「ピーク・パワー」が中国を台湾武力統一に向かわせる 最大の防御力はTSMC、「一帯一路」の果てのスリランカ破綻 エアラインが示す「ポスト・コロナ」の世界

5年内に武力統一を断行する
世界の大多数はウクライナ不支持

 ペロシ米下院議長の台湾訪問を奇貨として、中国は大々的な軍事演習を展開し、台湾を事実上、海上封鎖した。習近平の「台湾統一」の本気度を全世界に見せつけたのである。しかし、ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙によれば、直前の電話会談で習近平がバイデン大統領に伝えている。「中国は米国と戦争するつもりはない。今は、全面危機に突入する時ではない」(8月11日付)。では、武力統一を実行に移すことはないのだろうか。違う。習は「今は」と言っている。

 「5年、いや18カ月のうちに、中国は武力統一に踏み切る」。そう断言するのは、ジョンズ・ホプキンス高等国際関係研究大学院のハル・ブランズ特別教授、そしてタフツ大学のマイケル・ベックレイ助教授だ(WSJ紙8月4日付)。理由は「ピーク・パワー症候群」だ。近現代史を見れば、台頭する新興国が暴発するのは、自らのパワーがピークに達したと自覚する時である。日本はABCD包囲網により、資源調達の道を断たれ、もはやこれまで、と太平洋戦争を開戦した。ドイツ国民がヒットラーを選んだのは、第一次大戦の膨大な戦時賠償に押し潰されそうになったからだ。

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