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キャット・ホームズさんと学ぶインクルーシブデザイン⑥

キャット・ホームズ(Kat Holmes)さん著書『MISMATCH 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ』を教科書にインクルーシブデザインについてまとめていく連載です。自分用のメモでしたが、共に学び、共に考え、共に行動できる人に向けて連載という形で公開していくことにしました。

社会に良い影響を与えるデザインへの関心

・発展途上国の学生たちのための新技術
・高齢者や障がい者のためのソリューションを募るデザインコンテスト

善意に基づいているものが多いが、一歩で落とし穴が・・
スーパーヒーローと犠牲者、慈善家と受益者という発想でデザインすることになる

その人たちへの固定観念に合わせた、特化されたソリューションになる可能性
個人の実体験を本当に深くまで理解しなければ固定観念が強まる恐れがある

「こちら側とあちら側」

こちら側とあちら側という考え方が周りのデザインに現れ続けている
人間の互いに対する根深い認識がプロダクトや環境のデザインに現れていると言える

人種差別、障がい者差別、性差別、階級差別

権力の不当行使にまつわる動機

助けと必要としていると思われるグループのためのソリューションをデザインする時、暗黙のヒエラルキーが現れる

誰の声が届かないのか?

誰がソリューションから漏れていて、誰がフィードバックから漏れているのが最新の注意が必要

・誰の声が届かないのか?
・誰の意見が漏れているのか?
・誰の意見が強いのか?

①漏れた人を見つけ出し、現在の行動パターンを学ぶこと
②彼らがうまく切り抜けられるソリューションをデザインすること

どんな小さな形でもプロダクト自体に関与させることで、人とソリューションとの感情的な結びつきが深まる

デザインの感情面を理解することは重要
・そのソリューションを使う人々の行動パターンは何か?
・これらのパターンはなぜ人々の生活において重要なのか?

統計学的な分類

ビジネスや社会的な権力構造に深く関係している
人々が世界と実際にどのようにインタラクションするかではなく

多様な人々をグループ分けする際最も一般的なのは、
権力、ジェンダー、人種、民族、収入、性的指向、年齢などひとつの面での捉え方ビジネスでは一枚岩のグループ分けに基づいて問題を解決しようとする

どのように人間を分類するかはどのように作るかを決める

人間の複雑性とソリューション

人間はもっと複雑である
インクルーシブデザインにインクルーシブな人々を巻き込む
排除の経験者の大きなコミュニティを築く

・そのソリューションを使うとき大きなミスマッチを経験する人々
・最も悪い影響を受ける可能性のある人々

どのように解決に取り組むかによって誰が恩恵を得られるかが決まる
デザインは人々が自分自身や自分のコミュニティをどのように捉えるかに影響を与える
ソリューション開発への取り組み方次第で排除のサイクルを永続させるか、転換させられるかが決まる

インクルーシブなソリューションは地域でもインターネットでも人々を結びつける
インクルーシブデザインは排除されたコミュニティを経済的に活性化させるきっかけになる

まとめ

今回の章は私の中でもやもやしていたことが明確にしてくれました。インクルーシブデザインはその言葉に閉じてしまい、インクルーシブデザインの固定観念に合わせたデザインになるのではないかという点です。インクルーシブと言いながら特殊化されてしまって、開かれていないとも感じていました。この章にある通りあちら側とこちら側がいつまでも存在して混ざり合わないし共有もできていないように感じるので、これはインクルーシブなのかと問わざる得なのではと思います。
また、誰の声が届かないのか?と、誰の意見が強いのか?についても考えています。助けを必要としている場所でも暗黙のヒエラルキーが存在し、そこでも本当に耳を傾けなければいけない小さな声がかき消されてしまいます。またそれも、インクルーシブであると言えるのかと思います。
インクルーシブはこの世界には存在しないと感じざる得ないですし、だからこそ小さな声のために世界にインクルーシブを存在させることを諦めることなく続けていきたいと思います。

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