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私小説

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話を書いた日にちはバラバラかもしれませんが、順を追って追加していこうかなと思います。
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記事一覧

【私小説】人のことを好きになれない(前編)

 ホームルームがあった2日後の午後。私は保健室から教室へと向かった。渋々授業に出席するた…

佐竹健
11日前
14

【私小説】前文にかえて

 人の世は儚い。  才ある者もそうでない者も朽ちてゆく。仲のいい関係はずっと続かない。栄…

佐竹健
2年前
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【私小説】昔の日常

 中学生のときの私の日常について、少し話そう。  朝6時半くらいに起きる。  朝ご飯を食…

佐竹健
2年前
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【私小説】友達のこと(前半)─天才の話─

「にぎやかだったな」  中学生のときを振り返ると、いつも思うこと。  もう10年も昔のこ…

佐竹健
2年前
11

【私小説】友達のこと(後編)─親友の話─

「一緒に共感できたり、好きなことを楽しめたりする友達」  そんな友達がいると、学校生活は…

佐竹健
2年前
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【私小説】土曜日の学校

 時々ある土曜日の学校ほど嫌なものはない。  土日も練習のある運動部に所属していた中高生…

佐竹健
2年前
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【私小説】勉強のこと

 私は誰よりも勉強ができなかった。そう言いきれる自信がある。  国語、社会、英語、数学、理科と言った主要科目は平均点よりも下だった。なら、主要な5教科以外はできたのかと言えば、そうではない。芸術科目や技術家庭科、体育の実習では、持ち前の不器用さを発揮し、絶望的なセンスを同級生に晒していた。そうしていつも怒られたり、笑い者にされたりしていたものだ。  何を言いたいのか一言で言えば、 「学校の勉強が絶望的にできない」  ということだ。  それゆえに、親戚や友達、母親と親

【私小説】読書と私 その1─死後の世界について─

 頭が悪いくせに、どういうわけか私は本を読むのが好きだった。もちろん頭の方がよくないので…

佐竹健
2年前
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【私小説】読書の話 その2─平家物語と死生観─

 中学時代の私は、実益のあることは何もしてこなかった。  学校の勉強や部活を頑張ったり、…

佐竹健
2年前
13

【私小説】夏休みの話(お盆前)

 夏休みは、なんとなく過ごしていたい。そう思っていた。  好きな本を読んだり、見たかった…

佐竹健
2年前
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夏休みの話②(お盆時)─花火大会と親戚の話─

 お盆時は、とても憂鬱だった。唯一の休みだったというのに心が落ち着かない。  外へ出れば…

佐竹健
2年前
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【私小説】夏休みの話③(ラスト)

 お盆が明けると、少しホッとする。  補習、部活、そして親戚の集まりという拘束もない。肩…

佐竹健
2年前
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【私小説】夕暮れと体育祭の終わり

 体育祭が終わった。  片付けやクラスでの表彰などをしているうちに、時計の針は5時を回っ…

佐竹健
2年前
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【私小説】友達のこと その③ 真面目なあの子

「当時、私には両手で数えられるほどの友達がいた」  以前私はそう話していた。けれども、話すのは三浦くんと多田くんの話ばかりなので、 「実際はこの2人しかいなかったんじゃないか?」  と思った人もいるだろう。この2人とは、両手で数えられるほどしかいない友達の中でも、格別に長い時間を過ごしている。それゆえ、語ることがどうしても多くなってしまうのだ。  だが、それでは冒頭に挙げたこの言葉が嘘になってしまうので、この機に話してしまおうと思う。    ※  多田くんのいるク