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超難産の下院マッカーシー議長、揺れる共和党 迷走するバイデン財政、過剰貯蓄がインフレ増進

マッカーシーが議長になるため
自らを縛る大幅譲歩案 目玉の2つ

 米国にとって2023年の年明けは、いきなり国内政治混乱の深刻さを象徴する「事件」に見舞われた。連邦下院議長の選出投票における共和党の激しい内部分裂だ。通常なら多数党のリーダーが1回の投票で選出されるのだが、今回多数党の共和党の下院トップであるケビン・マッカーシー(カリフォルニア州)は4日間にわたる15回の投票でかろうじて投票者過半数を得て、大統領職継承順位で第2位に位置するこの要職に辿り着いた。

 この15回投票がいかに異常であるかは歴史を紐解けば一目瞭然だ。建国以来128回あった下院議長選挙で複数回を要したのはわずか15回だ。しかもうち13回目までが、米国がまだ国家として安定していない1864年の南北戦争以前の話だ。さらにそれ以後の1回も1923年で、複数回投票は実に100年ぶりのことだったのだ。15回も要したのは、今般の中間選挙で予想外に苦戦し、大勝とみられていた同下院でわずか10議席しか民主党を上回れず、10人がマッカーシー以外の共和党議員票か棄権票を投ずれば、選出に必要な過半数に達せない状況だった。それが、最大時は21人ものそうした造反議員が出て、強硬なマッカーシー拒否姿勢を執拗に維持した。

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