【アルバム紹介】XSCAPE / Michael Jackson (2014)
はじめに
今回は、マイケル・ジャクソンのアルバム、XSCAPEをご紹介します。
このアルバムは、マイケル・ジャクソン没後に、未リリースだったレコーディング音源の再編曲で構成されています。"Original Version"となっているのは、レコーディング当時の音源です。
発売当時は「亡くなった後の作品でもはやマイケル・ジャクソンの曲ではない」「リリースされなかった何らかの理由があるはずで、これを公開するのはいかがなものか」といった反応もあったように記憶しています。私自身、なんだか墓を荒らすようで当時は素直に聴くことができませんでした。
ただ、月日がたった今なら、こういった尾ひれを気にせずフラットな気持ちでこのアルバムを楽しめます。久しぶりに「マイケル・ジャクソンのアルバム」として聴き直し、4曲ピックして有る事無い事書いています。
Love Never Felt So Good
表題どおりの初恋(?)の想いがひたすらに綴られているこの曲。ぼーっと聴いていると「スッキリまとまっている曲だな」という印象なのですが、歌詞を読むとそのあまあま具合に驚きます。日本語で似たような内容を歌おうとするともっとベタつきそう。
こういうポップ曲が結局好き。しっかりサビに持っていき、期待通りの盛り上がり。マイケル・ジャクソンの"baby"が一番いい。
Chicago
一転してこの曲の"I"は三角関係状態になっています。"I"は騙されて人妻をいこうとしており、本来のお相手に「あなたも私も騙されていた」と訴えています。
↓の曲の具体的すぎる歌詞に対して何かと言われがちですが、シカゴでもなんかあったんですかね。
前曲もそうですが、スマートかつど真ん中のPop曲に何らかメッセージが仕込まれているのがマイケル・ジャクソンの凄さなのかななどと思っています。歌詞に囚われすぎず、曲をそのまま楽しめるのは非ネイティブが海外の曲を聴く楽しみの一つです。
Slave to the Rhythm
このアルバムで一番好きな曲。これから聴いてほしい。
intro終わりから飛び込むgroove、「これは当たりの曲を引いた」と思わせる。ボーカルもドラムパターンに組み込まれていき、聴いていて気持ちのいい曲です。もっとサビで盛り上がってもいいのになと思っていると、後半できちんと回収してくれます。
歌詞を見ると、今度は仕事をしながら夫と子供たちの面倒をみるお母さんの姿が。めちゃ大変そうです。そういった生活からの開放を描くかと思いきや、"She"は家庭を守る以外選択肢が無いことをわかっているようです。
Xscape
表題曲。若干暗めの曲調です("Hoo!"や"Ahh!"、もちろん入っておりますがとにかく暗めなのです)。Brassベタ打ちフレーズが何回か(一番最後にも)入るのですが、これで何故かダサくないのもマイケル・ジャクソンの曲だなと感じる要素の一つです。
"Xscape"の置き方もすごい。リフレーンの極地。流れるように歌っているかと思いきや、きちんと印象に残そうとしてきます。「口ずさみたくなる」というやつです。
歌詞の中では、システムからの監視から逃れる"I"。こちらは脱走に成功したようです。メディアをはじめ、周囲の目を気にしながら生活していたのでしょう。
さいごに
書いていて本当に気持ちが良かった。マイケル・ジャクソンの楽曲が良くないはずはないので「今更何を書くことがあるのか」という思いが脳裏をよぎることもありましたが好き勝手書いてやりました。どうだまいったか。
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