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最も過酷なファッション・デザインの授業

毎週、4時間ぶっ通しのクラスが、2日連続で、最初の semester (学期) に、あった。
もちろん教授だって、休まないといけないから、休憩あるよね・・・。

魔の draping class(立体裁断)

私は、New York の F.I.T. という大学で、Fashion Design を学んだ。
留学に際して、Bachelor (学士号) 習得が希望だったのだが、まず、Associate (2年間の単位修得レベル) への編入をしなければならなかった。通常の2年間のコースが満員なので、それを半分の期間、1年で全てマスターする、短期集中コースから始める事になった。

そのコースにあったのが、この4時間ぶっ通しの draping class だった。何しろ、2年間課程を、半分の1年にしているから、全部が凝縮されている。

授業第1日目、教授が自己紹介をし、大まかに必要な道具や、用意する教材の確認をすると、直ぐにデモに合わせて、講義が始まった。

言わんとしている事は、実技があるので、なんとなくわかるが、まだ新しい単位のインチと、英語の分数の読み方に、全然なれてないので、いちいち頭が混乱した。

延々と続く講義

必死で、教授のやってる事を、図解も交えて、ノートに書き込んだ。両目共、コンタクトがかなり乾燥してきて、無意味に瞬きをして、うるおわそうとしていた。

耳は思いっきり、教授の言っている事に集中し、まるで、ディズニー・キャラのダンボの様に、拡大している様な感覚だった。ノートを抱える腕も、ダルダル状態になってきた。

教授が、デモを始めて1時間以上、クラスが始まって、絶対に、1時間半は経っていた。「まずい、お手洗いに行きたい。」(実は、昔からホントに、お手洗いが近くて、済ませておいても、ある一定時間経過すると、また行きたくなる、という、面倒くさいタイプ。すごい不便。)

ところが、教授は止まる様子なく、どんどんデモと説明を続ける。
「いかん!集中しなければ、まずいぞ。」だが、その時点で私の集中力は、気合の入れ過ぎと、トイレ行きたさで、20%以上は低下していた。

作業時間と休憩時間

多分そこから、15分くらい経って、
"All right, now your turn to start  : )"
(じゃあ、皆んなやってみて下さい:)この教授、イタリア系アメリカ人で、実際に業界で、何年も仕事をしてきた元プロの draper (ドレーパー)だった。言い終わって、ホントに、「ニッ:)」って、したのを今でも覚えている。

「先ずは、トイレ!」お手洗いに向かうと、多くの女子生徒が、一斉に向かっていた。「まずい、混んでしまう。」(大体、22〜23人中、男子生徒は2〜3人。)

案の定、並ぶ羽目になった。すると、後ろにいたアジア人らしき子が、「上の階にもあるよ。」って教えてくれた。"Thank you!" 彼女にお礼を言って、エスカレータを駆け上がった。こういう些細いな事が、緊張続きの状態だった私には、嬉しかった。

教室の前で、教授が向かい側から歩いてきた。"Hi"と言った、彼の手には、スナックの小袋があった。

「そういう事か。生徒の作業時間が、教授の休憩時間なのか。」

他の生徒は・・・?

この初めての4時間の授業が終わって、教授がクラスを出て行った途端、

"OMG! What a long class!"  「ヒェー!超長いクラスだった〜!」
"It felt like forever!" 「終わらないのかって感じだったよね!」

生徒達が、ギャーギャー、騒ぎ出した。「良かった〜。これ、大変だって
思ったのは、自分だけじゃなかったんだ。」妙に、ホッとしていた。

4時間に備える

私は、この4時間の長丁場に備えなければ、と確信した
1. クラス始業30分前から、水分取らない
2. 飲み物とスナックを持参
3. お手洗いにはダッシュする
4. お手洗いが混んでたら、第2・第3の場所へ即座に移動
5. 廊下側の、入り口に近い所に席を取る←切実にお手洗いに近づきたい

何と初歩的かつ、くだらない事と、自分でも思う。でも、その当時は、必死だった。教授のデモの最中に、席を外せば、そこでもう講義をミスる。スナックを買いに、カフェテリアは勿論、自販機に、買いに行ってる間に、作業時間はなくなる。

自分ながら、よくこの4時間の授業を、週に2日連続で、1学期間やり終えたと、ちょっと褒めてあげたい。

最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。

NOTE: ファッション・デザイン留学に関する事柄を、以下の2つの記事にも書いてみました。宜しければ、読んでみて下さい。
https://note.com/newyork_norico/n/nd5a1af20059c


https://note.com/newyork_norico/n/n2c3f489b451d



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