愛多き者は即ち法立たず


愛多き者は即ち法立たず(あいおおきものはすなわちほうたたず)___
上に立つ者が愛情をかけすぎると、下の者がそれに甘え、法が乱れるということ。


中学生の時、私はあるスポーツ部に入部した。
そして、ルール100カ条というものを渡された。

先輩と会ったら挨拶をする。
先輩が仕事をしてたらすぐに変わる。
集合の合図があったら走って集まる。
声は常に大きく。

……まあ、体育会系なら当たり前のことだと思われよう。

靴下はふくらはぎまでの長さで白色だけ。ワンポイントもダメ。
片足重心で立つのはダメ。
髪を結ぶゴムは黒色だけ。

……スポーツ関係ないルールもあるのだ。
靴下の種類、ゴムの色、
なんでも良いじゃん!って今更ながら反論したい。

ルールを破ったら校庭3周。

これがもう地獄でした。
部活が始まる時間のちょっと前に、
「なめ子ちょっといい?」
と呼び出され、
「今日、〇〇破ってた、よね?」
と言われる。
すみませんと頭を下げて、校庭を走る。

部活って
上下関係って
そういうものでした??

私は嫌で嫌でしかたなかったです。

私が2年生の時、
3年の先輩が1年生に、部活伝統ルールを渡していました。

最悪な伝統が代々受け継がれている。

先輩というのは、
後輩に厳しく、威張り、絶対的存在!
として印象を植え付けられてしまっていた。
部活が終わっての授業中でもいつも気を張らないとダメで、常に緊張して学生生活を送っていた。本当に嫌でした。

だから、私達の代でルール緩和を決行した。
髪ゴムや靴下、靴などの規定は校則を守れば何でも良い!

挨拶や声の大きさとか、集合の時は走って集まる。
その辺りは変えずに、
部活に関係ないような事や人として大事な事以外は、校則に準ずることにした。

私たち先輩が学校の規則より厳しく強いわけないじゃないか。
1つ年上なだけで威張る人間なんて最低だ。
3年になれば何もしなくて良くて自由に行動できて、後輩はルールに縛るなんて、
最低だ。
と思ってたのは、少しの人間だけだったみたいなんです。

いきなり部活内のルールが緩くなったからそれを面白いと思わない人たちが出てきたんです。

3年になってやっとルールから開放された者
2年になって後輩に先輩ヅラをする者

この者たちは
「今の1年はいいよね、私たちのおかげでルールが緩くなって。私たちの時はもっと厳しかったんだから」
が口癖になってました。

恐ろしい。
なんて心が狭いんだ。

今思えば中学生という世界の中で威張っても意味ないし、なんだか恥ずかしい思い出だけど、
厳しくしすぎても、緩くしても、
「先輩」ってなんか嫌なイメージがあります。

愛多き者は即ち法立たず

優しすぎて舐められてしまう
そんな事はないと思いたい。
私は人に無理な厳しさを与える人にはなりたくない。
無理やり何かをやらせるなら、
私が舐められて私がやればいい。

そんな思いで今仕事をしているけれど、
舐めてかかる人は誰もいないから、
このことわざは間違ってると思う。

人間関係、上下関係、
なんだか難しい。

でもひとつ、私の部活内の上下関係は絶対間違っていた!
今、こんなへんなルールが無くなっていることを願いたい。







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