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2019年8月 詩「点呼応対」「終焉」

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詠題:選挙


点呼応対  森田 玲花

どういうわけだか
わたしの両手にかかえた
かなしみたちを削ったら
まっかな布になったので
ひとつひとつ丁寧に
ゆっくりほつれた裾たちを
束ねてかついで座布団にした

ちいさな拍手を重ねよう
ふっと揺れたら
ここは屋上
階段なんてもうないですから
何がかなしいかもわすれてしまった

赤は指先の声で書きなさい

わたしとわたしが
頑張って頑張って
両手をつなぐ日がきたら

もういいかい、
ねえ、まだだよね。



終焉  ねむみ えり

振り返りをしよう、はじめから
いつからこうなっていた?
何故私たち、ここで立ち尽くしている?

世界を変えたい、変えられない、だって天使だし
ボロボロに落ちた羽根が散らばって、まるで戦後だね

本当は毎日お菓子を食べて生きていたい
無造作に口に運んでいる白いものが、
ラムネなのか薬なのか、もう分からない

このゲームはここで終わりです
バグが多すぎて発売停止です
回収されなかった私たちは、
点滅する世界と同じリズムで息をするしかない

全てのリセットボタンを押すのは君
どうぞ、突き刺して、すべて消し去って
そしてもう一度


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