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Netflixシリーズ「Boyfriends」を観たら、急激にクォーターライフクライシスに陥った29歳の夜 in 西アフリカ

たまに良い映画やシリーズを見つけると、数週間そのことしか考えられなくなる性格で(飽きも早い)。前回カンボジアにいた時は、愛の不時着を観てそこからクメール語が全て韓国語に聞こえてた記憶。数ヶ月前にはタイタニックを観てレオ様!と数週間言い続けては周りの友達に今更???と突っ込まれたりしてた。

ここ西アフリカで、今話題沸騰中のNetflixシリーズ「Boyfriends」を観た。日本のコンテンツがこんな遠い西アフリカで、友達との間で話題になることが珍しかったし(基本日本の作品も韓国作品と思われてる)、この内容を日本のNetflixが出してくれたことが、とても嬉しかったりもした。

そして、余韻が抜けない今、急激にクォーターライフクライシスにぶつかってる。なんでこんなに引きずってるかやっとわかってきたので、せっかくなので記録。

Boyfriendsを見てからああ恋愛ってこんな感じだったな、ってキラキラした眩しさの衝撃から頭が離れない。29歳ともなると、恋愛といっても聞くのは婚活が妊活がみたいな話ばかりで、「両思いかも!」「気持ちを伝えたい」みたいな光景が、あれこないだまで側にあったはずなのに、なんかとても遠く感じた。
まだ何もわからないこれからのこと、自分がどうしたいかわからないこと、感情のコントロールに悩んでいるのが眩しかった。
昨日読んだ出演者のインタビューには「まだ夢を叶えたわけじゃないけど」「これから夢を見つけて」といった言葉が並んでいた。

「夢を叶えていない」「恋はできなかったけど」「自分のことがわからない」。。シリーズの中で描かれていた、等身大の悩みや壁。
私も最近までそっちにいたはずなのに、いつの間にか仕事で夢を叶えて、パートナーにも出会えて、あれだけ悩んで闇雲だった日々もいつの間にか終わって、そしてもう戻ってこないことに、気づいてしまった。それは、嬉しいとかほっとしたとかじゃなくて、ちょっと、いやすごく寂しい。わがままなのはわかってる。

成長したくて苦手なことに挑戦したり、新たな環境に飛び込んできたメンバーの日常の記録だったBoyfriends。何が好きか、どうしたいかとかわからなくて、必死にもがいてるのは、いつかの私みたいだった。ああ、あれはあれで、もう二度と戻らない日々だったんだなって、今になってやっと気づいた。恋愛に悩んで苦しんで、ずっと一人かなとか思った時や、幸せになれる将来が想像できなかった時期も長かった。年明けに大学時代の街に戻ったときも感じたけど、何者でもなくて苦しかった、将来こんな日々が待ってるとは想像さえもできなかった学生時代の毎日や、恋愛で盛り上がって思いっきり楽しんだり傷ついたりした日々が、たった数年前のことなのに、今ではすごく遠い昔みたい。

キャリアも目標を達成して、これからいろんなライフステージを経て、もうそんなとこからはこれからずっと離れてしまうことが、急激に不安になってくる。というか、なんか心の準備ができていない。人生進むのが早過ぎない??

渦中にいる時はあんなに苦しかったのに。何もうまくいかなかった日々とか、絶望して泣いてた夜とか。絶対にもう良くなることなんてないと思ってた時もあった。将来に繋がるかわからないのに、必死で頑張って夢を追いかけていた。今になって、なんでそんなのが全部眩しく見えるんだろう。

あの頃は全部自分の努力次第で将来が決まると思っていたから頑張るしかなくて、恋愛もどんな人がいいかわかんなくて失敗したり悩んで傷ついて、そんなことはもう二度と経験したくなかったはずなのに。あの頃夢見て頑張ってやっと得た日々は、これからも続けようと思えばずっと続けられそうだけど、そっか、ああやってもがく日々はもうなくなるのか、と思うと急激にどうしようもない感情に襲われている。

これが20代だったのか。あんなに先が見えなくて悩んで苦しんだ日々も、過ぎちゃうのか。もう戻ってこないのか。もう1回やりたい。でも同じ経験をして、同じ自分になりたいけど。これからもまだあの頃のように先が見えなくて、全部自分次第で、たまらなく嬉しかったり辛かったりする日々はあるんだろうか。それとも、全部既に経験したことになっていって、だんだんつまらなくなっていくのかな。嫌だな。あの時頑張ったから今の自分があるのに、こんなことを思うなんてすごくわがままだけど。

20代の中盤は、周りが「若いっていいね」っていうほど良いことなんて全然ないじゃんと思っていた時期が長かった。全部中途半端だし、何者でもないし、でもプレッシャーは日々増えてくしで。そんな中でもたくさん挑戦して、意外に楽しかったこと、思ったほど好きじゃなかったこと、合わなかった恋愛も経験して、だんだん自分のことがわかってきて、ああこうやって’生きやすく’なって30代になっていくんだな、と感じ始めたのがここ1年。

こうやって「正解」というか、自分の中で答えを見つけていく過程のゴールが見えてきた今、ふと「先が見えずもがいていた」自分がもう遥か昔の遠いところに行ってしまって、その頃と同じ経験はもうできないと気づいた今、眩しく輝いて見えてしまうようになっている。

いつの間にか自分に納得して、やっと自分のことを少しずつ好きになれて。そうなりたくて必死だった20代だった。何も後悔していないし、これ以上ないくらいいろんな経験ができた日々だったけど、そんな大きなステージが過ぎていく心の準備ができていない、Not ready to be 30sなメモ。

もしこれを読んでくださっている30代の方がいたら、そんなことないよ、ずっと楽しいよ、って言ってほしかったり。こんな小さなぼやきも、西アフリカの端っこでは誰かにシェアできるわけでもないからここで。
振り返ってるから眩しいだけで、きっとこれからもいつかの自分にとったら眩しい日々になるの…かな…!



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