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『猫を棄てる』 村上春樹 感想

皆様お疲れ様です。ローソンのアイスコーヒーが大好きなひーびです。しかし今日はセブンイレブンに浮気をしてしまいました。

さて今日は先日読み終わった本の感想を。

『猫を棄てる』 村上春樹 

仕事終わり書店に寄って何故か気になる本があり手にしてみると案の定表紙の絵に引き込まれ手にしてみたらなんと村上春樹さんの新作ではないですか。

僕は中身を見ずジャケ買いをしてしまいました。しかし中身は村上春樹なので間違いないだろうと思っていました。

しかし、予想は僕を大きく裏切った。

小説自体は短く、春樹氏の父親との思い出、父親の自伝的な内容になっている。本の半分は父親の戦争体験のことが大半を占めている。

なんだこれはいつもの村上春樹ではないではないか。

それもそうだこれは村上春樹が語る絶縁していた父親との思い出の話なのだ。

密かにノルウェイの森のような作品を期待してしまったのが間違いでした。しかし他の作品などと比較するような作品ではないなと思います。これは春樹氏自身のいわば封印してきた物語なのだ。開かずの間が開かれたんです。ハルキストにとってはこの作品こそ待ちに待った作品だったのでは?と思わせる内容だったのではないでしょうか。

話は終始書き手の村上氏が読者に語りかけるような書き方になっており非常に面白いです。文章も素晴らしく惹きこまれます。この人が書く文章は本当に不思議な力を持っていると思います。それが今もなお多くの人を惹きつける魅力なのでしょう

僕はこの小説を読んでやはり父親について考えました。

僕も父親とは絶縁状態にあり、非常に複雑な関係なんです。

しかしやはり僕のたった1人の父親であり、同時に何故か尊敬している人物でもある。思えば僕はあの人の辿った人生の話とか聞いたことがなかったなと思い。その他にも僕のことをどう思っているんだろうとか、何故母親と離婚したのかとか、キリがないぐらい色々出てきてしまった。

父親のことをこんなに考えたのは久しぶりだった。

何故かこの本を読んでる最中に父親から久しぶりに電話がきてびっくりした。

内容は「ギター貸してくれ」アコギ弾きたいから何か余っているのあれば貸してくれとのこと、久しぶりの電話に僕は緊張してしまいましたが。いいよと返事。

いつからだろうか?

父親と会話することにも緊張するようになったのは

おかしいよね?でもほんとのことなんです。

そして後日、久しぶりに父親に会いました。何故か少し小さく見えました。あんなに大きく見えた背中が小さく見えたんだな。

他愛もない会話を少しして別れました。その時間5分もなかったと思いますが。僕は何故か手汗が止まらなかった。やはりあの人の前に立つと緊張する。

思えば親孝行などということもしたことがなかったな思い。

今度父親が大好きなメタリカが来日したら是非父親を誘いライブに行きたいなと誓った夜でした。(うちの父親はメタルが大好きなのです)

皆さんも父親のことを考える日はありますか?

僕はこの本を読んで少し昔のことを思い出し、父親について考える時間ができました。

皆さんも是非読んでみてください。少しだけ優しくなれるかもです。

それでは皆様、明日もこの場所で!



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