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好循環

ある福祉施設で施設長として働くAさんのもとに、10年以上前に退職した元職員のBさんが訪ねてきました。

互いの近況を報告し合った後、Bさんから「施設長のおかげで、名ばかりの『紫陽花(あじさい)ロード』に紫陽花の花が復活するようになりました。そのお礼を伝えにきたのです」と言われ、何も関わっていないAさんは戸惑いました。

するとBさんは、「私が勤務していた当時、施設長は早めに出社する実践に取り組んでおられました。その姿を見て、私も地元の紫陽花ロードの清掃を始めることにしたのです」と教えてくれたのです。

退職後も毎日欠かさず紫陽花ロードの清掃活動を続けていると、仲間も増えていき、最近では自治体や近隣の住民の協力も得られるようになったといいます。

良いことも、そうではないことも連鎖しやすいと感じた経験のある人も多いのではないでしょうか。お客様のため。職場のため、家族のため等、自らすすんで誰かのためになることに取り組み、良いことが連鎖する職場にしたいものです。

今日の心がけ◆良い流れを作りましょう

(出典:職場の教養 2024年2月号)

経営者からの感想

好循環を生み出す「謙虚さ」と「経験学習モデル」

はじめに

このエピソードは、私たちビジネスパーソンにとって、より卓越したリーダーに成長するために必要な要素を教えてくれます。

1. 謙虚さ:いつでも、誰からでも、何からでも学ぶ姿勢

このエピソードの鍵となるのは、元職員Bさんの「施設長のおかげで紫陽花ロードが復活した」という感謝の言葉です。施設長Aさんは、自分が何もしていないと感じていたにもかかわらず、Bさんの行動に影響を与えていたのです。

これは、Aさんが「早めに出社する」という些細な行動を日々の習慣としていたからこそ生まれた結果と言えるでしょう。Aさんは、自身の行動が周囲に影響を与えているという自覚はなかったかもしれません。しかし、

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