学校では教えてくれない

【学校では教えてくれない”稼げる”パーソナルトレーナー論】 Vol.4.5 フィットネスに求められる価値の変化.


Vol.4.5 フィットネスに求められる価値の変化



※今回は5/24にYouTubeで公開した内容を、一部文字に起こした内容になります。

実際のビデオは下記を参照↓
https://www.youtube.com/watch?v=TGWT8n-oxYw&t=584s





今後、数年以内に、パーソナルトレーナーの単価は落ちる。



グーグル創設者のひとりである、ラリーペイジをはじめとする多くの有識者が、今後10年ないし20年で、既存の90%の仕事がなくなるだろうと予測していることは有名な話であるが


その中に、パーソナルトレーナーが含まれてるんだろうか。


自分の周りの多くのトレーナーは、「クライアントに合わせてサービスを提供するパーソナルトレーナー業は大丈夫だろう」と言う。


果たしてそうだろうか?


 自分はそうは思わない。トレーナー業だって、一部分は、機械の方が高い精度でこなせるものがある。フィットネスが一般化し、フィットネスリテラシーが平均的に向上することによって、今までトレーナーに頼んでいた仕事を、一個人でもできるようになる。


 そういう意味でも、これまでのパーソナルトレーナーとしての仕事は減り、単価は確実に落ちる。


パーソナルトレーナーとして食べていくためには、

変化していかなければならない。



今までのベクトルで、物事を考えるトレーナーのニーズは確実に下がる。

近頃、僕に「パーソナルトレーナーになるにはどうしたらいいか?」

という質問や、コンサルティングの依頼をありがたいことに多く受けている。



そういう方の話を聞いていて、毎回思うのは、今までのセオリーに対して近視眼的になり過ぎているというところ。


今必要とされている情報や集客手法、ニーズだけに、フォーカスしすぎて準備期間を過ごしている方が非常に多い印象を受ける。


独立・開業にあたっての準備期間(資格を取る、体を作る、大会に出る、資本を集めるetc)には一定時間かかる。

上記のような人に場合、自分がいざ事業を始めるとなったときに、必要とされているニーズが変わっている場合がある。


僕がジムを開業して1年間、パーソナルトレーナーとして独立して2年半経験をしてきた中で感じてきた、”ここは押さえておいてほしい”と思うところがいくつかある。


        

近頃、大会実績や知識、ネームバリューがあっても、集客や収益につながらない場合が多い。一方で、実績などがないのにもかかわらず、集客や収益をあげている人がいる。

 これらの違いは何か?これからどういうものが、求められていて、どういう風に、どこに自分のコストや自分のエネルギーを割いていけばいいのか。今回はその一部を、3つのトピックに分けてお話しする。


        

1. マーケットの推移

→どういう人がフィットネスに対してお金を落とすのか。      

 客層やマーケットの推移。


2. 国家予算が、フィットネスに投下される?

→今後、国家予算がフィットネスマーケットに流入していく?


3. フィットネスに求められる価値が変わる

→これからのフィットネスに求められていることとは何か。




1. マーケットの推移

 従来、パーソナルトレーナーというと、民間のフィットネスクラブに属し、彼らのプラットフォーム上で、彼らのやり方(集客方法からサービスの提供方法など)に乗せてパーソナルトレーニングを提供するといったパターンが多かったと思う。


 集客をはじめとするマーケティングをフィットネスクラブに依存する、このようなやり方でサービスを提供している場合、所属している場所のルールに左右されるとともに、単価が下がってきたときに、取れるアクションが限られてしまう。


 これからは、時代の流れを読み、しっかりと自分で考え、さらに、マーケティングとブランディングにも目を向ける。

このような、"自分がオーナー"という視点でサービスを提供できるトレーナーが生き残る。

 そのためには、どこにお客さんが集まり、どのようなサービスにお金を落とし、それらが、これからどのように変化していくのかを、数字の裏付けとともに理解し、推測する必要がある。



従来のフィットネスマーケットと今後の展望。



 大手フィットネスジムさんが、出している客層と売り上げによるデータによると、2016年くらいまでは、高齢者や会社帰りのサラリーマン、ある程度年齢層が高い方々が顧客の大部分を占めており、それらの層をターゲットとしてマーケティングが組まれていた。


これまで、学生や、比較的客単価が見込めないとされていた若年層は、お世辞にもマーケット中心に近いとは言えなかった。

しかし、ここ2~3年のフィットネスブーム(SNSやユーチューブなどの発展)により、学生や若年層のフィットネスマーケットが急激に拡大している。

 個人がフィットネス事業を始める場合、高齢化社会である現状を加味して、そこをターゲットとして絞る。これは一つの戦略としてありだと思う。しかし、若年層の中心のマーケットにシフトしているという、今の現状を理解し、人とお金の流動性に目を向けることは必要不可欠だろう。


 下記に日本とアメリカのフィットネスマーケットの推移を示す。


(参考データ;Fitness business、www.fitnessclub.jp/business/date/compare.html)

(参考データ;Fitness business、www.fitnessclub.jp/business/date/compare.html)


  上記によると、日本のフィットネスマーケットの総売上高は、約5000億円弱。人口の3.3%、つまり約30人に一人が有料ジムにお金を支出していることがわかる。 

一方でフィットネス先進国といわれるアメリカは、17.6%、人口の約6人に1人が、有料ジムに支出している。総売上高は約3兆円にのぼる。

以上の数字より、アメリカは、人口割合から見ると日本の5倍くらいの参加率が出ていることがわかる。アメリカのフィットネスマーケット全体の売り上げに関しては、日本に比べて約6倍もある。

 

 人口に目を向けてみると、日本の人口は、約1憶2700万人に対して、アメリカの人口は、約3億2400万人。日本と比べると、人口は約2.5倍なのに対して、フィットネスマーケットは6倍以上だ。これは日本のフィットネスマーケットが、これから2倍以上に伸びる可能性、ポテンシャルの高さを示しているとともに、今後右肩上がりに成長するとはっきり断言できる。




2. 国家予算がフィットネス界を潤す?



 可能性として、日本の国家予算の一部が、フィットネスマーケットに流入することは十分に考えられる。


 現在日本の医療費は、約42兆円で(2015年のデータを参照)、一方、国家予算が約97兆円である。医療費と、その他社会保障費を合わせると、国家予算の半数以上または大半を占める。

 

 社会保障費の大部分を占める医療費を削減するために、政府が国家予算を投入し、例えば、経団連に所属している会社の会社員に対して、数日以上の運動を推進させるといった取り組みを行うことは、十分に考えられる。実際、すでにこういった取り組みは、海外(インドやドバイなど)で数件のケーススタディがある。

 例えば、ドバイではイスラム教徒が多く、断食明けに食べ過ぎる傾向があり、高脂血症になる国民が多く、国家予算を圧迫していた。

この状況に危機感を感じた政府は、体重1キロを減らすと、金1グラムを付与するという前代未聞の取り組みを行った。

重ねて、一番体重を減らした人には、56万円相当の金を付与した。これは、2013年の取り組みで、国の医療費が約3割削減したとも言われている。


 日本では、金の発掘が少ないため、このような金の譲渡は考えにくいが、国家予算を投入して何らかの手段を取ることは十分に考えられる。

 ただし、先進国でこのような取り組みを行う場合、これからGDPを支える若年層が多い国(人口ピラミッドが正三角形になっていることが条件)で行われる可能性の高い政策である。つまり人口分布がリバースピラミッドになっている日本で現実的かどうかは定かではないが、可能性は0ではない。




 3.フィットネスに求められる価値が変化する



これまでフィットネスに求められてきた価値が、今後数年で確実に変化していく。


 資本主義経済と言われている昨今まで、フィットネスに限らずどの業界もそうだが、主に物理的有用性に対してお金が支払われたり、価値が生まれるケースがほとんどだった。


 例えば、便利なものや、今まで1時間かかっていたところを、30分でいけるサービスなどに対してお金や価値が集まる傾向があった。

 フィットネスマーケットも例外ではなく、今までは高齢者や、年齢層が比較的上の女性をターゲットとして、健康維持を目的とする、いわゆる機能的価値を提供するフィットネスが中心だった。


 しかし、現在は、機能的価値(体脂肪を減らしたり、パフォーマンス向上など)から内面的価値(SNSで自分の体をUPして、自己の内面的な満足度を高めるなど。)へ、人がフィットネスに求める価値が移行してきていると感じる。


では、この内面的価値が満たされたあと、次はどこに価値が移転するだろうか。


 心理学的には、自己の内面的価値を満たしきると、次は他人の承認欲求(他人の内面的価値)を、満たすために時間やコストやエネルギーを使い始めると言われている。

 

 例えば、おじいちゃんの70歳の誕生日プレゼントとして、トレーニング指導を贈ったり、自分ではなく、他人の内面的価値を高めるためにフィットネスを利用するケースが間違いなく増えてくるだろう。

 

 よって、これからビジネスを行う場合は、個人で完結するフィットネスだけでなく、こういった視点も視野に入れながら、取り組みを考察することは重要だろう。

 もちろん、若年層ユーザーの増加による、サプリメントやアパレル等、フィットネスアクセサリの需要も増えていくだろう。

 

 パーソナルトレーナーといっても、機能的価値の提供に固執したパーソナルトレーナーではなく、ビジネスオーナー的視点で、広い視野(特に、価値の移転を俯瞰して捉える)を持つことは、これから、パーソナルトレーナーとして結果を出すために、最低限必要なスキルであることは言うまでもない。





※この下に"サポートする"のボタンがあります。

サポートしていただけると、オンラインサロンの活動費、YouTubeのプレゼント企画、制作費にあてさせていただきます。このNOTEが参考になったよ!という方がいらっしゃいましたら無理のない範囲でご支援よろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?