見出し画像

2019年4月 詩「疑惑を見たなら」「時間に対する考察A」


詠題:昭和


「疑惑を見たなら」 森田 玲花

帰り道の途中、あくびをすると
口からアジサイの花が咲いた
どんどん色が濃くなるたびに
革命が少しずつ空を覆っていく

ティラミスだってタピオカだって
みんな全部 他所の子なのに

進歩と調和のために生きなさい
私の孤独はもう灯された
やさしくなってはとけていく
カラスが鳴くから帰ろう



「時間に対する考察A」 ねむみ えり

世界に色がついた瞬間
何もかもが終わり、何もかもが始まった

あの人たちは死んでしまったし
喫茶店は禁煙になった

太陽の塔の内臓や
トーチの火が眩しい

巻き戻せないカセットテープを抱えて
彷徨うことしかできないでいる


------------------------------------------------------------------
「眠い森林」では詠題を募集しています。
Twitterにて #眠い森林 で投稿、もしくはnoteコメント欄に投稿ください。

#20190426 #詩歌 #詩 #poem #オリジナル #言葉 #note #コンテンツ会議 #眠い森林


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?