1on1で見落としやすい2つ目の「聞く力」

MBAで数年間コーチングの講座を担当しましたが、よくきかれる質問がありました。

その質問とは、
「私は話を真剣に聞いているのに、相手から話を聞いてくれてないと言われるのです。どうしてでしょう?」
というものです。

自分もそうかも……という方、いらっしゃるでしょうか。

こういわれる方は、2つの「聞く力」のうち1つはばっちり実施しているのですが、もう1つを見落としている場合が多いです。

ひとつ目の「聞く力」は一般的なものです。
それは、「相手の発した情報を受け取り理解する力」。
相手の話を真剣に聞いている、という方はこちらの力を持っています。相手の声を聞き逃さず、自分なりに解釈して理解することにエネルギーを使っています。
これはもちろん大事なことです。

そして、見落としがちなふたつ目の「聞く力」。
それは「相手に表現させる力」です。
もうすこし詳しくお伝えします。

たとえば、あなたが話していて相手がスマホをちらちら見ていたり、眉間にしわがよっていたら、どう感じるでしょうか。
「つまんないのかな」「もう話したくないな」と不安な気持ちになると思います。
つまり、相手が「聞いているよ」というメッセージを伝えてこないと、話す気持ちが縮んでしまうのです。

反対の聞く立場になって考えると、相手に「聞いてるよ」というメッセージを積極的に伝えることで、相手は安心して話しやすくなり、多くのことを自由に表現できるようになります。

これが、聞く力の2つ目。「相手に表現させる力」です。
最初に質問された「真面目に聞いているのに、聞かれていない」と言われる方は、この力を鍛えることが必要です。

1on1でも、相手の話を聞こうと意気込むあまり、真剣で少し怖い顔になっていたりしていないでしょうか。ご自身の聞く姿を2つの「聞く力」でもう一度振り返ってみてください。2つ目は特に見落としがちなので要注意です。

では、どうしたらもっと「聞いているよ」というメッセージが伝わるのか。
それは、反響があれば次回、書いてみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?