台風通過を待つ間に思うこと
史上最強とも言われる台風10号が接近しています。
どこかで大きな被害が出てしまう可能性が高い勢力です。
気象庁の方が会見で話されているように、できるだけの備えを、早めの避難をと願うばかりです。
まず今、不安な気持ちで台風の情報ばかりを眺めてしまっていたら
ちょっと休憩しましょう。
停電に備えて、スマホの電池や通信量を温存しておく方がいい場合もあります。
災害が起こるのは止められません。
台風が過ぎ去るまでは、ある備えを駆使して、どうやって命を守るかというタイミングです。
そして台風が過ぎても、命を守るための選択は続きます。
台風15号が、昨年2019年に千葉県を襲いました。家屋の屋根など一部が飛ばされ、広範囲に被害が発生しました。
その後、起こったのが復旧作業中の落下事故です。
飛ばされたりズレたりした屋根瓦の修繕や雨漏り対策のために、屋根に登ったところ落下したりして重症、最悪のケースでは死者も出ています。それも1件だけではありません。
人を守るための家であるはずなのに、その家を守るために死者が出てしまった。
とても悲しいことであるのと同時に、防げたんじゃないのか、という思いもありました。
現地で住民の方と話していると
傷ついた自宅を前に、早く手当をしなければという思いや、
雨漏りなどで日々進行する被害に対しての焦りが、ひしひしと伝わってきます。
現地でいろいろな声を聞くと、どうしても無理をして屋根に登ったり、孤立した地域へ歩いて向かったり、そんな気持ちも分かります。
でも、復旧復興の道のりはとても、とても長いものです。
間違いを恐れずに言うと、一瞬だけ気張ってその道を進んでも、まだ先がある。
長い道を歩くには、健康な体が一番大切です。
台風の過ぎ去ったあと、状況が落ち着いて被害の全容が判明してきたあと、どうするか。
ぜひ、ぜひ、無理はしないでください。
無理をして、屋根から落っこちてしまえば、元も子もありません。
もちろん、自宅が被災してしまったら、そんなこと言ってられる場合じゃないことも分かります。
でも急がば回れという言葉を信じて、安全な復旧作業をしてほしいと強く思います。
もし被災してしまったら、
まずは写真を取ること。どんな被害かを記録に残して、罹災証明を取ってください。
そして、思い出の品はすぐには捨てないで。
写真や、記念の置物や、贈り物の食器や、
ドロドロの中の復旧作業は、正常な判断が難しくなります。
災害から3カ月ぐらいがたって聞こえるのは「なんであの時なんでもかんでも捨ててしまったかねぇ」という声
冷静に考えれば、よく洗って消毒すれば使えたのに、という後悔の声です。
迷ったら、ちょっと脇に置いておいてください。
捨てるという選択は、いつでもできます。
どうしても、情報がなければ不安になります。
そんな時は、水害にあったときに、や復旧ロードマップ(発行:災害支援ネットワーク岡山)など今までの知恵を借りてください。
ともあれ、まだこれを書いている間は大きな被害が報告されていません。
どうか、大きな被害になりませんようにと、願います。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。 少しでも、災害現場の課題が伝わっていたら嬉しいです。 いただいたサポートは、被災地の現在を伝えるための活動資金にさせていただきます!