区役所職員にインタビュー! ―北沢総合支所 街づくり課 中編―
皆さんは「役所」と聞いて、何を思い浮かべますか…?
私は住民票の発行などの手続きをしているイメージがあり、その他の仕事については詳しく知りませんでした。
そこで、ねつせた!では、世田谷区役所の職員にインタビューする企画を始めました🍀
現在、区役所のいろいろな部署で働く職員へのインタビュー記事を不定期で発信しています!
第3回目は「北沢総合支所 街づくり課」!
ねつせた!メンバーの「みづき」、「さとぽん」、「しほ」が、街づくり課の3名の職員の方々にお話を伺いました。
前編、中編が部署やお仕事について、後編が部署で働く職員についての記事になります。中編である今回は、新型コロナウイルス感染症の影響や、災害対策について、北沢地域が目指す将来像に関するお話です。
前編はこちら🔗
新型コロナウイルスが及ぼした街づくりへの影響とは?
みづき 新型コロナウイルスの影響によって仕事はどう変わりましたか?
Iさん 当初は対面で会えなかったため、打ち合わせができなくなりましたね。上司に伝えなければいけないこともなかなか伝えることができませんでした。
Kさん 会って話せばいいことが時間作ってメールで伝えるとかね。
Iさん 特に地域の方々と距離が近い仕事なので「ニュアンス」が大事なんです。
Kさん 「こんなご要望を受けたんだけど、ちょっと怒ってそうでした」や、「軽く調べておいて」というようなことは対面でないと伝わらないですよね。
Iさん 建物に関する届出業務もあるので、図面を見て行う作業もあるんですけど、窓口での対応を控えるとなると郵送になってしまいます。しかしそれでは時間がかかるので、事業者さんにも時間的な負担を強いていたかなと思います。
みづき 「ニュアンス」を伝えるために、どのように対応されたのですか?
Iさん 電話と会えた日に伝えるという形ですね。
Kさん コロナ禍だと地域の方々と会えなくなるので、活動もオンライン会議で画面越しでのやりとりになりますね。緊急事態宣言が明けた後も、会議室の定員を半分にしたりアルコール消毒液を準備したりしていました。
みづき 業務でオンライン会議を行うことも増えたと思いますが、それについてどのように感じていらっしゃいますか?
Iさん オンラインで打ち合わせをするのと対面で会議をするのはだいぶ違って、オンラインだとかしこまった形になってしまいますね。
Uさん オンライン会議では同時に喋ることができないということもあります。ミュートの切り替えがありますし、円滑には進まないと感じることがありますね。
Kさん ご高齢の方ですと、そもそもオンライン会議システムを使えないということもありますし、使えたとしても何も発言せずに終わることもあるんですよ。
みづき 地域の方々との意見交換が多いお仕事ですと、余計オンライン会議がスムーズに進まないのは大変ですよね。
それでは、新型コロナウイルスによって地域の方々から増えた相談はありますか?
Iさん あくまで個人的な印象ですが、家にいる時間が増えたことで、隣で行われている工事の音が気になるといった声が寄せられるようになりました。
Kさん 下北沢ですと「路上飲み」が増えました。緊急事態宣言によって居酒屋が休業したため、コンビニでお酒を買って駅前でタバコを吸いながら飲んでいた方がいました。夏場はアスファルトに座り込んで座談会みたいな感じでやっているのを何組か見ました。
このような事態だったので、夜遅い時間ですと女性が一人で歩けないという苦情も寄せられました。朝になると缶やタバコの吸い殻が残っていることも多かったです。町会や商店街からも、「なんとかならないかな」という声が寄せられました。また、地域の方々がボランティアでゴミ拾いをしていても追いつかない状態でした。
みづき 要するに、コロナ禍の影響でお仕事が増えてしまったということですよね…?
Iさん うーん…、でも、コロナ禍によって地域の方々と話す機会が増えた部分もあります。地域の方々とゴミ拾いをすることもあったので、それはいい面だったと思います。
みづき 確かに、改めて直接意見交換をする重要性が認識できますね。
防災に関して
さとぽん 北沢地域ではどのような災害の危険性が高まっているのでしょうか?
Kさん 防災については地域振興課の中に防災を担当する部署があります。そこでは、防災計画を作ることと、避難訓練をやっています。今回の小田急線上部でも少し防災の仕組みを取り入れています。
Iさん 小田急線の跡地の利用計画の中に「どういう防災設備を作っていこうか」という項目を平成27年に作っています。3駅(世田谷代田、下北沢、東北沢)駅前広場が出来るので、防火水槽などが計画されています。小田急線上部の区の施設の整備は、北沢総合支所の拠点整備担当課が担当しています。今は囲われていて見えないのですが、下北沢の駅前の地面には大きい穴が開いていて、防火水槽が入る場所になっています。そこに100トンくらい水を入れて、消防車が来たらそこから吸水して消火する仕組みになっています。防火水槽は2基入れる予定で、現在は2基目を入れようとしています。
Kさん 下北沢周辺は建物の密集地域なので、木造の古い建物が密集していたりとか、商店街も小さい建物が多かったりするんですね。そのため、3つの駅の駅前広場に、防火水槽を埋め込んで火災があったときに使えるような防災対策をしています。
さとぽん やはり、防火の面が主なんですね。
Kさん また、通路を作ること自体も防災になるのかなと思います。避難するときにくねくね行かなければならなかった所がまっすぐ通れる新たな避難経路が出来るので。
Iさん 救急車は通れるようになるんですよ。
Kさん ガードを外して緊急事態の時に通行可能にしています。
Iさん 環状七号線の周りは消防車が入れない細い道しかない場所が残っています。住所では北沢3、4丁目辺りになります。そこでは私たちとは別のチームが「不燃化特区」という燃えやすい建物を建て替えるための助成を行なっています。少しずつですが燃えにくい建物に変えるお手伝いをしています。
さとぽん 私自身も不燃化特区の地域に住んでいるのですごく関心がありました。ありがとうございました。
北沢地域が目指す将来像について
みづき 世田谷区では、5つの地域ごとに目指していく将来像を明らかにしていて、北沢地域の将来像には「健康を招くまち」「モダンと伝統が織りなす」という表現がありますが、その表現に至った「北沢地域ならでは」の理由はありますか?
Iさん 「モダン」については、鉄道や道路に関する計画を進めていることが関係しているのだと思います。
みづき 「健康」に関してはいかがですか?
Iさん こちらは推測になりますが、北沢地域が世田谷の中でも東側に位置しており早い段階から市街地化していることが関係していて、昔から住んでいるご高齢の方が多いからではないのか、と思います。
Uさん 下北沢駅から少し離れると閑静な住宅街が立ち並んでおり、遊びに来る若者を除くと、意外と地元のご高齢の方が多いですね。
Kさん 北沢地域に古い木造の建物が多いのも、背景として市街地化が早い段階から進んできたことが考えられます。都心に近づくほど大きな土地がないので、古くから住んでいる方が多いのだと思います。
みづき 下北沢界隈は若者の街という印象がありますが、歴史的な街並みを楽しむために訪れるのも良さそうですね! 防災面での課題はありますが、昔からの下北沢の良さは大切にしていきたいです。
ユニバーサルデザインによる「やさしい街づくり」
しほ 「梅ヶ丘駅〜豪徳寺駅・山下駅界わいユニバーサルデザイン計画」は、どれくらい実行されていますか?
Iさん ユニバーサルデザインについては、建物の規模や用途によって建築時に届け出が必要なものが決まっています。それについては、街づくり課ではなく都市デザイン課が、主に担当しています。
Uさん 街づくり課では、駅周辺のサインの設置を行っています。サインは、誰でも現在地や公共施設へのルートなどが分かるユニバーサルデザインの1つとしており、一昨年度は、梅ヶ丘駅界わいで設置しました。
しほ 私自身、街でサインを見かけることもあり、良く利用しているのですが、街について今まで以上に知ることが出来て助かっていたので、今回そのお話を聞くことが出来て嬉しかったです。
北沢総合支所街づくり課の皆さん、貴重なお話をどうもありがとうございました!
以上、区役所職員にインタビュー! ─北沢総合支所街づくり課 中編─でした。
後編では、部署で働く職員の方々ついてフォーカスしていきます。次回もお楽しみに!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?