見出し画像

災害ボランティアって、長靴履いている人だけじゃない

ボランティア = ◯◯

 「災害地のボランティアに推奨される格好」は、水害にあたっときにでも紹介されている通り、長袖長ズボンの動きやすい格好に、帽子軍手長靴。沢山動くので水分もたっぷり、両手が動かせるようにリュックサックで。
災害ボランティアセンターの受付には、そんな格好の方が沢山並んでいます。隣町の中学校のジャージ軍団、年季の入ったツナギでスコップ持参の人、マラソンランナーみたいな格好の人や、ピカピカの長靴を履いている人
普段は全く違う生活をしている方が、色々な想いで並んでいるんだなと感じます。
その行列は受付を済ませると、水害ならどこかのお家の土砂撤去に、地震だったらお家の中の片付けに…とチームになって派遣されていきます。

みなさんが、災害ボランティアと聞いてイメージされるのは、上記のような方々ではないかと思います。あとは“タレントの◯◯さんが炊き出しに来ました!”とニュースになるような、避難所での炊き出しでしょうか。

非常事態の災害地では、一刻も早い復旧が求められているため、まさに人海戦術で家や街を元の状態に戻していくことが必要です。
しかし、現場で活動している側としては、THE災害ボランティアな作業以外にも求められていることが沢山あると感じています。


例えばボラセンの活動でも

例えばボランティアセンターでも、毎日の運営のために裏方が沢山います。
色々な人が沢山活動に来るボランティアセンターでは、安全管理がとても重要な役割です。水害の多くは真夏に発災するため、炎天下の活動が避けられません。また、普段オフィスワークなど体を動かさない人も参加して一生懸命活動してくれます。その結果、活動中に熱中症などで倒れる方もいらっしゃいます。「救急搬送を一人も出さない」と目標を立てて医療支援チームが動いてくれることもありますが、被災地全部をカバーできないことも多々あります。
活動現場を巡回して状況を確認し、熱中症予備軍を見つけられるととても助かるわけです。医療チームの人数が確保できれば、ボランティアセンター本部から地域の巡回に出ることができます。また、厳しい環境での作業は被災した住民の方も一緒です。住民の方でも救急搬送に至る場合もあります。これはセンター本部にいるだけでは見つけられません。

▲センターの活動時間後に、その日一日の活動を地図と照らし合わせて整理する。こんな運営サポートメンバーがいるから、毎日数百人の活動が実現する。


NPOや支援団体の活動に参加するという選択肢もある。

新しく支援団体やチームが立ち上がることもあります。被災を受けた地域と被災者を支援しようと、熱い気持ちを持って活動を始めます。しかし場合によっては団体運営のノウハウが少なく、ボランティアや活動資金を集めることに苦労しています。
もしそこに、ウェブ関係ができる人がいれば、HPやSNSなどでの情報拡散ができる仕組みが作れるかもしれません。ちなみにこれは現地の状況を把握できれば、オンラインで遠隔でもできることです。
また、活動の拠点を作ったものの、ずっとそこに誰かが張り付いていられない問題もあります。ボランティアをしたい人、お願いしたい人が来ても不在だと、場として機能しません。「電話番としてそこにいるだけでいい」という役割も実は必要とされています。

▲かき氷の炊き出し。地域でテントを出して提供したことで、近くで片付けをしていた人たちが沢山来てくれた。かき氷を食べながら、ご近所さんと状況を話し合える場に。


非常事態では、普段当たり前にやっていることすら難しい。

普段なら問題なくできていたことも、被災という影響により難しくなります。
そのため、ここでは紹介しきれないぐらい、支援の方法はさまざまです。
土砂の撤去や家財の運び出しは、その一例でしかないし、目的ではなく手段です。被災地で支援する一番の目的は、被災した人の力になること、背中を支えること、寄り添うこと。
その一番の目的を遂げる方法は、もっと多様であっていいはずです。そして、もっと色んな人が特技を活かした活動ができれば嬉しいと思っています。
非常事態の被災地では、普段できていたことがままならない状況です。ただイメージする以上に、できないこと・困ることが多いのです。だから、なんでもないようなことにも手助けが必要な時期があります。
そんな被災地に、さまざまな立場の人が自分の得意分野で関わるのがスタンダードになればいいなと思っています。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。 少しでも、災害現場の課題が伝わっていたら嬉しいです。 いただいたサポートは、被災地の現在を伝えるための活動資金にさせていただきます!