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他責思考の兄と、カリフォルニアから来た姉【実家の相続】

ビジネスチームの仲間が持ち込んできた、マネー現代の記事に専門家の立場からあれこれ感想文を書こうというお戯れに参加しています。

親のものではなく、あなたのもの

実家の後かたづけは、とても大変なことと聞きます。実際に、そのとおりなのでしょう。自分の生活の合間に、実家に出向いてからだを動かすのですから。空き家を放置すると、なにもいいことはありません。過去には、不審火で消失してしまったこともあります。

めんどうだからと文句を言いたくもなりますが、相続してしまった以上、それは親のものではなくて、あなたのものなのです。空き巣に入られて困るくらいなら、一日も早くかたづけを済ませなければならず、ちまちまと自力ですることなかれ、さっさと遺品整理業者に任せることです。

もっとも、自分のものは自分でかたづけるのは当たり前のことです。それが嫌なら、できるかぎり親が元気なうちに、いっしょにかたづけて、手伝って差し上げましょう。

カリフォルニアから来た娘症候群

病気の患者の終末期に故郷を長く離れていた家族が突然現れ、これまで近隣の家族と医者が時間をかけて話し合い決定した方針に異議を唱えたり、延命治療などの過度な対処を主張する、という事象のこと。

ふだんは手伝いもしないのに、こちらが段取りをしていると現れては、正論をぶちまけたり、反対だけして、責任はとらないという厄介なものです。介護のことばですが、相続のときにも現れます。自分は何もしないのに、親族を代表して動いている人に向かって、批判をしたり、請求だけは一丁前にしてきます。

そういう人を見かけたら、あれがカリフォルニアから来た娘症候群かと、後ろ指差して笑ってやってください。

空き家の処分は相続から1年半が勝負

実家が空き家になれば、誰かが管理をしなければなりません。誰も住んでいなければ、すぐに傷んで悪くなります。結果として、価値が下がります。中古戸建として売るのか、解体して更地で売るのか、手取り額は大きく変わります。

跡取りがなければ、早めに売却に向けて動くべきです。親が亡くなり、相続の手続をしている最中ならば、まだ親族の協力も得やすいものです。一段落してしまえば、親の死後、兄弟姉妹が顔を合わすことなど、めったにありません。下手をすれば、次に誰かが亡くなるまで会わないこともあるでしょう。

空き家を放置すれば、雨漏り、カビ、シロアリ、残置ゴミなど、どんどん家の状況は悪くなります。家の価値だけでなく、親族のやる気、根気、協力体制がなくなり、そのがんばりが続くのは、相続が始まってから1年半が限界と言われます。それを過ぎると買い手も探せずに、売却そのものが難しくなってまいります。一方で、親から相続した空き家を3年以内に売却すれば、譲渡所得税の控除も使えますから、早めに処分すれば、手取り額も増やせますから、うまく活用したいものです。

余談ですが、記事そのものはよく作った話だなと読みました。いろんな事例を無理やり組み合わせたのでしょう。それでも、相続と空き家は社会問題で、ますます解決が難しくなるでしょう。誰かがなんとかしてくれる、国がなんとかするべきだとの他責思考ではなく、自分でできることは自分でするという考えが、持続可能な社会に貢献することとなるでしょう。

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