ぼくの王国 #3「欲望がうずまく町」 |小説 ユニバーサル・カバラの物語 第一章
ぼくが住む町は遊園地のような広い家があたりまえのようにならぶ。大きいと思ったおじさんの家はこの町では小っぽけだ。
おじさんは町で空手の道場を経営している。おじさんはぼくをたびたび道場に誘う。子供がいないおじさんはぼくを跡取りにしたい。でもぼくはまだ人生を決めたりしない。ぼくはぼくの可能性をめざすため、この国に来る時に背負っていたリュックをふたたび背負い、おじさんの家をでる。ぼくはレストランの同僚の家に転がりこむ。同僚も遠い国からあこがれの国にやってきた。町の外れのアパート