見出し画像

近視眼的な政策ではもはや日本は立ち直らない 未来に向けた政策がなぜできないのだろう

⚠陽の沈む国

 日本経済研究センターは、2022年12月14日、個人の豊かさを示す「日本の1人当たり名目国内総生産」が、2022年に台湾に抜かれたと報告し、2023年には韓国に抜かれるであろうという試算をまとめた。既に2007年にシンガポール、2014年に香港に抜かれていた。これで日本はG7どころか、アジアの新興工業経済群(NIEs)の最下位になる。日本政府の負債はGDPの2.3倍もあり、また日本の金融財政も弱体化している。国債の格付けが1990年まではAAAであったが、2014年安倍政権時にAに落ち、岸田政権になり最低ラインのBBBになりそうである。

 イギリスの歴史哲学者トインビーは「諸文明の没落は宿命的、決定論的なものでもなければ、天災や外敵の侵入などのよるものでもない。それは根本的には民族の魂の分裂と社会の崩壊による自己決定能力の喪失にこそある」と言った。日本の戦後の奇跡的な経済成長がピークに向かう最中、1975年に香山健一氏(グループ1984年)は『日本の自殺』という書で「日本の没落」を予言した。

ここから先は

4,817字 / 2画像
この記事のみ ¥ 200