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実践、続けることの美学と思考停止問題

実践し続けることが大事である。
手を動かし続けなければいけない。
これが最近の僕の美学である。

僕はこの美学が、考えるのをやめ馬車馬のように猛突進するだけで良いという考え方に繋がったり全体主義的な思想のベースになったりする危険を孕んでいることを認識している。

勿論考えることは大事である。
僕が言いたいのは、手を動かし続けるのと同じくらい日々の読書・他人との会話といったインプットをも堅忍不抜に続けるのが大事だということだ。

しかし、ミクロな次元、実際に書斎に座った段階ですら立ち止まって考え続けること、俯瞰しようとし続けることにはあまり意味がないし、それは美しくない。なぜなら美しさとは全体的な質感に宿るものであり、全体的な質感を担保するのは個別具体的な部分の堅実さ、「ちゃんとしているかどうか」であるからだ。

忘れてはいけない、全体的な質感だけをコピーするのは極めて難しいことを。全体的な美しさに辿り着く方法は往々にして、堅忍不抜な積み重ね、手を動かすこと、実践であることを。

実践は思考停止ではない。世の中の数多なる美しいものについて知った上で、それらを一旦全て忘れた上で、個別具体の部分に自分の全力をぶつけていくことである。

芸術は技術なのだ。



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