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【CTO ブログ】ひと味違う、ネクスウェイの新規事業の作り方 ~ゼロワンチャレンジ~

こんにちは、荒野です。ネクスウェイでは私が着任してから、ゼロワンチャレンジというイノベーション創出イベントを実施しています。これは、会社全体のnoteや、お手伝いいただいているイノベーション企画会社のブリッジ社のブログにも掲載しています。

本稿ではCTOとしての視点でのゼロワンについて振り返ってみたいと思います。

ゼロワンプロジェクトは文字通りゼロからイチを生み出すためのアイデア創成プログラムです。参加者はアイデアを練り、最終的にはアイデアコンテストで選抜されます。勝ち抜いたアイデアにはその後、会社として本格的に取り組むことになります。

新規事業における成功の要因

いくつか社内新規事業アイデアコンテストを周辺で見聞きしてきましたが、それとはだいぶ違います。某社では社内全体から新規事業アイデアを募り、企画系の経営陣が選考委員となって最優秀賞が選ばれましたが、私から見れば、技術的な実現可能性がゼロ(キーワードレベルでは話題だが実用では全く使えない)、事業性もハテナ?という代物でした。

企画側が新規事業について全く理解しておらず、アイデアを選考する基準が全く的外れということと、なにより新規事業をアイデア勝負と勘違いしていることに大きな問題がありました。

新規事業においてアイデアは確かに重要です。

しかしながらアイデア以外の要素も非常に重要で、アイデアだけでは全く勝ち目はありません。
世の中では「あるイノベーションが立ち上がった以前に自分もアイデアは思いついていた、惜しかった!」などとおっしゃる方がけっこう大勢いらっしゃいます。

申し訳ないですが、私は断言します。その方がそれに取り組んでも同様に成功する確率はかなり低かったのでは?アイデア以外に、ビジネスモデル、オペレーションの仕組み、それを支える人々など、多くの要因が上手にかみ合ってようやく事業は成功していきます。

また、アイデア自体も素朴なものと成功するものはだいぶ違います。成功するアイデアは磨かれていて、きめが細かいのです。最初は粗くてぼんやりしていても調査・検証などによって、常に磨かれていくものです。

初期のAmazonは単に「ロングテール的に本をネット上で売ろう」というだけのアイデアではなく、またAirB&Bも単に「相互に家を貸し借りできる」というだけのアイデアではありません。どんなタイプのユーザがそれを本気で望み、その気になり、購買をするのか、購買の際のほんのちょっとしたバリアをどうクリアするのか。単に思いつきましたというレベルのアイデアではまったく太刀打ちできないものです。

これを実現するためにはアイデアを磨きこむためのプロセスとやり方が必要です。リーンキャンバスなどさまざまな図法が使われていますが、単にマス目を埋めることに意味はありません。本当にそれはユーザにとって解くべき課題なのかを深めていくやり方を、われわれは学ぶ必要があります。

社内プロジェクトから新規事業の創発へ

ネクスウェイのゼロワンプロジェクトに話を戻します。
ゼロワンプロジェクトは公募型のアイデアコンテストですが、半年かけてアイデアを磨くための基本研修とコーチングがセットになっています。

新事業のアイデアを持った個人やチームが基本的なイノベーションの手順や注意点を学んだうえで、その時点のアイデアにおいて、考えるべきポイント、ヒアリング/検証すべきポイントなどのアドバイスなども受けたうえでアイデアの解像度をあげ、最終選考のプレゼン会に臨みます。

ブリッジ社という外部のコンサル会社の支援も仰いでいます。
数ある会社の中で、この会社を選んだ点がいくつかあります。メンバーひとりひとりが別のベンチャー会社を運営しておられ、さまざまなタイプの起業の経験をもっていることです。もうひとつはネクスウェイという企業文化ならではの方法を提案し、一緒に考えてくれることです。

実際にユーザインタビューに同席してもらって後から実践的なアドバイスをしてくれたり、プロトタイピングのポイントだけでなく具体的なツールを紹介してくれたり、こういうノウハウは自分たちでネット検索などで調べるだけではなかなか得られないものです。

また、ネクスウェイが長年大事にしていることで、「最終的には人」という点があります。新規事業を進めるにあたっても全く同様です。

新規事業は、必ずかつ何度も困難な状況に出くわします。その時に人が想いをもって突破できるかどうかが大事です。「必要は発明の母」とはよく言ったもので、突破のアイデアはなんとかしたいという想いから生まれてきます。

またチームも大事です。
過去も今も、シリコンバレーでも日本でも、成功した新規事業は必ずチームで作られます。理想を語れる、冷静に課題を発見できる、地道に解決法を構築できる、どれが欠けてもコトは始まりませんが、これを一人で全部できるスーパーマンは世の中にはほとんどいません。
幸いにして、ネクスウェイにはそれぞれの良さをもった若手が大勢います。こういう若手の良さを最大限伸ばしていきたい。ゼロワンはそういう教育的な要素もたぶんに含まれています。

さて、ゼロワンの最終選考でネクスウェイの経営陣にプレゼンし、GOとなった企画にはその後、予算も使って、次の検討フェーズに進める権利があります。また現業との二足わらじでは新規事業の検討はすすみませんから、人事異動も行います。現時点で、2回のゼロワンプロジェクトを実施していますが、初年度の勝者は新規事業部署に異動になり、お客様の困りごとは何か、どうやって解消できるかを検証してきました。

近々サービスローンチのプレスリリースも打つことになるはずです。私自身も今後の展開が楽しみでしかたありません。

ゼロワンプロジェクトも今年で3年目になります。毎年やり方を少しずつ進化させています。会社の戦略も今春に改訂されましたが、今年のゼロワンもこの戦略に沿い、一層のチャレンジをします。この新戦略についてはまた項を改めて語ろうと思います。それでは。


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