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【劇場めし 第41回】下北沢のオマール海老ラーメン

「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介!」する、このコーナー。今回は下北沢で食べられる、ちょっと珍しいラーメンを取り上げます。東京を代表する演劇タウン・下北沢。下北関連のバックナンバーはコチラ。


まず最初に、この写真をご覧下さい。

とっても美味しそうなスープ……に違いないですが、実はこれ、ラーメンなのです! オマール海老を使ったスープが特徴的な「オマール海老湯」という一杯。

伺ったお店は麺屋はやぶさ 下北沢店。テーブルに「オマール海老湯の食べ方」という説明書きがあったので、それに沿って食べてみます。 

1. 20秒以内に写真を撮りましょう。

しまった!! 割とのんびり撮影してしまいました…。よし、次!!

2. まずはレンゲで一杯ずつ乳化されたスープを体感せよ。

これは……、特徴あるスープだなぁ。とてもクリーミーで、泡立ててあるため食感も軽く、舌触りも滑らか。見た目通りの洋風スープの美味しさ。もちろん海老特有の風味と旨味も感じます。スープは二層になっていて、上層がオマール海老のエスプーマ(泡)スープ、下層が煮干しや鶏のスープだとか。これはラーメン目的でなくても、スープ単体として満足感の高い味わい。

3. 全粒粉入り中太麺のすすり心地と、もちもち感を味わってください。

器が深底になっていて、麺は下の方にあります。箸を奥まで入れ、いざラーメンをすすりましょう。……うん、美味しい。麺自体に存在感があり、濃厚スープとよく絡みます。何より、ここで一気に「ラーメン」感が増幅しました。クリーミーパスタではなく、しっかりラーメンを味わっている気分。スープが圧倒的に洋風仕立てのため、この全粒粉の中太麺が主張することで、スープと麺が融合し、ひとつのラーメンが誕生します。

4. 卓上の味変、辛味ソース、にんにくで、自分好みに味変させてみてください。

にんにくを足すとパンチが増し、これまた美味しい。辛味ソースは、洋風スープの印象を薄め辛味を強めるため、辛い物好きの方におすすめ。僕個人は一杯のラーメンに多様な味変を求めないけれど、自分好みにカスタマイズできることはシンプルに嬉しいですね。

5. スープが余ったら、「ライス」を残ったスープに入れ、リゾット感覚で最後の一滴までお召し上がりください。

このスープを残すなんて勿体ない! 追加ライスを注文し、リゾット風にしてみました。…これも良し。粉チーズをかけたい衝動に駆られましたが、それをやるとリゾットに寄り過ぎてしまうのかも。スープとしてそのまま味わうのも、ライスを入れてリゾット風に楽しむのも、どちらもアリだと思います。

オマール海老の旨味もあり、見た目の珍しさもあり、インパクト大の「オマール海老湯」ですが、全体的に調和のとれた、優しい一杯だと感じました。胃腸でも、メンタルでも、疲れた時にふっとすすりたくなるラーメンかもしれません。強くて優しい、どこかホッとするラーメン、ごちそうさまでした。下北沢には人気ラーメン店も多く、つい迷ってしまいますが、懐かしさでホッとするのではなく、新しくてホッとする一杯。観劇の前後にいかがでしょう?

文:園田喬し(演劇ライター・編集者・『BITE』編集長)

麺屋はやぶさ 下北沢店
東京都世田谷区北沢2-29-16
マガザン下北沢 1F
TEL:03-5761-6566


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