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いつだって青コーナーにいよう

つい最近、約10年働かせてもらった職場を辞めた。

ちょっと長くなるけど、この10年の供養のために書く。書かせて。
大学4年か留年してた5年生の時に、夜はスナックでバイトしてた。そこによく来ていた女性のお客さんが、就職先も決まってない私をみかねてご主人の経営している職場を紹介してくれた。うれしかったし、ありがたかった。
そうこうしているうちに付き合っていた人とのこどもを妊娠。そこで職場を辞めとけば良かったな、と今になっては思うけど、当時お金の無い我が家にはこどもを保育園へ預けて私も働くしか選択肢がなかった。保育園に預けるには仕事復帰が決まっていないとなかなか難しかったし。職場も復帰を待ってると言ってくれた。
約10年間、基本的に職場の対応は善意ばかりだった。善意に甘えながら、良かれと思い、出来る限り出来る時はやろう、と働いた。退勤時に忙しかったら少し残業する、とか、上長が冠婚葬祭の時は長めに残業、とか良かれと思ってやっていた。もちろん家族と相談の上で。保育園の規定の時間の範囲で。
でも、それを何年も不満に思っている従業員さんがいた。その不満が爆発した時に、注意や指導でなく、私の家族の悪口で私に伝えられたものだから、しばらくは我慢したけれど毎朝怒りと悲しみがこみあげた。ついカッとなったからとは言え、私本人以外の情報で攻撃するのはさすがに怖いと思った。許せなかった。
この不況で転職できるのかもわからない。このまま仕事を続けていく恐怖も、辞める恐怖もあった。どうすればいいか考えるのも疲れて、とりあえず今日は映画を観て忘れよう…と、なんとなく観た作品にすごく背中を押されたのだった。𠮷田恵輔監督のBLUE/ブルーだ。


【あらすじ】誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。


ボクシングのお話ということで、拳でバチバチに殴り合うのかと思いきや、激しい要素は少なく、ひとりで黙々と直向きに行うシャドーボクシングのような作品だった。
キラキラしてる青春とも違う、もうすこし大人の葛藤と決意みたいな物語で、その時の自分にすごく響いた。
作中で登場人物たちが、今自分が置かれている位置を疑い、悩み、前に進む姿がとても美しかった。逃げるのではなく、進むのだよ、と優しく背中を押されたような気がして、涙が止まらなかった。今まで溜めこんでいた分の涙も流れていった。
ちなみに作品のタイトルとなっているBLUE/ブルーとは、ボクシングの青コーナーのことで、挑戦者側のポジションだそうな。

これで供養の話は終わり。
2022年7月某日に一身上の都合により退職させていただきました!

挑戦のはじまりだ!

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