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『成瀬は天下を取りにいく』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。


宮島未奈著 『成瀬は天下を取りにいく』 (新潮社 、2023)


過去に話題となった、野球部のマネージャー的(マネージメントなど)な本かと思って管轄外にしていたら良い意味で全然違っていた。
先入観は時に妨げになりますな。



あらすじ

本書は、天才的で変わり者の成瀬あかりを中心に進む物語。
6章立てで構成されている。

ありがとう西武大津店

閉店間際、ローカルテレビでは西武大津店の閉店までのカウントダウンが放映される。
主人公の成瀬あかりは閉店するまで、ローカルテレビに放映される約1ヶ月の間、毎日西武大津店に通う。
ここで、友人の島崎も時々共に行く。
友人島崎視点から、「成瀬」を知ることが出来る。

膳所から来ました

西武大津店が閉店し、今度はお笑いの頂点を目指す成瀬。
相方は島崎。
M-1グランプリ出場に向けて、残された期間練習する。

階段は走らない

西武大津店してから、再会するマサル、敬太。
30年前、突然引っ越してしまった友人タクローの物語。

線がつながる

丸坊主で高校デビューの成瀬。
成瀬に苦手意識を持つ、大貫かえで。
スクールカーストというのか、学校での日常や受験の様子が伺える。

レッツゴーミシガン
滋賀県で行われる、かるた選手権大会。
成瀬に恋する西浦。
西浦が成瀬と一緒に出かける千載一遇の場所は、琵琶湖。
ここでも成瀬はブレない。

ときめき江州音頭

最終章にて初めて、成瀬視点で描かれる物語。

成瀬の周りにいる人物の日常。
成瀬と直接話さないけれど、繋がっている人。
成瀬を中心に、それぞれが織りなす物語(日常)


感想

某映画を思い出すほど、地元ネタ(滋賀)が多い。
ここでも私は、地元愛すごいなーと羨ましく思ったり。

というか、成瀬。
天下を取ってくれ。
200歳まで生きてくれ。
全力で応援したくなる。

突拍子もない、「変わっている」と思わせる成瀬を見る周りの視点。
成瀬自身の視点(不器用だったりするところ)
絶妙に私自身に似ている。
最近、こういう感覚(登場人物に自分に似ているところを見つけて嬉しくない現象)を抱く本が続いている。


こういう友達がいたら、楽しいかもしれない。
こういう人とは、友達になりたくない。

自分自身ではない、まったく架空の誰かであれば、心から楽しむことの出来るキャラクターの物語。
成瀬に関しては、私を第三者の視点で丁寧に説明されているようだ。

けん玉やってるし。
動揺している時の動作も微妙に似ている。


それともかく続編も読もう、というのが読み終わっての感想。

滋賀に行ったことがないのに、まるでその場に行ったことがあるような感覚になる。
臨場感あふれる文章と、テンポの良い文章なので非常に読みやすい。
私に似ているところを見つけて「うっ…」となりつつ、やっぱりストーリーは面白い。

ポジティブだったり、前向きな気持ちになれる本。
落ち込んだら、読みたくなる本でもある。


次巻が早く読みたい。
おすすめです。

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