2019年11月の記事一覧
中島岳志「保守と大東亜戦争」(集英社新書20180718)
人間にとっての普遍的なのは理性の無謬ではなくて理性の誤謬。
いきなり序章で思い切りびんたを張られたような気持ち、というのは少し大げさですが、ひとつの本書の方針が明示されます。
人間の営みなど完成されることはなく、常に不完全なまま昨日を今日に継ぎ、そして明日を迎える。それこそが社会であるとします。これって、似たような言葉を宮沢賢治も残していました。
永遠の未完成、すなわち完成である。
人間は
東浩紀『一般意志2.0』を読む
このところ、国会で議論が始まるたびに政府や与党のアラ探しばかり。消費税は上がる、人口は減少する、景気はイマイチ。国民の不満は募る一方だが、国会で国を良くする話はされているのか、さっぱりわからない。
政治なんて面白くない。そりゃそのはずだ。
世の中は複雑になりすぎた。個々人の満足は至る方向にあり、今の政治体制では国民の満足を満たす制作は出てこない。
ルソーの『社会契約論』が今こそ、現代の行き詰