楽園の彼岸

天空都市マチュピチュ。
「大いなる災厄」が地球全域を襲ったときに僅かばかりの人類が逃げ延びた機械都市。地球上は亜酸化ゴルゴンで大気が汚染され、動植物が棲める環境ではなくなっていた。

主人公マサイは都市保安課のエージェントであり、亜酸化ゴルゴン下でも行動が可能な戦闘サイボーグ。最近では治世機関の失策が続き、人口増加に歯止めがかからず、食糧不足などの政情不安が悪化しつつあった。

そんな折、14歳の特定の少女達の間で「黒鳳蝶症」という病気が蔓延する。
病理学的に原因は不明。それが政情不安の折に「新たなる災厄の前兆」と風評が流れ、「黒鳳蝶症」にかかった少女達を処刑しようと暴動が各地で起き始める。

暴動鎮圧の任務からマサイが戻ると、離婚した妻リサが致命傷の怪我を負いながら助けを求めに来た。彼女はマチュピチュの医療セクションのリーダーを務める医学博士だったが、マサイとの初めての子供を流産してしまい、それを機会に離婚して以来だった。

そのリサが、瀕死の状態で、「黒鳳蝶症」にかかった少女を連れて現れたのだ。
彼女が言うには、その娘はマサイの血の繋がった実の娘であるという。
少女の名前はエシュという。

そして、その直後に暴徒の襲撃があり、リサは「エシュを助けて…」と遺言を残して死んでしまう。

マサイはスエシュを助け、彼女が本当に自分の娘なのかという出生の秘密と。「黒鳳蝶症」の謎を解明すべく決死の逃避行に出る。

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