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MSP、付属中学・高校で公演!|明治大学シェイクスピアプロジェクト密着取材

ネビュラエンタープライズ・おちらしさんスタッフの福永です。
U25世代に向けて、舞台芸術に関する情報を発信するユニコ・プロジェクト(通称:ユニコ)

今年も「明治大学シェイクスピアプロジェクト」、通称MSPの活動を取材させていただいています。

▼前回の記事はこちら▼

過去2年に渡って取材を続けているMSPですが、今年がこれまでと大きく違う点は、とにかく外部公演が多いこと。2月には熱海市で行われた公演を取材させていただいたのですが、今回は八王子にある明治大学の付属校の講堂での公演がありました。

この公演がいったい、どんな趣旨で、どのくらいの規模で行われたものなのか、そしてこの公演が今後のMSPにどのように影響していくのかなど、とても興味深いイベントだったのでレポートしたいと思います。

明治大学付属八王子中学・高等学校は、JR・京王線の八王子駅からスクールバスで20分ほどの緑豊かな場所にあり、広大な敷地にいろいろな施設が揃ったとても素敵な学校でした。
バスの発着所から、少し歩いたところにあるのが、今回の舞台となる「片桐講堂」。高校1年生から3年生まで全学年の生徒を収容できる1,000人規模の大講堂で、毎年MSPの本公演が行われる明治大学駿河台キャンパス内のホール「アカデミーコモン」とほぼ同じキャパなのだそうです。

当然舞台面も広く、今回は仕込みにも4日間をかけるビッグプロジェクト。大舞台には慣れているMSPとはいえ、外部でこれだけの規模の公演を行うことは初めてだったようで、その点でもまったく新しい試みです。
そのような規模なのでやはり学生だけで公演を行うのは難しく、本公演でも毎回お世話になっている、舞台監督の村信保さんや、音響の浦崎貴さんなど、プロスタッフの方たちのサポート体制もしっかり整っていました。

明治大学付属八王子中学・高等学校の創立40周年を記念した、祝賀イベントの一つとしてMSPが招かれた今回の公演。生徒の約9割が明治大学に進学するという付属校での公演は、MSPにとって、言わばかなり早めの「新歓活動」の意味合いもあり、メンバーの力の入れ方も特別なものがあったのでは…? と想像できます。また、今回は主に2023年度の第20回MSPメンバーによって進行しているので、勝手知ったる顔ぶれだからこそできる、昨年の本公演でのノウハウを活かした公演という側面もあるのでした。

午前10時過ぎに講堂に到着すると、役者たちは舞台上で声出しの最中。卒業生である演出の大町友実さんも、緊張の面持ちで舞台を見つめており、まさにまもなく本番という雰囲気が漂っていました。2年生のころから取材に応じてくれている舞台監督補佐の積山浩大さんは、4年生になった今年はリーダーとしてご活躍。開演前の全体の動きを確認している姿が、とても頼もしく見えました。

この日のステージは2回あり、1回目はまず現役の高校生に向けた公演です。
10時40分まで授業だった生徒さんたちが、開場すると同時に続々とにぎやかに講堂に集まってきます。学年ごとに座席が決まっており、先生方に誘導されながら、徐々に広い客席が埋まっていきました。

全生徒が着席すると、まずは付属高校の校長先生からご挨拶があり、「この学校でMSPの公演ができたら最高だと、以前から思っていた」と仰っていました。大学に進めば、勉学だけでなく、情熱を込めて創作している先輩たちがいることを見せたかったのだと、そしてこの先、自分の好きなことを見つけていこうという際に、こんな世界があるのを知ってほしい、と語っておられました。

挨拶をする、第20回MSPプロデューサー・宮嵜明理さん

次に第20回のプロデューサーである宮嵜明理さんからも挨拶があり、「来年か、再来年か、その次の年にでも、カンパニーメンバーになってくれたら嬉しいです!」と熱いメッセージを送っていました。
おそらく演劇を観ること自体が初めてだという生徒さんもいたと思います。校長先生や宮嵜さんの言葉で、興味関心がより高まっていくのを感じました。ボルテージの高まりを表すかのように、開演の最初の暗転で、早速盛大な拍手が起こったのです。

今回の演目は『ロメオ、エンド、ジュリエット』。
パンフレットの説明によると、この作品はシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作として、明治時代に上演された小山内薫作の『ロメオ、エンド、ジュリエット』と、河島敬蔵作の『春情浮世の夢』という二つの作品を組み合わせて作られたものなのだとか。どの部分がどちらの作品からなのかはわかりませんでしたが、今回は「補綴」とクレジットされていた、MSPコーディネーター・井上優教授の手腕で、見事に一つの作品として成立していました。

MSP映像スチール部撮影

1時間半の上演が終わり、会場は大きな拍手で包まれました。高校生たちは口々に感想を話しながら退出し、MSPメンバーはすぐさま2ステージ目の準備に入ります。演出の大町さんはすぐにスタッフさんらと打ち合わせに入っていたようでお話を聞けませんでしたが、高校生たちが集中して芝居を観ている様子は認識できていたと思います。

この日の付属高校では父母会も行われており、2回目のステージは主に父母会に参加された保護者の皆さんに向けられたものでした。さらに一般客も受け入れていたので、再度会場へ戻ってみると、講堂前にはすでに開場を待つ大行列が! 第21回のプロデューサー・阿部ひなたさんも、今回の公演には制作部として参加していて、場内整理に忙しそうでした。
先ほどの1ステージ目は高校生が対象だったわけですが、中学生の中にも「観たい!」という希望者はいたようで、中学生もたくさん観に来ていました。彼らは高校生よりもさらに未来のMSP候補生たちとなるわけです。
また、一般客の中にはMSPの卒業生も多く、互いに再会を喜ぶ微笑ましい光景が客席のあちこちで見られました。MSPが彼らの人生において如何に重要なイベントだったのかを、物語るような光景でした。

さて、2回目のステージもつつがなく終わり、さらに大きな拍手で会場は盛り上がります。
初めてのことで、最初はカンパニーメンバーもドタバタしていましたが、2ステージ目には落ち着きを取り戻しており、中高生たちにかっこいい先輩の姿を見せることができていたと思います。井上先生をはじめ、プロスタッフの皆さんも1日だけのイベントとはいえ一切の手抜きなく真剣勝負で取り組んでおられ、やはりMSPはチーム全体の「熱さ」が魅力だと感じました。

MSP映像スチール部撮影

最初の挨拶で付属高校の校長先生が仰っていたように、この熱量が高校生たちに伝わり、彼らの未来の「やりたいこと」の良い見本になることを、さらにこの日の客席からたくさんのMSPメンバーが生まれてきてくれることを切に願います。

明治大学付属八王子中学・高等学校のクリアファイル

上の写真は明治大学付属八王子中学・高等学校のクリアファイル。
何故、ヤギのイラストかと言うと、、、

実際に校内でヤギを飼っているのだとか!会いたかった!

\今年のMSP本公演はこちら!/
第21回明治大学シェイクスピアプロジェクト
『お気に召すまま』


期間:2024年11月8日(金)~10日(日)
会場:明治大学駿河台キャンパスアカデミーコモン
3階アカデミーホール

MSPの活動の様子はブログ、SNSでもチェック!
ブログ:https://ameblo.jp/msp-meiji/
X(旧Twitter):@m_shakespeare


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