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JAXA 宇宙飛行士選抜試験のエントリーを辞退することにした

「宇宙飛行士に、転職だ!」

というスローガンで昨年の12月から開始した宇宙飛行士候補者の募集。いよいよ明後日、4月4日に受付が締め切りになる。締め切りを目前に控えたところで、僕は宇宙飛行士選抜試験のエントリーを辞退することにしたんだ。

JAXAの宇宙飛行士選抜試験のニュースを聞いた時、

「俺にも宇宙への道が開いてきた!」

って嬉しくなったんだよね。それで速攻、Webサイトを開き、MyPage登録も済ませた。妻にも宇宙飛行士になることを話たら、応援する! って言ってくれて、さらにテンションが上がった。とにもかくにもエントリーシートが大事だと思い、エントリーシートの作成、特に『志望動機』と『理想の宇宙飛行士像』の項目の作成には時間をかけた。考えて考えて、ようやく自分の中で答えを見つけた。

自分の中で、宇宙に行くためのスイッチがカチッ! とはまったような気がした。だけど、選抜試験を受けることを辞退することにしたんだ。

実は、エントリーシートを作成しているときから、僕の中にはこんな思いがあった。

「ぶっちゃけ、宇宙飛行士になるつもりはないんだよな」

それは、宇宙に行くことや宇宙で仕事をする気持ちがないわけではない。むしろ逆で、すっごく宇宙に行きたいし、すっごく宇宙で仕事をしたい。でもそれは、宇宙飛行士としてではなく、旅人として、セミナー講師として宇宙に行きたいのだ。自分の職業を宇宙飛行士にしたいのではなく、

宇宙まで旅に行ってきました
宇宙でセミナーやってきました

がしたいのだ。宇宙飛行をしてるだけで、宇宙飛行を生業にする宇宙飛行士ではない。そんな思いがあったんだよね。

でも、今回の選抜試験はチャンスだと思ったし、もし選ばれたらその道も開けてくるだろうと思って、エントリーをしたんだ。志望動機も考え、

・宇宙に行きたい人全員が宇宙に行ける世界を創りたい
・誰もが宇宙を楽しめる安心安全なインフラを創りたい
・日本特有の『きめ細やかさ』が反映されたセーフティな科学技術

という動機のコアも見つかった。これをまとめてエントリーシートを提出した。

僕がJAXAの宇宙飛行士になる理由はコレだ!

とはじめのうちは気持ちが高まっていたのだが、どこかほんの少し違和感がある。そこを突き詰めた。

JAXAである理由がない……

僕が宇宙を目指す理由というのは、JAXAである理由がなく、民間の宇宙事業でもできることなんだよね。宇宙に行ってセミナーをするなてことも、前澤さんのようにお金払えばできる時代になってるしね。確かにJAXAの宇宙飛行士になって宇宙を目指すこともできるかもしれない。だけど、それで僕の望む生き方になるのだろうか? って考えたら、ちょっと微妙。

宇宙飛行士選抜試験の募集要項を読むと、もし選抜試験に合格しても、実際に宇宙に行くまで7年トレーニングを積むこともあるらしい。そりゃそうだよね。宇宙で仕事するためには必要だと思う。でも7年かぁ。その間、今みたいに自由に旅できないよなぁ。セミナーもできないよなぁ。子どもとも遊べるかな? なんてことを考えてしまうわけ。民間でもJAXAでも辿り着くところは、同じ宇宙なのかもしれない。だけど、そのプロセスというのは、だいぶ違ってくるだろうなって感じるんだよね。

だから僕は、宇宙飛行士選抜試験のエントリーを取りやめることにした。

でもね、宇宙に行くことは諦めていないし、それどころか気持ちはさらに高まった。宇宙でセミナーをやりたいし、セミナー施設をつくりたい。そうすると、宿泊施設やレストランなんかも作りたい。宇宙のレストランって、どんな感じだろうね? 無重力でしょ。火は使えるのかな? 色々やりたいことがあるんだ。これをみんなでつくれたらいいなって思うし、その道を進むことにしたんだ。

今回、宇宙飛行士選抜試験のエントリーは辞退したけど、トライしてみて本当に良かったと思う。自分を見つめ直すきっかけにもなったし、忘れてた夢も思い出すことができた。これから進む道も見えた。こうした機会を与えてくれたJAXAには本当に感謝したい。そして、僕と同じく宇宙飛行士を目指し、情報共有してくれた人たちにも感謝だ。僕は、これから違う道で宇宙を目指すけど、どうか選抜試験合格に向けて、これからも頑張ってほしい。

最後に、僕の宇宙への夢を応援してくれた妻と娘に本当に感謝。いつも本当にありがとう。家族そろって気軽に宇宙に行ける。そんな未来に向けて、これからも活動していこうと思うんだ。

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