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【読書ログ】傲慢と善良

久しぶりにこちらのアカウントにログイン。
こちらのアカウントは、リアルな友達に知られていないので、
個人的な日記として続けようかなと。

もうすぐスペインに立つ(まだビザ申請してないけど、、、)。
会社の業務を徐々に引き継いでおり、1日の半分以上をのほほんと過ごしていることが多くなった。これまでの私だったら、「私が会社にいる意味って何!?」「何かしなきゃ!!!!」と、空回りしていたと思う。
ただ、今の私が中途半端に手を出すと、かえって迷惑になってしまう。なので、今目の前にある担当業務にまっすぐ向き合い、「助けて」と言われた時にすぐ助けられるよう待機しておけばいいかな、と、ジクジクする心で日々を過ごしている。と同時に、「そんなんで大丈夫なのか!?」という声が止まない。う〜〜〜〜ん。

雨模様の今日は、朝から美容院に。前日に「明日は遅刻しないように」と担当美容師さんからLINEが来ており、震えながら10分前に到着した。震えた。今日も順調に刈り上げてもらった。ボブ×刈り上げ、という自分の中でも初めての髪型に、テンションが上がる。

そのあとは横浜で一人しゃぶしゃぶを食べて(1人前2000円で、正直ちょっと高いな〜と思うなどした、、、けど、、、これは私が1000円満腹ランチになれているせい?)、自由が丘へ。歯医者さんまで時間があったので、スタバで本を読んで過ごす。

今日読み切ったのが、こちらの本:辻村深月「傲慢と善良』。


主人公は、婚活で出会った39歳の架と、35歳の真実。結婚式が数ヶ月後に迫ったある日、真美が失踪。架は、真実がストーカー被害に遭っていたこと、そしてその犯人が、真実が地元で出会ったかつてのお見合い相手ではと疑っていたのを思い出す。
架は手がかりを見つけるべく、真実の地元に向かった。しかし、彼女の家族や知人に会ううちに、彼が知っている「真実」とは少し違う彼女の姿が見えてくるー。

辻村さんの本は『スロウハイツの神様』しか読んだことがなく、どちらかというと爽やかな人間関係の中の苦しさや酸っぱさ、喜びを描く人だなと思っていた。ただ、この本でその印象は覆された。

最初は、架と真実の物語を他人事に感じてた。けど、だんだん私自身が「自分の醜い部分に目を凝らしなさい」と言われている気分になった。

いくつか金言があったので、抜書きをば。

「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、みなさん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、”自分がない”ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」

「その人が無意識的に自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ、人は”ピンとこない”と言います。私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手で無ければ、私の値段とは釣り合わない」

「だって、悪意とかそういうのは、人に教えられるものじゃない。巻き込まれて、どうしようもなく悟るものじゃない。教えてもらえなかったって思うこと自体がナンセンスだよ」

相手の価値の方が、自分より高いと思えばこそ、そこには言葉と気持ちに対する感謝が生まれる。

「あなたがそうしたい、と強く思わないのだったら、人生はあなたの好きなことだけでいいの。興味が持てないことは恥ではないから」

「あんだら、大恋愛なんだな」

他人や環境がどうしても恨めしくなった時、そのほとんどは「自分はこんなところにいるべき人間じゃない」という傲慢さが出てくる。それは、「こんな自分なんか、役に立たない、迷惑をかけるから」という善良さと表裏一体なのかもしれない。

ずっとずっと、本棚に入れておきたい一冊だった。
久しぶりに震える本に出会ったな〜〜〜〜〜〜!

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