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夢は、大好きなガンバ大阪で仕事をすること!イラストレーター・FCさえきが描き続ける原動力。

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サッカークラブで働くことを志す人が多くいる昨今、サポーターの中にも「好きなサッカークラブと一緒に仕事がしたい!」といった"夢"を持っている方がたくさんいる。そしてその想いが、長い仕事人生を送る原動力になることもある。今回はガンバ大阪を愛し、ガンバ大阪の「イラスト」に関する仕事を夢の一つに掲げているFCさえきさんにお話を聞いた。

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【プロフィール】FCさえき(さえきけんすけ)。ガンバ大阪サポーター。プロの似顔絵師として活動しつつ、ガンバ大阪を中心にJリーグに関する様々なイラストをSNSにアップしている。Twitterアカウントはこちら。 個人ページはこちら。


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取材班:上記のツイートを拝見し、お声がけさせていただきました。今日は「仕事としてガンバ大阪に関わりたい!」と公言されているさえきさんの想いをたくさんお聞かせ願いたいです!

まずはさえきさんについて教えてください!

さえき:さえきけんすけと申します。2007年に大学を出て、現在に至るまで似顔絵師として活動しています。その傍ら、応援しているガンバ大阪に関するイラストを書いてSNSを通じて発信しています。


取材班:いつ頃からガンバ大阪を応援しているのでしょうか?

さえき:のめり込んだのは1990年代後半です。ガンバはJリーグが発足したときからあったので、「大阪にチームあるんや」って感じで注目はしていまして。そこから好きになったきっかけの一つが稲本潤一選手でした。彼が代表に選ばれ始めて、エムボマ選手がエースに君臨していた時代に本格的に追いかけるようになりました。


取材班:普段はどのようにしてガンバ大阪の試合を見ているんですか?

さえき:現地かDAZNかで言うと、DAZNの方が多いです。そもそも似顔絵師の仕事は土日に入ることが多いので、タイミングが合わなくてリアルタイムで見れないことも多いです。そういう意味では、ものすごく熱量が高いサポーターには見えないかもしれませんが、時間があるときは現地にも行っていますよ!



取材班:2020年はイレギュラーなことが多くありましたが、ガンバ大阪の試合を見る回数に変化はありましたか?

さえき:DAZNで見る回数が激増しましたね。今までは外で仕事をしていたので、キックオフに間に合わないことが多くありましたが、コロナ禍で在宅ワークの機会が増え、ガンバ大阪の試合を見れる回数も増えました。とはいえ仕事にも影響はありますし、嬉しさ反面複雑さ反面って感じです。

ただ、この状況でもサッカーを見れたのは、僕らサポーターからすれば勇気をもらえることでした。その上ガンバは調子がよかったので、楽しいシーズンを過ごせました!サッカーからポジティブな影響をたくさん受けたので、再開までこぎつけてくれたJリーグの皆さまには感謝しています。



ガンバのイラストを書き始めるまで。



取材班:ガンバ大阪に関する"イラスト"を描こうと思ったキッカケは何でしたか?

さえき:2014年が最初だったと思います。もともとショッピングモールなどで似顔絵を書いていたのですが、僕だけが座っていても誰も寄ってこないじゃないですか。なので芸能人やスポーツ選手の似顔絵をサンプルとして置いていました。そこで初めてガンバ大阪の選手の"似顔絵"を描きました。


取材班:あの…無知で申し訳ないのですが、"似顔絵"と"イラスト"ってどう違うのでしょうか…?

さえき:線引は曖昧なんですけど、僕の中の「よくある似顔絵」のイメージとしては、色紙の中央に大きく顔が描いてあって身体がちょこんと描いてあるもの。似顔絵は顔と身体の比率が8:2、一方のイラストは5:5とか4:6とか、と想像すると分かりやすいかもしれません。

取材班:なるほど!ではさえきさんがTwitterにアップされているのは"イラスト"の部類に入るわけですね。


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さえき:はい。似顔絵は2014年から描いていましたが、このようなイラストは2018年くらいから描き始めました。ここ2年くらいの出来事です。

取材班:どうしてガンバのイラストを描くようになったのですか?

さえき:仕事に疲れたなって時に、ガンバのイラストを描くようになりました。

取材班:リフレッシュ方法ってことですか!(笑)

さえき:同じ「絵を描く」でも、自発的に好きなものをひたすら書くのは楽しくてしょうがないです(笑)。絵描きあるあるというか、こういった現象はよく耳にしますね。ガンバのイラストを描いていると、あっという間に時間が過ぎていくような感覚です。


取材班:1つのイラストを描くのにだいたい何時間くらいかかるんですか?

さえき:延べ2〜4時間です。基本的には選手の特徴やプレーから連想して絵にしています。たとえば、今シーズンのサンフレッチェ広島戦で倉田秋選手が決めたドライブ気味のシュートから、以前描いていた大空翼を連想してその2つがコラボした絵を完成させる、といった具合でやっています。



取材班:いくらリフレッシュ方法とはいえ、めちゃくちゃクオリティが高いと思うのですが、ガンバ大阪のイラストを描く際のこだわりはありますか?

さえき:似顔絵作家から出てきた人間なので、「似ているかどうか」は最低ラインを設けるようにしています。面白おかしく描くこともできますが、その選手を好きな人が「こんなんじゃない!」って思うイラストにはしたくなくて。僕としては、描いてもらった人と見ている人の両方が嬉しく思ってくれるようなイラストを描きたいですし、スポーツ選手ってカッコいいので、どうせならカッコよく描きたいです。

あとは自分の中にある「気持ちいい線」を出せるかどうか。それが躍動感やカッコいいって思ってもらえる部分に繋がっています。


取材班:これまで描いてきたものの中で、気に入っているイラストはありますか?

さえき:いい感じに書けたのは、宇佐美貴史選手のイラストです。


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僕の中で宇佐美貴史選手といえば、2015年4月の清水エスパルス戦で見せたトラップからのゴール。後ろから来たボールをハイキックのような形で止めてシュートを決めるまでの流れがとにかく衝撃的でした。なのでそのトラップの瞬間を描きました。

それから、エムボマ選手のイラストも気に入っています。


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実はこのイラスト、顔をほぼ描いていないんです。でも「このプレーで誰だか分かるでしょ?」っていう。エムボマ選手と言ったら、これですよね。


取材班:さえきさんのイラストを見ると、その場面が頭の中でありありと再現されてきます。

さえき:僕はすべての試合を見れているわけではないので、他のサポーターさんよりも知識は薄いと思うんです。なので「この選手の魅力を知ってほしい!」というよりは、「こんなプレーありましたよね?」「こんなプレーするでしょ?」って心持ちで描いています。見ていただいているサポーターさんが「あぁ!あったあった!」って思い起こしてくれたら嬉しいですね。


取材班:さえきさんにとって、ガンバ大阪サポーターの存在は大きいですか?

さえき:サポーターさんがいなければ、ここまで多くのイラストを描けないと思います。僕は基本的にSNSで情報収集をしていて、サポーターさんから回ってくるツイートを見たり、「さっきのプレー、●●(選手名)みたい!」といった声を参考にさせていただき、具現化しています。一人で全部考えて描くのは大変なので、サポーターさんの気持ちをイラストに表すことも多々あります。


取材班:さえきさんの描いたイラストに、ガンバ大阪サポーターが称賛しているやり取りをよく見かけます!

さえき:「カッコいい!」とか「こんなプレーしてた!」とか、サポーターさんから褒めていただけるのは素直に嬉しいです。あとは選手本人からいいねが来るのも嬉しいですね。東口順昭選手にいいねしてもらった時はびっくりしました。褒められるために書いているわけじゃないですけど、褒めてもらえると次への原動力になります。


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いつかガンバと仕事がしたい。


取材班:冒頭でも触れた以下のツイートに関してですが、現時点で、ガンバ大阪とはどういった形で関わるイメージを持っていますか?



さえき:もし仕事をさせていただけるのであれば、毎年夏くらいに記念ユニフォームを来場者全員に配る試合があるのですが、そのユニフォームデザインができたらいいなぁと思っています。ユニフォームの中に僕のイラストを使っていただけたら最高やな、と。


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まぁ言ってしまえば、何かしらで僕のイラストを使っていただけるだけで最高に嬉しいです(笑)。スタジアムまでの道中にある"のぼり"とか、オーロラビジョンの選手紹介とか、「今日は●●と対戦します!」ってムービーが流れる時に、僕が描いたマスコットがバン!って出てきたらすごいなあって。夢というか、それ以上に大きいことは考えられないです。


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取材班:個人的な印象ですが、Jリーグ周辺ってかわいい系のイラストが多いですよね。オーロラビジョンや道中にあるイラストとなれば、さえきさんが描かれているカッコいいタイプの方が気持ちが高まるような気がします。

さえき:かわいいイラストは結構見る一方、かっこいいベクトルって実は少ない気がしていて。それがキッカケになって描き始めた部分は少なからずありますね。


取材班:さえきさんは、サッカーにおけるイラストの価値はどういった部分にあるとお考えでしょうか?たとえば写真と比較するといかがでしょう?

さえき:写真と比べたイラストの良いところは、ある意味なんでもできるというか。たとえば熱い選手がいるとして、吠えている場面を写真に収めても十分カッコいいと思うんですけど、イラストだったら誇張が利くのでその選手の熱さをより表現できます。

「選手やモノの魅力を伝えやすい」という部分にイラストの価値があるのかもしれません。いくつかの特徴を1枚にまとめられるのもイラストならではですし!


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取材班:イラストが活躍できるフィールドが広がっていくといいですね!

さえき:現状、僕らのイラストはグッズになるしかないと思っていて。見た時に「これはカッコいい!」と思ったとて、「さて、グッズにしましょう」ってなった時にどれくらい使えるかはまた別の話なんですよね。その辺がすごく難しいです。

たぶん今のところ、僕の絵はそこまでグッズ向きじゃない。もっと上手くなれば声がかかったりするのかもしれないですけど、まだそういう時期じゃないのかなって自分は思っています。


取材班:ちなみに、ガンバ大阪から仕事をいただくにはどういったルートがあるのでしょうか?

さえき:それが全くわからないんですよ…(笑)。最近だと2019年に木梨憲武さんがユニフォームのデザインをしていましたね。今年は墨を使って描く有名な方だったので、まずは僕が有名にならないといけないのかなと…。


取材班:でもさえきさん、世界大会で受賞するほどの腕前だと拝見しましたが。

さえき:以前、似顔絵世界大会『ISCA』にて何部門か受賞することができました。とはいっても、僕が日本代表で行ったわけではなく、むしろ自分でお金を出して参加するような大会なんです。


取材班:そうだったんですか!でも、似顔絵師として一定の地位を築かれているさえきさんが「仕事ください!」とアピールするなんて、相当ガンバ大阪に関するお仕事を望まれているんだなぁと。

さえき:やっぱりガンバ大阪が大好きなので。好きなことで仕事ができるって最高じゃないですか。僕自身、やりたくないものには「やりたくない!」と思ってしまうタイプなので、できるのであればサッカーの仕事、それもガンバ大阪に関する仕事がもらえたら嬉しいです。


取材班:もし自分がガンバ大阪を応援していたら、サポーターでありイラストレーターであるさえきさんが担当したユニフォームを着たいと思うはずです!

さえき:実際にそう言ってくださるサポーターさんもいるので嬉しい限りですよね。


取材班:ガンバ大阪と一緒に仕事をすることが、今の仕事のモチベーションになっている部分はありますか?

さえき:それはありますね。イラストレーターとしての最終目標ではないですが、ガンバ大阪のお仕事に到達することは僕の夢の一つであり、そのために今を頑張っています。もちろん「イラストを描くこと自体が好き」って気持ちは常にベースにあるので、もし何も(ガンバから)アクションがなかったとしても、この仕事を楽しんで続けていくとは思いますが。


取材班:さえきさんにとって、ガンバ大阪とはどんな存在でしょうか?

さえき:一言で表すなら、「栄養源」です。ガンバのイラストなら仕事の合間を縫ってでも描こうと思いますし、描くことによって仕事のモチベーションを上げることができるからです。

僕は小学3年生の時にJリーグが発足したので、「ガンバ大阪があって当たり前」みたいな感覚ですね。「なくてはないもの」ってよく例えられますが、まさにそれに近いのかなと。


取材班:最後に、ガンバ大阪サポーターに伝えたいことはありますか?

さえき:僕のイラストを見てくださっている方には、ありがとうございますと伝えたいです。ただ、毎日何かをSNSに上げられるわけではないので、気長に待っていただけると幸いです(笑)。

Jリーグのある日常が戻ってきたときには、僕もパナスタに行きたいと思っているので、もし見つけたら声をかけてください!


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【了】

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