コーヒーを好きになるまで
この記事をご覧いただきましてありがとうございます。
前回の投稿において「コーヒーインストラクター検定2級」を受験したことをお話ししました。
そもそも、なぜ私はコーヒーの勉強に勤しんでいるのか。
今現在、はっきり言えることは
「コーヒーのプロ」になりたいからです。
この「コーヒーのプロ」という言葉には、様々な意味合いを持たせています。
バリスタ・焙煎士・鑑定士・経営者 等々
なお、日本ではカフェで働く人やコーヒーを生業にしている人のことを総じて「バリスタ」と呼ぶことが多いようです。
ただ「バリスタ」という呼称は、厳密に言えばイタリア語で『バーでサービスをする人』という意味合いなどがあり、コーヒーだけに限った呼び方ではないようです。
私の性格上、この意味を知った以上は「バリスタ」という呼称を使うのは少し気が引けるので、ここでは総じて「コーヒーのプロ」と呼ばせていただきます。
当初は、あくまでもカフェ開業という目標のうえで、最低限失礼のないレベルでコーヒーが提供できればいいという考えで勉強をしてきました。
しかし、私の中で次第に心境の変化がありまして、その想いはここ最近で確かなものになりました。
ついては、私の心の整理とモチベーションの維持を期待して、この場をお借りして色々と書かせていただきます。しばしお付き合いください。
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なお、相も変わらずスーパー長文になってしまいそうだったので、記事を2つに分けさせていただきます。
今回は題名の通り、私がコーヒーを好きになるまでを書いていきます。
コーヒーが身近な存在に
まず「コーヒーのプロ」になりたいという以前に、私はコーヒーが大好きです。
もちろん、今やコーヒーは日本人の日常に当たり前のように存在し、国民食(飲料?)といっても過言ではありません。
かくいう私も、これまでの人生においてごく自然にコーヒーに触れ始め、当たり前のようにコーヒーを飲むようになりました。
しかし、そこから紆余曲折あり、最近の私はただのコーヒー好きを何段も飛び越えてしまいました。
なぜそうなったのか、時系列で振り返ってみたいと思います。
テスト勉強のお供
記憶では、確か中学3年生の頃だったと思います。
授業よりも部活(ソフトテニス)に熱中していたり、日々コツコツと学習をするのが得意ではなかったのもあり、定期テストの勉強は直前追い込み型で頭に入れるタイプの人間でした。
そのため、試験前日の深夜〜早朝にかけてラジオをかけながら勉強をするということが多くなり(最早、この時間と空間が好きでした)、眠気覚ましのためにコーヒーを飲むようになりました。ませた子供でしたよ…
とはいえ、私の家はコーヒーに興味・関心がなかったので、置いてあったのは市販のインスタントコーヒーのみでした。
まあ、まだまだ子供でしたし、あくまでも眠気覚ましのためだったので、味やクオリティなんて一切考えもしませんでしたが。
ちなみに、深夜〜早朝に勉強するスタイルが意外と自分に合っていたようで、こう見えて成績は常に上位のほうでした。短期集中型の勉強なので記憶は全然定着しませんでしたが(笑)
この勉強スタイルは、その後も高校卒業まで続くのでした。
「セブンカフェ」にどハマり
2013年(平成25年)春に高校を卒業し、そのまま就職しました。
同じ時期に運転免許を取得して車も購入し、テニスの練習場所や大会会場までの移動、予定のない日はあてもなくドライブをしたりなど、休日はとにかく長距離運転の日々が続いていました。
そんな中、運転のたびに当たり前のように買うようになったのが、「セブンカフェ」のコーヒーです。
今ではすっかり世の中に定着し、ほぼ全てのコンビニで見かけるようになった全自動の本格派コーヒー。
当時、セブンイレブンがこのシステムを導入したばかりで、最初は非常に物珍しさがありました。
(すでにローソンがレジ奥にマシンを置いていたような気がしますが、セルフ式のスタイルはセブンイレブンが最初だと思われます)
それまでは眠気覚ましのインスタントコーヒーしか飲んだことがない私でしたが、初めて「セブンカフェ」のコーヒーを飲んだ時の味に感動した記憶があります。
たかがセブンイレブン、されどセブンイレブン(←かなり失礼)。しかも、Sサイズであれば100円(当時)で買えるではありませんか。
それからはもう、運転するたびにまずはセブンイレブンに立ち寄ってコーヒーを買うようになりました。すっかりドライブのお供です。
今ではどのコンビニでも多種多様なコーヒーのラインアップがあり、それぞれを飲み比べるという新たな楽しみ方をしています。
「喫茶店文化」にふれる
「王様の珈琲」
前職では転勤族だったこともあり、数年おきに居住地が変わっていました。
そんな中、20代前半を過ごした街で、当時住んでいた社宅のすぐ近くに喫茶店「王様の珈琲」がありました。
最初は特に何も思いませんでしたが、とある日に夕食を食べにふらっと立ち寄った時に感じた居心地の良さから少しずつ通うようになり、次第に入り浸るようになりました。
外見について一見レトロな雰囲気がありますが、当時はまだオープンから5年も経っていなかったようで、オーナーの趣味趣向が伺えます。
店内はモダンで落ち着いた雰囲気、床暖房が効いているフローリングフロアに靴を脱いで上がるスタイルで、王様の如くまるで家にいるかのようにくつろぐことができます。
また、このお店は自家焙煎のコーヒーを提供しており、常に店の外までコーヒーのいい香りが漂っていました。
お客さまも常に絶えず、ランチ時間には大変混み合うほど地域では大人気のお店です。
朝は7時から開いていることもあって、混雑を避けてまだ空いている開店時に行くようになり、モーニングをいただきながらお店に置いてある朝刊を読んだり、読書をしたり、電気工事士試験の勉強をしたりして過ごしていました。
それまでインスタントコーヒーや「セブンカフェ」のコーヒーばかり飲んでいた私にとって、喫茶店でコーヒーをいただくというのが大人に一歩近づいた感じがして、ちょっとした優越感に浸っていました。
次第にスタッフの方とも仲良くなって気さくに会話をするようにもなり、いつしか、休日は必ず来店して最低でも3時間は入り浸るようになりました。
その後の転勤で街を離れることになった時には、スタッフの方々に色々とよくしてくれました。嬉しくもあり寂しくもあり。
同時に、喫茶店っていいなって改めて思いました。
今思えば、現在に至る私のカフェ・喫茶店好き、モーニング好き、朝活、新聞を読む習慣、本格派のコーヒーをいただくという日常は、この時期にこのお店で形成されたものです。
ただ、当時はまだコーヒー自体にそこまで関心がなく、飲んでいたのはいつもオリジナルのブレンドコーヒーでした。
その後、当時お世話になった何名かのスタッフがこぞって辞められたこともあり、もう何年も「王様の珈琲」には行けていませんが、それなりにコーヒーに詳しくなった今なら、また違う視点でこのお店の良さに気づけるかもしれません。
一応地元からは近いので、今度帰郷したら久しぶりに行ってみようかななんて。
「王様の珈琲」に通うようになった当時の私は、コーヒー自体よりもカフェ・喫茶店の空間が好きになりました。
特に、レトロで雰囲気や趣のある喫茶店が好きになり、当時は新潟県の中越地方に住んでいたので、その界隈の気になるお店をリサーチしては休日に行くようになりました。
⇩⇩一部を紹介⇩⇩
新潟県にいらした際には、ぜひお立ち寄りください。
「スペシャリティコーヒー」との出会い
「KEYAKI COFFEE」
その後の転勤で仙台に住むことになりましたが、「王様の珈琲」ですっかりモーニング&朝活習慣が身についた私は、住んでいるアパートの近くで朝早くから開いているお店がないか探していました。
チェーン店はいくつかあったものの、以前のように居心地よく入り浸れるような雰囲気(←何様だよ)のお店はなかなか見つかりませんでした。
それを今でも尊敬している会社の先輩に話したところ「KEYAKI COFFEE」というお店を紹介してもらいました。調べてみると、アパートから徒歩10分ほどで朝7時から開いているということで(現在は7時30分開店になりました)、次の休日に行ってみることにしました。
このお店は古い倉庫を改装した建物の2階に当時オープンしたばかりのカフェで、1階にはパン屋が併設されており、そこで購入したパンもカフェでいただけるというスタイルでした。
階段を上がって恐る恐る店内に入り、スタッフの方に案内されるがままカウンターに座ってメニューを眺めました。
メニューを見てまず驚いたのは、コーヒーの種類の多さ。たくさんの国名、たぶん生産者さんの写真、どういうフレーバーであるかなどが細かく書いてあり、初めての私は少し戸惑いました。
そしてなにより、高い…
1杯が600円〜800円。ラーメン食えるじゃんと心の中で思ってしまいました。
後にこのお店が、いわゆる”スペシャリティコーヒー”専門のカフェだということが分かりました。
あまり聞き馴染みがないかと思いますが、ざっくり言うと、世の中に流通しているコーヒーにおいて最上級の格付けに位置する高品質なコーヒーのことを指します。
当時はかなり失礼なことばかり考えていましたが、ひとまずモーニングと深煎りのブレンドコーヒーを注文して飲んでみました。
「う、うまい…!!」
感動しました。間違いなく、これまで飲んできたコーヒーの中で1番の美味しさ。
厳密に言うと、コーヒーの風味の良し悪しは人それぞれであり、今の私の知識では何をもって美味しいかというのがまだ分からないのですが、当時の私の感覚では非常に美味しいと思えるコーヒーでした。
それまで好んできた深煎りのコーヒーは苦さ目的で美味しさは求めていませんでしたが、その時飲んだ深煎りブレンドのフレーバーや味の奥ゆかしさを味わえた感動は今でも忘れません。
っと、今では詳細を表現できますが、当時はそういった語彙力が一切なかったので、スタッフさんには美味しかったですとしか言えませんでした(泣)
来店1回目からスタッフさん(後にオーナーだと判明)が気さくに話しかけてくれたこともあってすっかり居心地が良くなり、前例にならい次第にすっかり入り浸るようになりました。
正直、最初は1杯のコーヒーの値段ではないと思っていましたが、スペシャリティコーヒーの相場でみれば妥当ですし、生産から1杯のコーヒーになるまでのプロセス、スタッフさんのプロの技や想いという付加価値がついていると考えれば、値段なんて関係のない素晴らしいものだと今は思えます。
入り浸っていた約1年半の間に様々な種類のスペシャリティコーヒーをいただき、そのたびに風味の違いを楽しんでいました。そして、コーヒーってこんなにも奥が深くて面白い世界なのだと思わせてくれました。
その後、会社を退職し仙台を離れることになりますが、その時にはすでに、いずれ何らかの形でコーヒーに関わる仕事がしたいと思っていました。
その経緯は次の記事で詳細を書きたいと思いますが、きっかけは「KEYAKI COFFEE」であり、このお店に出会えたことが間違いなく今の自分につながっています。
ただ、その時はまだ明確なビジョンがなく、プロのスタッフに生半可なことを言うのは失礼だと思ったのと少し小っ恥ずかしさもあり、お店側に自分の想いを伝えることはありませんでした。
いつになるかは分かりませんが、少しでも立派になれたらまたお店に立ち寄ってお礼を言いたいと思っていますし、それが今の自分のモチベーションになっています。
「MOTHER PORT COFFEE」
「KEYAKI COFFEE」ですっかりコーヒーにハマってしまったわけですが、自分の中でこのコーヒーが1番だというものにはまだ出会えていませんでした。
そんなとある日に仙台駅周辺で買い物をしている間、駅の中にある「MOTHER PORT COFFEE(マザーポートコーヒー)」にふらっと立ち寄りました。
このお店もスペシャリティコーヒーを取り扱っていて、宮城県を中心に多くの店舗を展開しています。
振り返ると、仙台駅の店舗以外にも女川店や気仙沼店に行っていたみたいで、実は自分にとって身近なお店だったようでした。
話を戻しまして、その時にとりあえず適当に頼んだコーヒーが浅煎りのエチオピアでした。
当時、コーヒーは深煎りでなんぼだろという謎の先入観があり、それまではなんとなく浅煎りコーヒーは避けていました。
しかし、このコーヒーが私にとってはかなり衝撃的でした。
今まで味わったことがないようなフルーティーさと酸味、苦味よりもフレーバーがガツンとくる感覚、まるで紅茶を飲んでいるかのようで衝撃をうけました。
でも、なぜかその時はこんな味のコーヒーもあるんだなと、一時の感動に過ぎませんでした。もったいない…
仙台を離れ尾道に来て自分でコーヒーを淹れるようになり、振り返ると1番感動したのはあの時の浅煎りのエチオピアだったなと思い、すぐに同じ店のオンラインショップで当時と同じ種類の豆を購入しました。
豆が届いて自分でコーヒーを淹れて飲んでみたら、その時の感動が鮮明に甦ってきました。自分にはまだドリップの技術がないので当時の味は再現できませんでしたが、それでも感じる豆本来の風味には感動しました。
かなりの時間差にはなってしまいましたが、私がコーヒーを飲んで「この味だ!」と感動したきっかけは、この浅煎りのエチオピアのコーヒーでした。
その他
振り返ると、仙台にいる期間は「KEYAKI COFFEE」や「MOTHER PORT COFFEE」以外にも、様々なスペシャリティコーヒーのお店が身近に存在していました。
「KEYAKI COFFEE」に通うようになる以前、職場のすぐ近くに「岳山珈琲」というお店があり、主に昼休みに頻繁に立ち寄ってはテイクアウトでコーヒーをいただいていました。
その後、仙台市泉区に本店があることを知り、ここは本当に仙台市なのかと思うような山道を走り続けた先にあるお店にも何度も足を運びました。
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そのほか、仙台市若林区にある「FLATWHITE COFFEE FACTORY」にも一時期よく通っていました。
この荒井という地域が海岸線に近く比較的拓けた風景の場所で、どこか新潟に似たものを感じていました。
そのような土地でたまたまこのお店を見つけ、おしゃれな建物と内装の中でスペシャリティコーヒーをいただけるという雰囲気が好きになり、「KEYAKI COFFEE」ほどではなかったものの、こちらも頻繁に通うようになりました。
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このように、偶然なのか都会の中で過ごしてきたからなのか、仙台に住んでいる間はスペシャリティコーヒーに触れる機会が多く、今振り返っても、本当に沢山の本格派で高品質なコーヒーを飲んできたなと思い、非常に贅沢な期間でした。
おかげさまで、常に私の中のコーヒー情報がアップデートされていくようでした。
でもそれは、最初から自分が望んでスペシャリティコーヒーを飲みに行ったのではなく、仙台という街の日常の中にスペシャリティコーヒーが存在しているからこそ、ごく自然に触れることができたのかなと。
近年、いわゆるコーヒーの「サードウェーブ」やスペシャリティコーヒーの流行りもあり、喫茶文化とはまた違う本格派のコーヒーを味わえるお店が多く誕生しています。
その流れなのか、仙台においてもそういった比較的新しいお店が多く存在しているように感じ、相乗効果でこれからもっと仙台のコーヒー業界は盛り上がっていくのではないでしょうか。
コーヒー業界における理想系が何なのか、まだ私には分かりませんが、仙台で私が感じた一連のコーヒー業界の盛り上がりは、きっと素晴らしいものだと思います。
とまあ、なんとなくそれらしいことを書いてみましたが、要するに、仙台には素敵なコーヒーのお店がたくさんあって楽しかったです☺️
前職の転勤でたまたま住むことになった仙台ですが、今こうしてコーヒーの沼に浸かっていることを考えたら、きっとこれも運命だったんだなとしみじみ感じています。
仙台に住んでからはすっかりスペシャリティコーヒーにハマっていったわけですが、相変わらずレトロな喫茶店も好きであり、様々なお店に足を運びました。
⇩⇩一部を紹介⇩⇩
仙台にいらした際には、ぜひお立ち寄りください。
末文
さて、眠気覚ましのコーヒーから始まって「セブンカフェ」でコーヒーが身近なものになり、喫茶店に通うようになった後、仙台でコーヒーの面白さや深みにハマっていき、遂にはこれだというコーヒーの味に出会えました。
その後、部屋で自分でコーヒーを淹れるようになり、なんとなく「コーヒーインストラクター」の勉強を始め、その影響もあって現在ではすっかりコーヒーの沼にはまってしまいました。
自分で1杯のコーヒーを淹れるにしても、同じコーヒー豆とレシオ(お湯と粉量の比率)なのになぜ昨日と今日で味が違うのか、なぜお店で飲んだ時の味が再現できないのか 等々。
最初は嫌になったりイラついたりもしましたが、それが次第に探究心につながり、面白さすら感じるようになりました。
今現在、私の物欲はもっぱら”コーヒー豆”と”ドリッパー”のみです(笑)
そして今はというと、「コーヒーのプロ」になりたいと思うようになりました。
なぜ「コーヒー好き」から「コーヒーのプロ」になりたいと決意したのか。詳細は次の記事で書きたいと思います。
また長い文章になってしまいました。最後まで読んでいただいてありがとうございます。
多分、次も長文になりますのでご容赦ください🙏
乱筆にて
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