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区役所職員にインタビュー! ─子ども・若者部 子ども家庭課 中編─

皆さんは「役所」と聞いて、何を思い浮かべますか…?
私は数年前まで、「婚姻届を出しに行く」というイメージが強く、詳しい仕事についてあまり知りませんでした。

そこで、ねつせた!では、世田谷区役所の職員にインタビューする企画を始めました🍀
現在、区役所のいろんな部署で働く職員へのインタビュー記事を不定期で発信しています!

第2回目は「子ども・若者部 子ども家庭課」!
ねつせた!メンバー「みづき」、「うっちー」、「なかしー」が、子ども家庭課の3名の職員の方々にお話を伺いました。

中編である今回は、「子ども家庭課」が行っている具体的な事業についてのお話です。

著しく進行する少子化の流れを食い止めるためには、当事者である子育て世代だけでなく、社会が一丸となって子育て支援を行っていくべきだと考えます。
特に、若者世代である私たちも、子育てについての正しい知識に触れ、考えることが大切です。

この記事が、子育てについて少しでも興味を持ったり考えたりするきっかけになっていただけると嬉しいです!


子どもの貧困とその対策について

なかしー 子どもの貧困対策についてお話を伺いたいと思います。世田谷区でもいわゆる『貧困』と呼ばれる家庭環境で育つお子さんがいるというお話に衝撃を受けました。その現状についてお話を伺いたいです。

Bさん 平成30年度の小学5年生、中学2年生の子どもと保護者に対して、『子どもの生活実態調査』を行ったところ、「生活困難層」と定義される子どもたちが小学校では11.7% 中学校で13.9%と約1割いることがわかりました。また調査の中で、生活が苦しいのにも関わらず、世田谷区の支援サービスを利用してこなかった保護者が一定数いらっしゃることもわかってきています。
この調査から見えてきたことは、「食べるものがない」「着るものがない」といった、いわゆる目に見えるような「貧困」よりも、「実態としては生活が困窮しているが、見た目からはそれがわかりにくい」といった、潜在化している「貧困」が多いことです。
これは推測ですが、世田谷区の住民の方へのイメージや、周りの方々の目線を気にされていて、実際は生活に大変困っていても、そういったことを言いづらい・知られたくないという方々も中にはいらっしゃることが、理由の1つではないかと感じています。
参考:「平成30年度 子どもの生活実態調査の結果について」URL
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/kodomo/010/d00165614_d/fil/3sho.pdf

なかしー 「貧困が潜在化している」という考え方はなかなか思いつきませんでしたが、イメージするよりも「貧困」だと言われる割合が大きいのは、確かにそういったことに原因があるのかもしれませんね。子ども家庭課では、どのような支援を行われているのですか?

Bさん 現時点の取り組みとしては、経済的な困窮によって学習塾に行けない、主にひとり親家庭の子どもたちに対する学習支援の場として『かるがもスタディルーム』を行っています。また、ひとり親の方々が元配偶者から養育費を安定して確保できるように『養育費相談会』を開催しています。

ひとり親家庭の支援について

みづき ひとり親家庭が抱えていらっしゃる悩みとしては、どのようなものが多いのでしょうか?

Bさん ひとり親の方の中には、離婚だけではなく、結婚しないで子どもを育てていたり、配偶者と死別されて1人でお子さんを育てていたりと、様々なケースがあります。その中でも共通して相談を受けることが多いのは、やはり「経済的に生活が大変」という内容です。
一方で、そのような方々はダブルワークをされていたり、一日中働いていたりして、なかなか区役所に問い合わせをしたり、いらっしゃることが難しいため、「必要な情報を届けにくい」という課題を感じています。そのため、2ヶ月に1度程度土日に実施している養育費相談会の中で、区のひとり親事業等をお知らせする取り組みを行なっています。

みづき お仕事をされている方にとって、土日にも相談ができるのはありがたいですよね。ところで、先ほどお話があがった『かるがもスタディルーム』について、1点伺いたいことがあります。以前、塾講師のアルバイトをしていたので、ホームページを拝見して「参加したい」と思ったのですが、参加することはできるのでしょうか?

Bさん 『かるがもスタディルーム』を運営しているのは民間のNPO団体で、そちらでボランティアを受け付けています。現在、ボランティアは退職してから時間に余裕がある方が協力してくださることが多いのですが、学習支援を利用している中学生や高校生にとっては、年齢の近い大学生はとても話しやすいと思います。興味のある方はぜひ活動に協力いただけたらと思います。

みづき 就職活動が一段落したら、是非参加したいです!

「おでかけひろば」について

みづき それでは次に「おでかけひろば」について伺います。児童館や保育園でも子どもと一緒に遊んだり情報交換をしたりできると思いますが、「おでかけひろば」は上記の施設とどういった違いがあるのでしょうか?

Cさん 「おでかけひろば」は、世田谷区にお住まいの未就学のお子さんと保護者やプレママ・プレパパを対象に、親子で気軽に立ち寄れる施設です。主に民間の事業者が運営を行っており、一軒家のリビングや保育園の一角など様々な場所で、それぞれの特徴を生かした運営を行っています。利用者の皆さんが自分の好みに合わせて選択できる点が「おでかけひろば」の特徴です。また、子育てを経験しているスタッフも多く、気軽に子育ての相談ができます。

みづき なるほど!ところで、「おでかけひろば」はいつ頃から設置されたのでしょうか?

Cさん 世田谷区では、平成18年に子ども・子育て総合センター「かもちゃんひろば」が設置されました。しかし、それ以前から、民間の団体は「おでかけひろば」のような施設で活動していました。

みづき ちなみに、設立のきっかけは何だったのでしょうか? やはり、「情報交換の場が足りない」といった理由からですか?

Cさん 背景には、核家族化が進んだり、地域との関わりが希薄だったりしたことなどが挙げられます。子育て家庭の孤立化が課題としてあり、地域の方々からもそのようなニーズを受け、「おでかけひろば」が始まりました。

みづき 子育て家庭のみではなく、地域の方々からもご意見があったのですね。子育ては当事者だけではなく、地域が支援するという姿勢が大切なのだとわかりました。

妊娠期から切れ目のない支援を「世田谷版ネウボラ」

うっちー 「おでかけひろば」などでプレパパ・プレママのイベントが多数行われていますが、その中で特に良かったテーマは何でしたか?

Aさん 子ども家庭課でイベントを直接実施していないので、全てを把握しているわけではありませんが、プレパパ・プレママ向けの育児相談や、赤ちゃんの発達に関する講座などがあります。あとは、先輩ママと初めて妊娠を経験される方の交流会も開催されています。

うっちー 確かに、初めて妊娠される方は特に不安でいっぱいだと思います。そうした中、このように多くのイベントが行われているのはとてもありがたいですね。

Aさん 「おでかけひろば」や児童館で行われているイベントやプログラムでは、出産前でも参加しやすいように工夫されています。働きながら子育てをするイメージが湧かないという方もいるので、早い段階で子育てするイメージを持っていただくことが大切だと考えています。

ねつせた!との連携について

なかしー 最後に、私たち若者視点のメディアである「ねつせた!」でも、情報発信など何かお手伝いできることはありませんでしょうか。

Aさん 「世田谷版WEラブ赤ちゃんプロジェクト」は様々な世代の方にぜひ知ってもらいたい取り組みです。特に子育て世帯じゃない方たちに知ってもらいたいので、そのPRについてお手伝いいただけると嬉しいです 。

WEラブ 赤ちゃんプロジェクトについて

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世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト 特設サイト

ねつせた!は子育て世代とは少し年代の差があるので、学生の視点からPRするのは難しい面もあると思いますが、皆さんが感じた「面白いな」と思う事業を伝えていってほしいと思います。

みづき 私たちのような若者にもお手伝いができることがあるんですね!
「世田谷区×WEラブ赤ちゃんプロジェクト」のキーホルダーも頂いたので、早速リュックにつけてアピールしていきたいと思います!
子ども家庭課の職員の皆さん、貴重なお話をどうもありがとうございました。

以上、区役所職員にインタビュー! ─子ども・若者部 子ども家庭課 中編─でした。後編では、区役所職員として働く職員の皆さん自身についてフォーカスをしていきます。次回もお楽しみに!!


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