夢日記:第一夜/第二夜
あれ、noteもしかして好きかもしれない、
ということに気付いたので、
Twitterにのせている夢日記をこちらでも投稿できれば。
(Twitterでは、毎日夜8時に投稿しているよ!)
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第一夜 『標本少年』
「やあ、これは良いところに。貴重な舶来品が入ったんですよ」
骨董屋に入るなり、主人に声をかけられた。
どうやら私は馴染みの客のようだった。
何か言葉を発する前から、こちらへ、と案内されて、所狭しと並ぶ品をするりするりとすり抜けて、奥の棚に向かう。
そこには、少年が小瓶の中に詰められて、4つほど並んでいた。
花と一緒に入れられた彼らは、狭苦しい小瓶の中にお行儀良くちょこんと収まっている。
精巧な人形かとも思ったが、柔らかに上下する胸や、きょろきょろと動く目、小鳥が羽ばたくような瞬きが、彼らが生きていることを表していた。
「ここまでの器量良しは早々お目にかからないでしょ」
後ろから、店主の得意げな声が響く。
それぞれ花の色に合わせて誂えたような衣装。その中でも白を基調とした小瓶の彼に、私の目は釘付けになった。
透き通るような真白の肌に金髪碧眼。
貴族的につんとした美貌に、華奢な体躯。
ふわっと膨らむブラウスは、腰の辺りがキュッと絞られて、ショート丈のズボンから細くて長い足を晒し、そして、スッと美しい姿勢。
少し憂いを帯びた表情に、白い花が雪みたいに降りかかっている。
「流石お目が高い。こいつが例の、舶来品ですよ」
私は指をさし、迷わず白の彼を所望した。
しかし、店主の言うことには、この4人は小さい頃から仲良しで、引き離されたら寂しさのあまり衰弱してしまうかもしれない、と。
まんまと店主の口車に乗せられた形で、私は4人とも購入した。
高価な買い物だが、なに、彼らが弱って枯れてしまうより良いだろう。
小瓶を抱きかかえると、彼らの息遣いが聞こえるような錯覚に陥りながら、私は家路を急いだ。
***
第二夜『空飛ぶペンギン』
「空飛ぶアデリーペンギンを見に行くぞ」
そう言って南極行きの飛行機のチケットを渡された。
彼は学年で一番自由人で、頑固者で、
だから、友達らしい友達は俺しかいない。
南極に降り立つと、髪がパリパリと凍ってしまうくらい寒かった。
防寒具はしっかりと言ったのにマフラーを忘れてきたらしい彼に、仕方なく俺の予備を貸してやる。
真っ赤なマフラーを巻いて、とても嬉しそうだ。
こいつ、さては狙ったな。
彼は、ふふふ、と鼻を擦りながら笑った。
アデリーペンギンの群れが遠くに見つかった。
真っ白の世界に、ごま塩みたいな黒いぽちぽちが所狭しと並んでいる。
近づくと、密集したペンギンがよちよちしており、壮観だった。
「これが本当に空を飛ぶのか」
にわかに信じがたく、隣の彼に問いかけたら、
「それはもう上手に飛んでみせるさ」
と、得意げな返事。
しばらく待っていると、一匹がすいーっと、滑らかな氷原を滑っていった。
ぽてっとしたお腹にちょこんとした翼が愛らしい、そのフォルムに似合わず、どんどん加速し、そのまま滑空していく。
まるで重力を感じさせずに、ふわっと上手く風に乗る。
一匹を皮切りにして、我先にとペンギンが滑り出した。次々と空に上がり、自由自在に上空を泳いでいる。
おもむろに彼がペンギンの群れに向かって歩き出した。止める間もなく中心部に近づくと、みるみるうちにペンギンの群れに溶け込んで見えなくなってしまう。
途方に暮れていると、上空からでもハッキリ分かる、真っ赤なマフラーが視界の端で揺れた。
なるほど、彼が俺をここまで連れてきた訳が分かった。
どうやら、唯一の友である俺に出立を見送って欲しかったらしい。
ペンギンは渡り鳥だそうだから、来年南極に来ればまた会えるだろうか。
空飛ぶ彼に向かって、俺は大きく手を振った。
***
昨日、平野啓一郎さんの「本心」を読んでいて、気付いたら朝でした。
普段、読書をあまりしない人間なんですけど、いつか読書日記とかもつけていきたい。
(@nemuiyo_ove)
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