混沌とする次期大統領選の指名争い 米景気も粘着性のインフレで視界不良

共和党内の地位危ういトランプ
新星デサンティスは出馬後に試練

 来る2023年は米国にとってどんな年になるか。まず国内政治での注目点は、翌24年の11月に本選挙を迎える大統領選に向け、各党の候補者指名争いが始まることだ。23年の年央から年末にかけ各党の立候補者同士で討論会が数回開催され、24年2月から各州の予備選挙が始まる。同8月の全国党大会で各党の正副大統領候補が正式に指名され、候補者同士の討論会を経て11月5日(第1月曜日の後の火曜日)に本選の投票が行われる。

 22年12月初旬時点で立候補を正式に表明しているのは、11月15日に出馬宣言を行った共和党のドナルド・トランプ前副大統領のみだ。民主党の現職、ジョー・バイデン大統領は11月9日の記者会見で「再出馬するのが私の意思だ」と述べたが、「来年(23年)の早い時期に判断する」。現在79歳という高齢で健康不安もあるだけに、流動的だ。

 焦点は、共和党でトランプのほかに誰が立候補するかだ。11月8日の中間選挙を経て、共和党内の構図も変わった。政治専門紙ザ・ヒルは「2024年大統領選の候補者指名争いが面白くなってきた(2024 frontrunner tussle gets interesting)」(11月29日付)と書く。

ここから先は

5,260字 / 3画像
この記事のみ ¥ 200