見出し画像

数学の授業中、なぜかラーメン屋の話をしてしまう先生

中学生の頃、大好きな先生がいました。

中1の時に僕のクラスの数学を担当してくださり、中2の時には担任の先生だったんです。

今思えば、先生のスタイルはかなり物議を醸すものでした。
具体的には、授業中にいきなり

「なあ、佐古の辺りにある○○ってラーメン屋行ったことあるか?」

と、授業そっちのけで話し始めてしまうような先生だったのです。

でも、僕はそれがめっちゃ楽しくて

数学の時間このまま潰れんかな〜と思いながら先生の話にみんなで乗っかって、話を盛り上げていました。

終了のチャイムが鳴る頃、

「今日1ページしか進めんかったやん!」

とみんなで半ば呆れながら笑って授業を終えることに、色々あって多感な10代前半の少年はささやかな幸せを感じていたように思います。

後になって知ったことですが、
勉強に集中したいという生徒からすこぶる不評だったようで、生徒伝にPTAに話が行き、父兄の間でも先生の授業スタイルは賛否あるものでした。

部活動の指導にはとても熱心な先生だったので、部活命!って家庭の親御さんとか、やんちゃな感じのご家庭とはうまくやっていたと伝手で聞きましたが、熱心に授業をしてほしいという家庭からは、それなりにクレームが学校に寄せられたそう。

確かに、今でこそ授業をしっかりやり遂げてこそ良い先生だと思うものの、あの頃はあの先生の授業が心の支えだったように感じるんだよな。

教師とは、どうあるべきなのだろう。
きっと生徒の数だけ答えがあると思うのですが、僕は授業が分かりやすい、教え方が上手い先生も素晴らしいと思うのですが、

ずっと心に残っているのは、余弦定理の公式ではなく、先生が家族総出で向かった徳島県旧阿波町のアワーズの前にあるドルチェってジェラート屋さんが美味いって話なんだよなあ。

この記事が参加している募集

スキしてみて

忘れられない先生