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起業の足かせ、そこじゃない感

新しく商売をはじめるのに、個人事業、団体、会社など、さまざまなかたちがある中で、私どもは司法書士として、会社の設立や個人事業主の法人化にかかわっています。

近頃、国からの起業の促進という観点で、ルールや慣習にテコ入れされることが散見されます。

たとえば、株式会社をつくるのに、最短で、即日できるようになっています。オンラインでの手続によって、公証役場での定款認証から会社設立登記を一括して申請することができるようになっています。

ただ、今日思い立って、今日中に会社を作らないと気が済まない方がどのくらいおられるのか、需要のほどは定かではありませんが。

また、会社設立に関して、法務局での登記手続を優先的に処理することになり、早く終わるようになりました。法務局で会社設立登記が完了することで、会社の登記簿や印鑑証明書が取得できますから、その後の手続まで円滑に進められるようにとの配慮からです。

そして、令和5年からは、金融庁が中小企業向けに融資をするときに経営者個人を連帯保証人とする経営者保証を制限するとの報道がありました。

私のところもそうですが、会社が金融機関から融資を受けるときには、当たり前のように代表者が個人としても連帯保証人となることを求められます。事業が失敗するつもりでお金を借りることはありませんが、それでも連帯保証人となることには、抵抗があるものです。

逆に、貸す立場になれば、保証人をとらざるをえませんから、この制限によって、融資の審査が厳しくなったり、金利が上がったりして条件が渋くならないか心配です。これまで、保証会社や経営者保証を頼って融資をしてきた金融機関の担当者が、果たしてそれ以外の要素を目利きしながら審査をすることができるのでしょうか。

これらのことよりも、私が起業の足かせになっていると考えるのは、銀行口座の開設です。

会社設立をしたお客様がたびたび困っておられるのはこのことで、せっかく会社をつくって商売を始めようとしているのに、なかなか銀行口座がつくれず、計画通りに進められないと聞きます。

私が会社をつくったときにも、同様で、審査手続などで一か月くらいかかった覚えがあります。この間、なにもできませんから、時間がもったいなく思いました。

ネットバンクでは、審査の早いところもあり、数日で口座開設ができるとこともありますので、最近ではそちらを勧めるようにしています。

反社チェックや防犯のために警戒をするのはわかりますが、起業促進するならば、金融機関の動きを早くするための後押しも必要ではないかと考えます。


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