見出し画像

【アルバム紹介】Perihelion / Sungazer(2021)

はじめに

今回は、こちらのアルバムを紹介します。

Sungazerは、Shawn Crowder(Dr)とAdam Neely(Ba)2人のユニットです。公式にelectro jass+EDMとある通り、生音重視なのにアンビエントに収まっていく不思議な楽曲が収録されています。
以下、数曲気になった楽曲を紹介します。

曲紹介

Threshold

1曲目のThresholdは、ゲストに尺八奏者Zac Zingerを迎えての楽曲です。尺八のユリ(ビブラートのこと。首を動かして音に変化をつけるユリは基本奏法の一つです。)が若干抑えめになっており、リード音色として主張しつつも違和感がなく、ちょうどいいバランスかなと思います。それと生ドラムがいい。大暴れとまでは行きませんが、打ち込みじゃないとこんなに映えるんだな、と今更ながらの感想です。

All These People

3曲目All These People。サンプリングボイス"All These People"の使われ方はダンスミュージックそのものなのですが、なんだか掴ませない構成です。最初はシロフォンっぽいリードを軸に進行するのですが、途中からドラムが掌握して次々に展開していきます。

Days into Nights

6曲目Days into Nights。ボーカルにかかっているエフェクトの感じも、登場の雰囲気も今っぽい楽曲なんですが、ドラムの微細な抑揚でユニークな楽曲になっています。
ふと、ボーカルの音程を上げる方向でケロらせる分には日本語でも映える(Perfumeとかのイメージ)一方で、この下げる方の加工はあんまり聴かないな、と思いました。ピンポイントで出てくるのはなんとなく想像つきますが、楽曲を通じての低音加工はインドヨーロッパ語族の特権かもしれません。

Thicc

9曲目のThicc。セリフから始まり、1分経過したくらいからメインのテーマが入ってきます。アルバムで一貫して使われていますが、Synth Padの音がいい。伸びがいい。サンプリングベタ打ちではないんだろうなぁという感じです。アルバム内共通音色で言うと、効果音的に入っているシンセのポルタメントの音もいい。これもきちんと音作りされている感じがします。個人的にサンプリングボイスが単調に打ち込まれている裏で少しづつ変化していく展開が好きなので、聴いていて刺さった楽曲です。

おわりに

以上、Sungazerより『Perihelion』でした。とにかく(1)生ドラムが最高で(2)打ち込みシンセも唯一無二、という感想です。ダンスミュージックやジャズはもちろん、バンドサウンドの雰囲気もあってて、いい意味でカテゴリ化に困る素敵なアルバムです。


筋書きのあるコミュニケーションを「プロレスっぽい」というとプロレスファンに怒られる気がして。
リズムパターンが次々変化する楽曲を「ジャズっぽい」というとジャズ愛好家に怒られる気がして。
だからといって代替の表現を持ち合わせているわけでもなく。


この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,729件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?