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日本では「お客様」だけが生きやすい…!「人生」よりも「消費」が大事!労働を避けて暮らせば幸せかもね!?

 日本と海外を比較して「日本のここがダメ!」というような感覚にさいなまれる日々を送っていましたが、改めて、何がそんなに日本ではしんどいのか、なぜ、海外で暮らしている人がうらやましく思えてしまうのか(いろいろあるだろうけど)ということを考えてみました。

 ここがしんどいよ!日本!ということを考えると、堂々の1位は、やはり「仕事の辛さ」なのではないでしょうか。

 「仕事が…しんどい」「無職も…しんどい」「社内ニートだーっていーろいろ咲き乱れるの(「人生いろいろ」のメロディで)♪」…仕事以外にも、つらたん経験が豊富な身として、何が辛かったかといえば、集団や組織の都合の方が大事で、「人生の楽しさ」や「個性を尊重する」ことは何より後回しであるゆえの息苦しさが、一番の問題なのかなと思います。

 海外旅行をして帰国した日の半日くらいは、たいてい日本が大好きになれます。空港のトイレの綺麗さ、一切壊れていない機器たち、そこまで高くないバスのスタッフの方が、乗り場について、とても丁寧に説明してくれたり、バスを見送る際に深々とお辞儀をしてくれたりします。とくに近年は、マイル獲得に命をかけているので、日本の航空会社ばかり使っており、機内食のご飯のおいしさや飲み物のクオリティの高さはすさまじく、毎日でもランチに機内食を食べたいほどのおいしさです。普通に頼んだら一食5000円くらいするのだろうか…。

 離陸前には、すごい目線でシートベルトのチェックをされたりするのは気疲れしますし、「隣の客はよくトイレに行く客だ」などとCAさんに思われているのではないか、とか、CAの人って絶対、水も飲めない体育会系運動部出身の人が多いのだろうな…とか考えたりとか(実はあらゆる業界の女性社員がそうなのですが、ハードな女子バレー部、バスケ部出身者が多い…!中学生時代の「女バレ」「女バス」所属者たちの堂々たる自意識は、ほんとすごかった in 北関東の公立中学校…体育の授業で私の鈍い動きに対してバスケ部出身者に「ちっ!」と舌打ちされた思い出が今も鮮明に蘇る…)毎日コンビニのコーヒーすらもカードで買って、そのポイントでマイルを必死に稼いでる小市民めが!などと思われているのではないか、などと被害妄想的に考えてはしまいますが(多分だれも気にしていない)、荷物がちゃんと届かないのではないか?実は席がとれてなかったりするのでは?というような、サービスへの不安は、日本のサービスでは、まず、ないのです。

 その点だけを考えると、日本は素晴らしい!と思えるのですが、それでは、なんでこんなに息苦しさを感じて、毎日体質改善用の漢方薬を飲んでいるのか(かれこれ20年くらい飲んでいるが、効いているのかいないのか…)、ということが気になります。

 かの有名な、内田樹先生が指摘されていたことですが、日本社会で生きていると、皆、「消費者」で、「お客様」であるという意識が徹底的に植え付けられてしまいます。払ったお金の分は、ちゃんとサービスを受けられるもの、受けられなかったら抗議すべし、という感覚が、幼いころから、骨の髄までしみわたっています。

 その枠組みの中でしっかりお金を払うことができ、「消費者」あるいは「お客様」として生きていける分には、これほど楽しいところはないのかもしれないのです。つまり、お金に余裕があり、労働市場のキビシイ部分にかかわらずに日本で生きられる人たちが幸せなのです。そうするとお金持ち!ということになるわけですが、金銭だけでなく生活全般、精神的な余裕もあるお金持ちとなると、この過酷な労働市場で稼いでおられる方々は地獄の果てまで働いているので、そうそういないのかもしれないです(良く知らんけど)。

 お金をしっかりともらいながら余裕のある日々を送りたいと考えれば、多くの人が「上」の立場になりたい、あるいは「上」の人たちのもとに嫁ぎたい、と考えるわけで、どうすれば「上」でいられるか、「上」の人たちに嫁げるか、ということを逆算すると、そこにスクールカースト、部活動での頑張り、学歴、職歴、企業内でのポジション、などなどがつきまとってくるわけで、その競争でなるべく上にいたい、と思う。逆算して子供の頃から勉強や運動やその他諸々の活動に励み続ける。

 その世界では、人生の楽しみや、個性の尊重などは後回しにならざるをえないのかもしれません。あくまでもお金を余裕を持って払えて、かつ「上」にいる人だけが尊重されるわけです。

 消費者として堂々と生きていける選択ができない立場にいると、日本の辛さを思い切り味わうことになるのかもしれない・・・と思ったのでした。


 

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