじめまして。

本州でいちばん東にある街・岩手県宮古市、三陸鉄道の宮古駅から徒歩5分ほどのところで、「洋菓子・和菓子・パン」を扱う、小さな菓子店を営んでいます。

お店の名前は「西野屋」(にしのや)。
こちらは、当店の自己紹介の記事です。まだご覧になっていない方は、こちらから読んでいただけるとうれしいです。

■あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。コロナコロナで、先が見えない日々が続いていますが、今年も、おいしいものを食べて地域の皆様に喜んでいただく、その気持ちに変わらず頑張っていきたいと思います。

このnoteのブログは昨年末に始めたのですが、編集部のおすすめというのに選んでいただくことが出来て、びっくりするほどたくさんの方に記事を読んでいただけました。

当店を知らなかった方に名前だけでも知ってもらえたらうれしいですし、宮古といえば、沖縄の宮古島だけではなくて岩手県にも宮古市があるよということもちょっとでも色々な方が知ってもらえればと思います。

■「ミヤブラン」とは?

さて。これまでご紹介してきたように、当店は、岩手県は宮古市で、店頭での商売を基本にしてやってきました。

これからも地元のためにという思いは変わらないとは思いますが、しかし、人口も減ってきている地方では、新しい販路を見付けていかないと苦しくなるのも事実です。
つまり、遠方にも流通したり、常温でも持ち帰っていただけるお土産菓子などが必要になってきています。

また、代々、当店は地元の宮古らしさを生かした商品づくりに取り組んできましたので、やはり、宮古をPRしたり、宮古のためになるようなものにしたい、という想いもあります。

そういう考えがあるなかで、2019年末に新しく発売した商品が「ミヤブラン」です。2019年の12月29日から先行発売して、2020年の1月17日からパッケージ販売を開始しました。おかげさまで、発売からだいたい一周年、ということになります。

ミヤブランの特徴を分かりやすく表現するなら、「海藻を使ったホワイトチョコクッキー」です。
海藻とスイーツ、チョコ・クッキーという組み合わせは、全国的に見ても、そんなに例がない商品ではないでしょうか??

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もうちょっと詳しく説明すると、「アカモク」という海藻のパウダーをホワイトチョコに混ぜ合わせ、クッキーにコーティングしています。

外販向けに本格的に作った商品としては当店で初めてで、「岩手アカモク生産協同組合」さんとの共同開発・コラボ商品となります。

■開発の経緯

ミヤブランに使用しているのは、「アカモク」という海藻です。
この「アカモク」を、当店がある宮古市の南隣にある山田町で育てているのが、「岩手アカモク生産協同組合」さんです。
この「アカモク」の生産協同組合さんと一緒に、アカモクと、宮古や山田の地元を盛り上げる商品づくりを、ということで開発を始めました。

山田町には、「山田湾」という円形の湾があります。山田湾は、リアス式海岸なのに地質の関係で、まんまるい円形をしているのが特徴的で、養殖イカダとの組み合わせ風景が素晴らしい、とてもきれいな海です。
宮古にもし来たら、山田にもぜひ行ってみてください。三陸鉄道で40分ぐらいか、無料の三陸道を車で走れば30分もあれば行けますよ。
こちらが山田湾です。

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岩手アカモク生産協同組合さんは、かつては海の邪魔者扱いされていた「アカモク」が秘めている可能性にいち早く気付き、山田湾で本格的な生産をはじめました。
ようやく事業が軌道に乗ったときに、東日本大震災で被災し、それから加工場を宮古に移して復興し、現在に至ります。

■「海のスーパーフード」アカモクって何?

では、「アカモク」とは、なんでしょうか。

アカモクは、海藻です。
海藻で皆さんご存じなのは、たとえば「海苔」「昆布」「ワカメ」「ひじき」「もずく」あたりではないでしょうか。
「めかぶ」(ワカメの一部です)や「マツモ」の名前が飛び出してくるようだと、きっと三陸の方ですね?

アカモクは、ひじきと同じような仲間(ホンダワラ科)の海藻です。「ギバサ」と呼ぶ地域も多いです。

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昔から食用にされていたわけではないので、知名度は昆布やワカメに比べると低いのですが、水温が高い地域も含めて、全国的に採れます。

海の中では、名前のようにやや赤っぽい色です。湯通しをすると緑っぽい色になります。
食感は、めかぶより歯切れがよくてシャキシャキなイメージです。

ところで、皆さんは、「サルガッソー海」という名前をご存じでしょうか。
ちょっとオカルトやサブカルチャーに詳しい人には、「サルガッソー海」は、おおむね「バミューダ海域」のことだ、と言うと伝わると思います。
フロリダから中央アメリカ付近のカリブ海の海域です。
「海の墓場」と昔は呼ばれていたそうです。

風や海流の吹き溜まりのような海域で、船が行き場を失ってしまう。しかも、いざスクリューや舵を動かそうとすると、溜まっている「サルガッソー藻」が絡みついて動けなくなってしまい遭難する、バミューダトライアングルという、そういう一種のオカルトスポットです。

この「サルガッソー藻」が、アカモクのことだと言われています。

サルガッソー海のことに限らず、国内でも、アカモクは邪魔者扱いでした。他の海藻の養殖や、漁の邪魔になるからだそうで、「邪魔モク」と呼ぶ漁師さんもいたとのことで。

ところが、どうもこのアカモク、いわゆるネバネバ食材ですから、食べてみると栄養がものすごく豊富だということが分かってきました。

ネバネバに含まれるフコイダンは、なんとモズクの2倍!
フコキサンチンは、海藻類の中で最多!
カルシウムは、昆布やワカメの1.2倍!
鉄分は、ワカメの5.2倍、昆布の3.5倍!
カリウムは、ワカメやひじきの1.6倍、昆布の1.4倍!
亜鉛は昆布の7.1倍、ワカメの6.3倍!

今では、「海のスーパーフード」と言われています。

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■ミヤブランの特徴

このアカモクをパウダー状にして、ホワイトチョコレートに練り込んだうえで、クッキーにコーティングしたのがミヤブランです。

もともとアカモクは海藻特有のクセがあまりないのですが、それでも、海藻とスイーツという未知の組み合わせへのチャレンジでしたので、「海藻感」を感じさせないことを意識しています。
「海藻」を意識して食べてもらうというよりは、「お菓子としてちゃんと正攻法で美味しいこと」を目標にして、一年近くかけて開発しました。

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ホワイトチョコとアカモクの組み合わせによる味を引き出すために、クッキー自体は甘さを控えています。アカモクは海藻ですので、海のかすかな塩味もアクセントになっています。

海藻を感じさせないようにしつつ、チョコの厚みやクッキーの大きさなどをあれこれと試行しました。
チョコがかかっていないところがありますので、そこをつまんで召し上がっていただくようになります。

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よく見ると、ホワイトチョコに、黒っぽい粒つぶがときどき見えると思います。それが、アカモク粉末です。安心してお召し上がりください。

■名前の由来

ここで、よく訊ねられる、「ミヤブラン」の名前の由来を、そっと?お話しましょう。

ミヤブランの「ミヤ」は、もちろん、宮古の「ミヤ」です。

では、「ブラン」は、どこから?

シリアル食品で「ブラン」というと、小麦のふすまのことですが、それではありません。

皆さん、ケーキの「モンブラン」はご存じだと思います。
でも、「モンブランって、栗のケーキでしょ? 栗と関係なさそうなのに、どうしてブランなの?」
そう、おっしゃられることがあります。

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「モンブラン」は、ヨーロッパ・アルプスの山「モン・ブラン」のことで、フランス語で「白い山」という意味です。

「モン」が、「山」なので、「ブラン=白」です。
つまり「ミヤブラン」とは、「ホワイトチョコの白さと宮古」をイメージした商品名、と言えます。

ついでに脱線すると、モンブランケーキには、白い粉砂糖が降りかかっていることがあると思います。いうなれば、その粉砂糖の白さは、モンブランの雪に見立てているんですね。

ということで、知っていてもためにはなりませんが、豆知識でした。
ちなみに、当店のモンブランは、ばっちり粉砂糖の雪がかかってますよ。そちらもぜひご一緒に!

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■アレンジしてみてください♪

ミヤブランは、これから、アレンジレシピも考えていきたいなと思っています。

シンプルなものでは、「冷やしブラン」
夏におすすめです。箱ごと、冷凍庫で冷やして、食べたい分だけ取り出してください。

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好みは分かれると思いますが、カクテルやコーヒー、紅茶に刺して、少し甘味やまろやかさを出すのに使うのも面白いと思います。
ホイップやジャム、プリンをすくっても美味しいです。

皆さんも、こういうアレンジをしたら美味しかった、というアイディアがありましたら、ぜひ教えてくださいね。

ちなみに、ポッキーゲーム、ならぬ、ミヤブランゲーム…をするには、ちょっと長さが足りないですかね。
余談ですが、ソーシャルディスタンスの時代となりましたので、ポッキーゲームは、すたれていくんでしょうね…。年齢がバレそうな話題でした…。

■外販しています

ミヤブランは、ヤフーショッピングでもお買い求めいただくことが出来るようになりました!

宮古市のふるさと納税でのお申込みも出来ます。

また、当店での店頭販売のほかに、卸売りもしています。
宮古市内のホテルや道の駅などで扱っているほか、お土産物屋さんなどでも扱っていただいているところがあります。

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ぜひ一度、海藻とチョコの出逢いを皆様の舌でも楽しんでほしいです。
ミヤブランをきっかけにして、たくさんの人に、アカモクや宮古、山田のことを知っていただければと思います。

こちらは当店の商品紹介一覧です。


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