災害NGO結

東日本大震災以降、国内の被災地で緊急支援〜中長期支援として、ボランティアコーディネート…

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東日本大震災以降、国内の被災地で緊急支援〜中長期支援として、ボランティアコーディネートや地元支援団体育成などを行っている団体。「0から1を作る」を大切に、長期的な目線で地域と一緒に復興を模索しています。過去事例の紹介や、現在の制度解説などを災害現場から発信。 中の人募集中。

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「能登半島にボランティアが足りない」報道に現地で思うこと

最初に立場と考えを明示しておくと 能登半島にたくさんの支援が必要、たくさんのボランティアさんも必要、と考えています。 しかし今回の甚大な被害と報道に、モヤッともするのでここにまとめます。 被災地への支援がまだまだ必要能登半島の状況を簡単に箇条書きすると ・復旧はまだ始まったばかりで、倒壊した家屋は基本的にそのまま ・発災直後の道路状況からは少しずつ改善、かなり道は通りやすくなってきた ・1月から風景がそのままな場所は多い ・水道復旧率が上がっている。しかし、宅内漏水は自力

    • 集落の看取りー地震で10年早送りされた能登半島ー

      はじめに 今回の文章は、能登出身の方や能登を愛する方には、少しつらい内容かもしれません。 でも真面目に能登半島の今後を考えていくなら、避けては通れない道でもあると思っています。 それは、人口減少と集落のゆくえについて 沖縄県ですら、実は2022年には自然増減数(出生数から死者数を引く数)がマイナスになりました。全国で少子高齢が進んでいて、この傾向が変わるきざしはありません。 働ける世代がどんどん少なくなってきて、ケアが必要な高齢世帯は変わらず多いままです。 全国の傾向がさ

      • 5月レポート

        各地で仮設住宅の建設が進み、入居も進んでいます。 避難所も閉鎖されたり、そのめどがたったりしてきました。 仮設住宅へ入居される方が増えてはいるのですが、仮設団地にお邪魔すると、まだ空室らしき部屋も目につきます。 仮設住宅にあたったとしても、引っ越しまでの準備に時間がかかるのです。 1月に申し込んだが二次避難先で賃貸を契約した、 申込みから時から状況が変わってしまた、という話も。 自宅へのライフラインや道路状況が整うタイミングによって、仮設入居を迷っている方もいらっしゃいまし

        • 能登半島地震、2ヵ月レポート

          地震発生から丸2ヵ月。 大半のエリアで電気の復旧が進み、一部の地域で水道が戻ってきました。 「数日前にようやく水が戻った」 「飲水が出るようになったから金沢から家族を連れてきた」 「電気や水が戻ってきた時、やっぱりホッとした」 「水が使えるようになったけど給湯器が駄目だからまだお風呂は先になりそう」 「あったかい水でお皿洗えるなんて幸せって思った」 こうした水道が出たという報告がちらほら聞こえます。 水が出たことで、地震前の生活に近い状態に戻れる世帯も多くありますが、水が

        • 固定された記事

        「能登半島にボランティアが足りない」報道に現地で思うこと

          能登半島緊急支援、現地で起きていること

          この度の地震で犠牲になられた方へ心よりお悔やみ申し上げます。また、一日も早く行方不明の方が家族の元へ帰られるように、そして先の見えない避難生活を送られる方たちが、少しでも早く安心できるようにと願います。 元日に能登半島をおそった地震は、阪神淡路大震災の3倍近いエネルギーだったとも言われています。それだけ大きな被害が能登半島全体におよびました。 そのエネルギーによる被害もさることながら、今回の被害の特徴は、半島の先が揺れたこと。 半島という地形上、支援を届けるには一方から進

          能登半島緊急支援、現地で起きていること

          2023年2月レポート

          静岡 災害を受けて建物を解体するので、まだ使えるもので必要なものがあればぜひ引き取ってもらいたい、という話を聞いた2月頭。土砂崩れの被害が大きかった油山地区の一番上流の旅館さんからでした。 旅館なので、布団やテレビ・小型冷蔵庫などがいくつもありました。社協さんなどを通じて困窮者支援などをされている部署におつなぎしました。 こうした活動がある時は、ふらっとで相談すると、まめっ隊や登録のボランティアさんなどが参加してくれる流れができてきました。どんな技術ニーズにも対応できま

          2023年2月レポート

          2023年1月レポート

          新年一番最初のイベントは、葵区で借りている拠点でのお餅つきでした。 土砂崩れなどの被害が大きかった葵区油山地区。災害発生後すぐからお手伝いで関わったご縁で、油山地区の2カ所で宿泊拠点として場所を借りていました。 その後、はままつna net経由のご縁から、油山地区の被災した家を借りることになりました。 年末からそのお宅の壁や床をはがして応急的に作りながら、宿泊拠点としています。被災した家を借りて拠点とするのは、長野・人吉に続いて3回目です。 今回の拠点整備には3つの目的

          2023年1月レポート

          2022年12月

          12月18日、静岡市清水区天王に「みんなの居場所ふらっと」がオープンしました。災害ボランティアの活動拠点にくわえて、地域の住民さんが集まる場所を目指します。被災地域の住民も支援者もふらっと立ち寄れる場を目標に、スタートしました。 ふらっとオープン日は、清水区ボランティアセンターの移転タイミングをこちらが意識したことも影響しています。被災地域の公園を借りて運営されていた、災害ボランティアセンターが、被災件数が多いエリアからすこし離れた駅前に移転したのが11月末。 ふらっとが

          2022年12月

          2022年11月レポート

          静岡市清水区と葵区にて、技術ニーズの活動調整や災害ボランティアセンターの運営サポートなどをしています。 災害発生から2ヵ月がたち、街中からは分かりやすい災害の跡(災害廃棄物の山や土砂の山など)は、少しずつなくなってきています。 そして浸水した家の中も、片付けと掃除が進み、水害があったとは分からないくらいにきれいになっている家も少なくありません。 これだけキレイになったから、壁とか床とか見えないところをやるのは気が向かない、という声もいくつか聞きました。冬の間に暖房で部屋

          2022年11月レポート

          2022年台風15号

          静岡市葵区 土砂崩れのあった地域が多いのが葵区です。SeedsOfHopeなどの支援団体と連携し、葵区の山間部から近い地域を中心に土砂撤去ニーズの活動をサポートしました。 山間部は現場調査に行くにも時間がかかり、状況把握に時間がかかりました。 崩れた場所までの入口が狭かったり、土砂搬出のルートを確保しづらい場所などもあり、ひのきしん隊など人力でのサポートも組み合わせながら現場対応を進めてくれました。 10月中頃からは、DRT系の重機支援チームも葵区入り。各地に点在する土砂

          2022年台風15号

          2022年台風15号@静岡レポート

          台風15号の影響により各地で被害が発生。特に被害が集中している静岡県のNPOから要請があり緊急支援を開始しました。 被害の特徴点在 静岡県内の約半分にあたる15市町村に被害が出ています。各地で河川に沿った地域の浸水被害や、山間部や沢沿いで土砂崩れが多数発生、それが県内各地に点在しています。 災害発生の9月23日から時間がたつにつれて、あちこちの被害が明らかになってきています。しかし、10月15日現在も、被害の全容がつかめているとは言えません。 被害が点在、それだけで支

          2022年台風15号@静岡レポート

          2022年9月レポート

          新潟県の緊急支援を8月から続けて実施しました。 村上市の技術ニーズ調整 村上市災害ボランティアセンターに寄せられた技術ニーズをNPOで対応しました。現地調査、団体への対応振り分け、住民さんとの連絡やボラセンとの連携を結で担当しました。 災害ボランティアセンター開設当初は、技術支援があること、その必要性などの認知が低く、ニーズが上がりにくい状況にありましたが、支援団体が家屋対応をする様子を現地で見て、近隣からニーズが少しづつ上がってくるようになりました。 浸水被害があった

          2022年9月レポート

          2022年8月レポート(新潟県豪雨)

          8月3日の豪雨により、北陸〜東北地方の各地で被害が発生しました。 信頼できる支援団体と情報交換やメディア、ネットでの情報収集を開始、連携しているJVOADと協議し調査のため九州を出発しました。 8月5日に石川県小松市、6日に新潟県関川村と村上市の現地をまわりながら被害状況を調査。 現地からの依頼を受けて、新潟県内での活動を開始しました。 被害 村上市では、市内複数箇所で土砂災害が発生。その規模もさまざまです。重機など技術系支援団体による活動が進んでいます。 一番甚大な

          2022年8月レポート(新潟県豪雨)

          2022年7月レポート

          関東地方や東北地方で豪雨被害を受けた地域がありましたが、西日本にいる結としては、今回は緊急支援モードではなく、ネットを通した情報に留めました。佐賀の拠点の整備や予定していた伝える活動をしながら、西日本で何かあればすぐに動ける体制を備えながらの活動でした。 拠点整備 @佐賀 6月から動き始めている佐賀の拠点。移住した方と空き家をシェアさせていただき、結の九州拠点として使うために一緒に整備を進めています。 一部をお借りしての拠点作りですので、シェアしてくださる方のペースを

          2022年7月レポート

          福島沖地震レポート

          この地震の特徴 1.県境で起きた地震 福島と宮城の県境で起きたことにより、県をまたいで広範囲に被害が発生。 被災者救済制度などの運用には、都道府県行政も大きく関わるため、同じような被害であっても行政対応によって差が生まれたりする。 2.広範囲で見えづらい被害 震度6強を観測した地域でも、一部損壊被害を受けた軒数の方が多い。家が傾くような全壊ではなく、屋根が一部ずれたりブロック塀が一部壊れたりする被害が広範囲で発生した。最大震度7に二度襲われた熊本地震のような家屋倒壊が

          福島沖地震レポート

          2022年3月レポ

          長野 昼と夜の温暖差を感じるようになってきた3月。年度末に向けていろいろな動きがありました。 2019年の災害発生後、災害ボランティアセンターの後を引き継ぐような形で各地に設置された地域ささえあいセンター。災害後生活が大きく変わった被災者への寄り添い、見守りを進める機関です。事業期間が3月で一旦満了(長野市は1年延長)となるにあたって、各センターからスタッフが集まる振り返り会などがありました。 各地のささえあいセンターからの報告を聞いていると、1年以上時間がたっても家屋

          2022年3月レポ